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遠野物語を旅する

山男、カッパ、オシラサマ、座敷童…。人類のロマンが詰まった地・遠野へ。

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↑たまたま全部ずんだ色だった。

遠野物語は佐々木喜善の話を元に柳田國男が書き下ろした伝承。佐々木喜善が見聞きした遠野の不思議な話がいくつもの短編となってまとめられている。

遠野物語が他の昔話と異なるのは、主人公の所在地や個人名が明確であること。「○○村の××が〜」のような書き出しで物語が始まることが多い。

また、あくまでも遠野での体験談や見聞きしたことをまとめたものなので、物語に特別なオチや伏線があるわけでもない。その独特な語り口が妙に生々しく面白いのだ。

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新花巻駅から釜石線に乗って遠野駅に。至る所でカッパがお出迎えしてくれる。

駅から観光タクシーに乗り、遠野に精通する運転手さんに2時間ガイドしてもらった。どうしても見たかったカッパ淵やデンデラ野など合わせて4箇所を回る。

・伝承園

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遠野の農家のかつての生活を再現した施設。写真は遠野独特の建築として有名な曲がり家。民家に馬屋が引っ付いており、上から見るとL字型になっている。

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座敷童は家屋の奥座敷に現れるとされたらしい。明かりの中に座敷童の切り絵が浮かぶ。恐る恐る写真撮ってみた…。もし部屋の中に何か見えたらいいことがあるかも。

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異類婚姻譚として有名な伝承・オシラサマの部屋。

愛する馬を父に殺され、その哀しみから馬の頭部と一緒に天に昇っていった人間の娘。この話には実は後日譚がある。娘が父親の夢枕に立ち、蚕虫に桑の葉を食べさせよと命じたところから養蚕が生まれたそうな。だからオシラサマは養蚕の神としても知られている。

1000体ものオシラサマに包囲されて、なんだか恍惚とした気分になった。

・カッパ淵

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カッパがいるカッパ淵。思ったより水位が浅い。最後にカッパを見たとされる、初代カッパおじさんの証言を元につくられたカッパ像。薬壷を持っている。

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運転手さんによると、カッパ淵は24時間動画撮影されていて、遠野のローカル番組で毎日実況中継されているそう。たしかに橋の下にカメラが…。だがそこまでしても近年カッパを見た者は居ない。

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「ずっと監視されてるからカッパ出てこられないんじゃないですか!?」と運転手さんに言ったら「そうかもしれないなぁ。」と笑ってた。

ちなみにここでカッパ釣りをする際は密漁にならないよう許可証を購入する必要がある。何てステキな商売…。

・デンデラ野

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道中、座敷童が現れたとされる家屋の跡地がある。向かうは姥捨山として知られるデンデラ野。

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60歳になった老人はここに捨てられ、昼間は農業をし、わずかな食料を得てここで生活していたと言う。ここに来た者たちが身を寄せ合ったとされる藁の家が再現されている。

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飢饉などで家計が立ち行かなくなり、自ら身を引いてここに足を運んだ者もいたそう。

実際に来てみるとそこまで山奥にあるというわけでもなく、食料も与えられていたので一般的な姥捨山のイメージよりは良心的にも感じるが、それでも残酷だ。

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老婆を担ぐ男性の石碑もかなりショッキング。

〜続きます〜



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