神の顔を想像する 2021
この世に神がいるとするなら、どんな顔をしているのだろうか。もののけ姫を観ながらふと、そんなことを思いました。
キリストも仏も天照も皆人間の形をしていて「顔」がある。一方で、アッラーのように「ない」神もいる。日本には山が御神体の神社があるし、多くの人は「シシ神」を特に意識せずとも神として受け入れています。信仰のなかで神の顔は多様なのです。
何を神としたかを考えれば、人間の顔をしていない、もしくは顔を持たないのも不自然ではありません。いっぽうで神が人間の形をしていると思うのも自然なことではないでしょうか。人間が作り出したものだからです。どちらかというと人間の神は人間の顔の方が受け入れやすいと思います。
しかし神がいるとするならば、本当に人間にだけ近い造形をしていることはまずないでしょう。人間だけを統べるものは神ではなくて、王か皇帝でしょう。人智を超えて、動物や自然や宇宙までを司るものが、神と呼ばれるのです。
話が脱線しました。神がどうという話ではなく、顔の話をしたいのです。神が人智を超えるなら、人の前では人が「美しい」と感じる姿になれるのかもしれません。しかしそういうことではなく、本当の顔の話です。
神は宇宙を統べているという思想のもと、この世の人間や、動物や、昆虫や、宇宙人や、植物がそれぞれ神として認識し、畏怖することのできる顔を全てまぜこぜにしたら、グロテスクなものになると思います。でも神的には、全ての別個のものに対応した顔を持つより、自分が統べるものを包括するものの顔を採用する方が効率的です。そうなると、神は宇宙の顔をしているべきです。(宇宙が神の統べるエリアの一番外側なのかは分かりませんが、今はそういう事にしておきます)とにかく、全てを包括する空間を体現する「顔」を持っているのが自然ではないでしょうか。
だから神に顔があるとするならば、そこにパーツは一つもなく、冷たくて、少し柔らかく、真っ黒だと思います。そして、怖いので一生会わなくていいです。皆さんはどう思いますか?
最後まで読んで下さりありがとうございます。何か思いついたら追記します。