大切にするから大切になる
キミたちはキレイだね。だけど、まだ中身がない。
だれもキミたちのために死のうとは思わないはずだからね。
もちろん、通りすがりの人が見たらボクのバラも君たちもまったく同じに見えるだろう。
だけど、キミたちを全部合わせたとしても、ボクのバラにはかなわない。あのバラは、たった一輪でも、キミたち全員より重要なんだ。
なぜなら、ボクが、水をやったり、ついたてを立てたり、ガラスの器をかぶせたりして世話をしたからだ。
ボクは、あのバラのために、毛虫だってやっつけてあげたんだ。(中略)
不平不満だって聞いてあげたし、自慢するのにだって付き合ってあげた。
バラが、黙りこくっても、我慢してそばにいてあげた。
だって、ボクのバラだからね。
これは「星の王子様」の一部分。
この文を読んで、
大事なのは何かに対して費やした時間なんだと改めて感じさせられる。
部活動である合気道には試合がない。
だから、突然部活が出来なくなってそのまま引退を迎えて、
何も残らなかったし何も残せなかった。
大学生としての時間を全て費やしてきたことは間違っていたのだろうかと苦しんだ。
でもたぶんそれは違う。
あれだけ時間をかけて、誰よりも努力し続けたからこそ、これだけ合気道が好きになれた。
部活の人間関係に長く悩んで苦しんだからこそ、部活のみんなのことがこれだけ好きになれた。
掛けてきた時間は無駄になんてならない。
きっとそうなのだと思う。
〇〇ともっと稽古がしたかった。
〇〇さんの合気道が好きでした。
同期や後輩からかけてもらう言葉がきっとその全てで
誰かの中に自分が居ること
それだけで自分が掛けてきた時間には意味があるはずだ。
大学での部活だけじゃない。
高校生の時も中学生の時も。
掛けてきた時間こそが思い出で、
その記憶が辛い時に自分を助けてくれる。
子供は幸せな時間を工夫で生み出す。
大人は幸せな時間をお金で買う。
時間にこそ価値があり無駄なことなんてひとつもない。
誰か や 何か は
大切にするから大切になる
と思う。
時間や労力を費やすから思い出になる
と思う。
だから、何に対しても誠心誠意向き合って
時間をかけて大事にしていきたい。
荘子 「無用の用」
きっと、これからも、大丈夫。