「楽」をすること
あなたにとって「楽」とは?
秋山黄色さんのライブに2か所参加した私が記憶していることを書き残しておこうと思う。
まず今回のタイトルにもある「楽」について読み方は人それぞれ、「らく」「ラク」「がく」「ガク」この漢字一文字から想像することはなんだろう。わたしはもちろん音楽。でも秋山黄色さんにとっての「音楽」は私の思うモノとはまた違う気がした。それを含めてこれからライブレポートを書き進めていく。
会場入りすると目の前に大きな〇が3つ、「ONE MORE SHABON」のタイトル通りシャボン玉のようなセット、それも見るだけでテンションが上がった。席は二階席、栃木総合文化センターをほとんどFC先行のチケットで席が埋まっていたことに驚いた。
セットリスト1曲目は「白夜」なんともいえない感情に胸がギュッと締め付けられ、目に涙が浮かび始める。
勝手に時間は進む、年を重ねる、でも心は、、、?私はまだ子供のままだ。年を重ね経験は増える。そこにある苦楽、今の自分には、「苦」が多いな、多かったな。最後「消えないでいて」と会場に響き渡る赤の照明に照らされ、歌う黄色さんの声に涙が溢れた。
時が進む音が聞こえ始まった「アク」時間が解決するという言葉、都合がいいよな。なんもよくないのにさ。どんなアクも時間がかかれば解決するの?アクも消えるの?歌い叫ぶような彼にまた涙腺が緩み、胸ぐらをぐっとつかんだ。
3曲目に続いた「Caffein」頭から離れないあのイントロに心躍る。透き通る黄色さんの声、後半になるにつれて大きくなる音と歌声、感情に「ライブ」をひしひしと心から感じた。
4曲目に「アイデンティティ」歌詞に合わせて始まるクラップに心も弾む、ライブの一体感がたまらない。この曲は「約束のネバーランド」の書下ろし曲であるが、個人的に心に効く、という感情が生まれる曲。隠れた秘密、隠した秘密、「好きに生きたい 好きに生きていたい 選んだ未来なら笑えるから」この歌詞に救われている。
長めのMC、そして前回のアルバムのこと、今回のアルバムのことを聞いて曲に込める気持ちが更に高まり「燦々と降り積もる夜は」が始まった。
音楽でもそう言える。この人はずっと音楽と一緒なんだろうな、そんな風に思ったライブだった。
「あのこと?」の最後黄色の照明に包まれながら終え、紫の照明に切り替わり始まった「Night park」この曲の語彙力が底知れない。「感情が前払いをはじめて」???感情が前払い??聞いたことがあるか?未来を考えて感情が、不安が募るようなそんな気持ちが歌詞になったようであの時の私の心のど真ん中ドストレートに歌詞がぶっささる。3月末、心が荒れ果てた、何もできなかった私はとうとうある場所へ行った。怖くてたまらなかった。このアルバムを聴きながら向かった。場所は精神科クリニック。「うつ病」であると診断された。こんなところで、涙が止まらない日々。あぁまた考えて涙が。一人でどこにも行けない、でも予定は消せない、就活もアルバイトもなにも待ってくれない。平然をなんとか装い外に出る、太陽さえ、出てくるなと思ってしまった。光が怖く醜かった。「うつつ」がまさに自分を映したような曲に聴こえた。「笑顔の裏も笑顔でいてくれよ」薬で偽った、頑張って振りまく笑顔の裏は辛さに溢れた顔だった。それに気付ける人になりたいとこの曲を聴いて思った。
この言葉に続いて始まった「ホットバニラ・ホットケーキ」
分かり合うなんて難しいこと、生まれた土地も育った場所も育ててくれた人も環境は人それぞれ、進んできた道も様々、すべてを分かり合うなんてむずかしいことだけれど同じ悩み、同じ痛みを抱えて生きてきた人、それは今を生き抜く人。もし分かり合える人がいたら心の痛みを、言葉にできない想いを話してみよう。大阪公演を終えて、私は友達に手紙を書いた。私を理解してくれて、支えてくれた友達に。音楽と友達のおかげでまた文章が書けるようになったよ。
「宮の橋アンダーセッション」を宇都宮で聴くのは格別だった。恒例の、演奏停止タイム「そういえば物販こみこみだったらしいね。ごめんね。」と話だす黄色さん。「栃木ってそういうの慣れてないからさ、これからは直す。とかじゃなくて今回はすみません。うん。ごめんね。まあみんな最後まで楽しんでってくださっへーーーい!!」と急にまた演奏が始まる、慣れない、、ジェットコースターかよ、と思わされる、でも好き。
