#SaveOurVoice - まぼねん(居酒屋)「コロナ終息したら世界同時にみんなで乾杯とかしたいよな」
Speaker : 中川圭司 / Nico(株式会社はうてん代表取締役)
Interview & Text : 天野光太郎
※このインタビューは2020年5月12日に収録したものです。
新型コロナウイルスの影響と現状
ーーお店の自己紹介をお願いします。
下北沢で「まぼねん」という和食の居酒屋と、まぼねんのちょうど向かいにある「おむかい」という洋食居酒屋の店舗経営をしています。
ーーお店は何年目でしたっけ?
まぼねんが今年の4月で4年目で、おむかいが去年の11月で3年目を迎えたよ。
ーー現在のお店の状況はどんな感じなんですか?
まぼねんとおむかい両店共に4月の頭から営業停止してて。今は2店舗の社員をおむかいに集めて弁当のテイクアウトやデリバリーの営業形態を始めて、売り上げは2店舗の通常営業の売り上げの20%程度やなぁ。実際20%も行ってへんのが現状やね。
Stay Homeしてる人たちのためというのもあるけど、本音言うと社員5人の給与とお店の賃料があるから、この状況が何ヶ月か続けばの話やけど、少しでも補っていかないと結構危ないなっていうのはある。
おむかいで販売しているテイクアウトのお弁当
まぼねんの姉妹店で洋風居酒屋のおむかい
現在のお店の状況
ーーテイクアウト・デリバリーのメニュー結構気合い入ってますよね?
結構頑張ったよ!(笑)
お弁当とはいえ妥協せず、自分が食べても満足できるものをちゃんと作った。あとはうちのお店ってSNSの拡散力強いし、お客さんの拡散力が強いから。見せ方にも結構こだわったよ。カメラマンの石野千尋さんにメニューの写真を可愛く撮ってもらって、それをイラストレーターのWALNUTさんにイラストに起こしてもらってお弁当買ってくれた人につけたりしてんねんけど。
WALNUTさんのイラストによるメニュー
ーー他にも色々考えてそうですね。
そうそう!他にもメニューに使ってる自家製ドレッシングやレモンサワーとレモネードの素を売り出そうとか、今考えてるし。実際新たに動いてる事もあるよ。
ーーテイクアウトやデリバリーやる意味って売り上げ以外にもお客さんとのタッチポイントにもなるし、コミュニケーションを途絶えさせないって大事ですよね。
さすが天野さん!ちゃんと分かってくれてるやん。このデリバリーとかテイクアウトでうちのお店を知ってくれた人には「営業再開したら行ってみたい」と思って欲しいしね。
ーー注文はどうやって受け付けてるんですか?
電話受付もできるし、インスタグラムのDMとか個人的に連絡するのもあるけど、基本はお店のDMかな。
ーー配達って何人くらいでやってるんですか?
俺ともう1人のスタッフの2人、配達が自転車だから配達範囲も限られててお店から2.5km以内って決めてるよ。
ーー1日の注文数は多いですか?
この業態やってるお店の中ではめちゃくちゃ上手くいってる方ちゃうかなあ?でもやってて「この業態はやっぱり限界あるなあ」とは思ったよ。買う側もやる側ももうぼちぼち飽きてきてるなあって(笑)。
デリバリーとか非日常感あるから最初は食いつき良いけど、その分飽きるのも早い。やり始めた4月の中頃は結構な注文数来てたけど、やっぱり続かないのはそれもあるなと。あとやる側としては、掛ける労力の割に売り上げになりにくいからモチベーション保つのが大変やね。
ーー売り上げとか資金繰りの都合もある中で、ここまでには営業再開したいって時期あります?
非常事態宣言解除のタイミングかなあ。
5月14日で一旦判断しようと思ってたけど、東京は非常事態宣言解除されなそうやん。なかなか決められへんっていうのが本音やね。最後は政府がどう言ってるかではなく自己判断で営業再開しようと思ってる。
※5月14日時点で非常事態宣言が解除されなかったため、デリバリーとテイクアウト営業を引き続き行っている。
ーー周りの飲食店の状況は情報として入ってきますか?
最初は閉めてた店がほとんどやけど、5月7日以降は20:00までの時短営業始めたとこが多いかな?この状況でも下北沢は結構人も出歩いてて、時短でやってるお店とかでも営業中はほぼ満席やし、「何で俺ら店閉めてるんやろ?」ってなってるよ(笑)。
ーー国からの助成とかは申請してます?
申請できるものはほぼ全部やってるよ。
感染拡大防止協力金と持続化給付金も申し込んでる。あとは公庫の融資とかテイクアウトやデリバリー始めたお店に助成される業態転換支援くらいかな?
あとはお金ではないけど期間限定でお酒とか調味料売れるやつとかも申し込むよ。社員とも話してるけど、この業態で続けるのも売り上げ的に限界あるしね。
まぼねんのこれから
ーーこの状況が続くとなるとお店自体はどれくらいで限界が来そうですかね?
このお店自体もこのまま潰れるってことはなさそうやし、あくまで補償ありきやけど金銭的な話で言ったらあと半年は大丈夫やと思う。それより先にスタッフの精神的に限界が来ると思うな。だから金銭的にまだちょっと余裕があるから他にできる事を色々考えてて、テイクアウト期間にお祭り感出したいからアーティストとコラボして商品とかメニュー作るとか、お店から映像コンテンツの配信するとか、まぼねんだからできることをどんどんやっていきたいって思ってるけど。
準備していざ販売となったタイミングで非常事態宣言解ける可能性があるから、色々難しいなあというのが本音。
ーーまぼねんとして今必要なことって何ですか?
やっぱりどこもお金の問題で大変やし、うちだって余裕あるとはいえギリギリやから。精神的にやられてしまわないことが一番大事やと思ってるよ。
ーー非常事態宣言解けて営業再開した時、客足ってすぐに元に戻ると思います?
天野さん含め常連さんが「ああ家飲みもいいなあ」みたいな感覚になってたら怖いな。
ーーあり得ないです(笑)早く人に会いたいし人と繋がる場所行きたいですもん。
良かった!安心したわ!
この機会でやっぱり実際に足を運んでリアルに人と時間を共有することの尊さに気づいてくれたらいいなあ。
もう終息したら世界同時にみんなで乾杯とかしたいよな。
株式会社 はうてん代表取締役の中川圭司 / Nicoさん
----------------------------------------------------------------------------
▼下北沢の晩酌屋 まぼねんInstagram
▼お酒と洋風ごはん おむかいInstagram
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?