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「ボキボキ」「バキバキ」と音を鳴らす整体のリスク

整体やカイロプラクティックで「ボキボキ」「バキバキ」と音を鳴らしてもらう施術、受けたことがある人も多いのではないでしょうか?

音が鳴ると、なんだかスッキリして気持ちいいと感じることもありますが、実は医学的にはちょっと注意が必要なんです。

今回は、なぜその音が鳴るのか、そしてその施術がどんなリスクを持つのかについて解説します。

そもそも「ボキボキ」「バキバキ」ってなんで鳴るの?

まず、あの音の正体について。関節には「滑液(かつえき)」という液体があって、これが関節のスムーズな動きをサポートしているんですね。急に関節を動かしたり圧力をかけたりすると、その滑液の中に気泡ができて、破裂する時に「ボキッ」とか「バキッ」と音が鳴ります。つまり、音自体はただの「気泡が破裂する音」で、骨が鳴っているわけではないんです。



音が鳴る=治療効果、ではない!

「音が鳴ったから効いている」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。音が鳴ることで一時的に筋肉がリラックスして、なんとなく「スッキリ」した気分になることはありますが、これはあくまで一時的なものです。根本的な体の不調が改善されているわけではないので、音が鳴ること自体を施術の効果と勘違いしないようにしましょう。

リスクその1:関節や筋肉に負担をかける

関節を無理やり動かすことで、実は関節やその周りの筋肉、靭帯に負担がかかることがあります。これによって、関節を安定させる組織が損傷し、最悪の場合、関節が不安定になってしまうことも。さらに、関節炎の原因になることもあります。つまり、やりすぎると逆に体を痛めてしまう可能性があるんです。

リスクその2:神経への影響

特に背骨(脊椎)の周りには、重要な神経が通っています。もし施術がうまくいかず、神経を圧迫してしまうと、痛みやしびれが出たり、ひどい場合には麻痺などの深刻な症状が現れることも。背骨周辺を扱う施術は、特に慎重さが求められます。

リスクその3:首の施術で脳卒中のリスク?

首を「ボキッ」と鳴らす施術には、特に大きなリスクがあります。急に首をひねることで、頸動脈という大事な血管が傷つくことがあり、これが脳への血流を止めてしまうと脳卒中を引き起こす可能性があるのです。もちろん、これはかなりレアなケースですが、ゼロではないということを覚えておきましょう。

依存症のリスクも…

また、「音が鳴ると気持ちいい」という感覚に慣れてしまうと、どんどん施術を受けたくなり、それが習慣化する人もいます。

しかし、頻繁に関節をボキボキ鳴らすことで、関節に負担がかかり続け、逆に筋肉のバランスが崩れたり、慢性的な痛みが悪化することも。
依存症のようになってしまうと、さらに体にダメージを与えてしまうことがあるので注意が必要です。

安全な施術を選ぶために

整体やカイロプラクティックは、正しい方法で受ければ確かに効果的です。
ただし、音を鳴らすことに固執するのはやめて、体に負担をかけない施術を選びましょう。無理な力を加える施術ではなく、体をいたわりながら長期的な健康を目指すことが大切です。
施術を受ける際は、信頼できるプロフェッショナルに相談するのがベストです。

まとめ

「ボキボキ」「バキバキ」と音が鳴る整体は一時的に気持ちよさを感じるかもしれませんが、医学的にはリスクが伴うこともあります。
特に関節や神経へのダメージが考えられるため、音が鳴ることを施術の効果と誤解せず、安全で体に負担をかけない方法を選ぶことが大切です。
もし整体に行くなら、施術者の技術や安全性をしっかり確認して、自分の体を守りましょう!

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