大阪公演では演奏が止まり黄色さん以外のメンバー3人は観客からも見えないところに隠れていた。それを見た黄色さんが「最近いっつもこうなるんすよね、、、」と言いながらキーボードを運んできた。「横浜からここでなんか歌っててこの前はRainy Dayやったんですよね~今日はどうしよう、、、」と言いながらキーボードを鳴らしアレンジを考える黄色さん。「今だけ出てきて!」と3人を呼び出しドラム、ギター、マラカスが加わり始まったのは「愛のうた」黄色さんが初めて買ったCDらしい。テレビで聴くのとは全然違う、、、歌う人や鳴らす音によってここまで聞こえ方が違うとは、、、セッションバーみたいな自由な空間。秋山黄色のライブって感じで大好物だ。
「PUPA」印象的だったのは最後の照明。歌詞は「青」で終わっている。もちろん彼が歌っていた時は歌詞に合わせて照明が青だったが最後に赤に切り替わった。ドキッとしたのを覚えている。今回のツアーはどの曲も赤の照明を多用しているように見える。青く、よりも赤く、燃えるような、燃える赤い炎の中には繊細で今にも消えそうな何かが、手が届きそうで届かないものが隠されているような、黄色さんの内に秘めたものを吐き出しながら炎の中に隠されたものを手探りでお客さんが探すようなライブたちになっていると思う。続く「ナイトダンサー」歌詞に合わせてクラップを鳴らす。そして
で一気に挙がる手。後ろの丸のオブジェが何本もの線を作り出し水色と黄色の照明がフロアに向かって光が当たる。見逃さないように、光が照らされ続けた。続いたのが「やさぐれカイドー」中毒性のあるイントロに吸い込まれる。彼にとって大切な初期曲である。「進化し続けて変わらないのが一番かっこいい」そう言っていた。変わらないというのは楽曲そのものの形や音楽形態ではなく、彼自身の心、彼の音楽に対する想いだと思う。根っこは何も変わってないんだぜって。新たなことに挑戦し続けて使ってこなかった楽器や音楽のジャンルにも手を出して、前とは曲調が変わった、とかそういうことを変わったとは言わないんだろうな。
と言い本編最後の曲「シャッターチャンス」マイクを持ちステージの端から端まで走り回って歌い終えてくれた。最後にはシャッター音に合わせて黄色さんがフロアにシャッターを切った。(大阪)
そのあとの鳴り止まないアンコールを待つ拍手。アンコールで出てきてくれたのはよかったもののみんな戦意喪失状態、それくらいのライブを見せてくれたんだからそうなるだろう、、ここでメンバー紹介があり(大阪)黄色さんがなにやら紙を取り出し読み始める。
栃木公演では26歳の誕生日に地元の宇都宮でのライブであったためその話題に。
と言いながらMCが終わり曲へアンコール一曲目は「見て呉れ」
そして最後、「とうこうのはて」
幸せだーーーーー!!!!!!ありがとう!!!!!と大声で言いたかった。また予定を作ってくれて、ステージで音楽を死ぬまで続けると言ってくれて嬉しい。信じます、これからもずっと。ありがとう。
おまけ
栃木公演 「とうこうのはて」
昔の曲は飽きたけどみんなと作りあげたものだから色褪せな。いつもほんとにサンキューなみんなー!! 20歳で借金300万あったし、毎日くそみたいな生活をしてた学校を卒業したりもした。色々あったけどどうかとうこうのはてだけは、、 とも歌いながら言ってたなあ。最後歌わずに叫んでたところがすごい良かった。
MC集
「時々高校の時友達にあんなこと言っちゃたなーって落ちることがあるけどそんなことよりも明日パフェ食べるの楽しみだなーって考える方がいいだろ俺はそう思う」
メンバー紹介にて
「ベース藤本ひかりです!赤い公園から。バンドが解散するってほんとに一つ一つ理由があるんだよ。みんな同じ理由でやめるんじゃない。お知らせだけ見たら解散しちゃうのかーってまぁ理由とか詳しく本人たちから言えるんじゃないけど。俺も地元のバンドマンから色々あって解散するんですよねとか聞いたりするけど、解散って悲しよなあ。でもひかりさんはもう俺らのだからさ、自由にやってください。こんなに自由なソロボーカリストギタリストドラマーいないから、ほんと自由に好き勝手やってください。」
「栃木という国にきてくれてありがとう
栃木はこんなに人いないのてね、色んなところから集まってくれたんでしょう。ほんとうにありがとう。」
「バンドって楽しいよな、おれはライブが好きだ、みんなおれが活動休止ーとか言ったら悲しいだろ?なあ?早く拍手しろよ」(毒舌黄色氏)
秋山黄色というアーティストに出会えて、今私は心から救われているし、頑張れている。自分と向き合って前に進んでいる。少しずつ、歩幅は狭いけど、夢をいつか叶えるため、また会う日を楽しみに生きるよ。たくさんの方が秋山黄色さんに出会ってくれますように。
私にとっての「楽」は好きな曲を聴いて救われていると思う瞬間だ。涙を流すこともあるけど、それは救われている証拠、傷を治している最中だから。