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青くさい


なんとなく生きていたら、人生18年目に突入していた。



稀有な色だからという理由でラベンダーのランドセルを選んだ、あの陽キャ心はここ数年で綺麗さっぱり無くなった。反動だか衰退だかよく分からんが、最近は漠然とした憂慮や畏怖をよく感じる。将来への不安であり、社会の規範に規制されることの不満である。あやふやで切ないだけの「大人」という概念に上手く嵌るよう急かされる日々、あとどれだけ苦しめば大丈夫になれるんだろうか。



見つかりっこないツチノコを校庭で探した昼下がり、大きくなったら一緒に住もうねと約束したあの日、少しでも触れたら弾けてしまいそうな記憶の膜に覆われていて、私の五月病を治す特効薬だったりする。こういった話を幼馴染にしたら、「そろそろ現実みなあかんで」と正論を食らった。そりゃそうだ。受験生というラベルが貼られているんだもの、そりゃそうだ。今までしっかりと踏み締めた道から手を引かれ、分岐器を置かれた線路に立たされている。選択は不可抗力。思えば大人になるよう丁寧にシステムされていたんだな。いやだな。



私だけが取り残されている。取り残されていることだけが明白で、現在地はわからない。できるだけ身軽になるようリュックサックの中身は抜いてきたのにな。大好きな厚底を我慢して平たいスニーカーを履いているのにな。ぐっしょり濡れた洋服を着ているみたい。纏わりついて離れないそれを、全力で剥がそうとしている。置いていかないでほしい。だけど、まだここに居たいよ。振り返れば足跡は薄れてきていて、勲章とも呼べた過去の日記は擦れて消えていく。海馬に刻むよう強い筆圧で書いたんだけどな。今いる地獄が簡単に塗り替えていくよ。





青くさいネガキャン、成長痛みたいなもんなんでしょうか。堕落は悪くないとカネコアヤノも言っているので万事オーケーかな。なんとか前を向こうと思うよ。

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