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井戸を掘って地下水かけ流し水風呂をつくる

きっかけはサウナの安全対策

2023年6月、栃木県のサウナ施設内の池で水風呂を楽しんでいる途中でお客様が溺死する、という痛ましい事故がありました。
宝来洲は海を水風呂として使うため、万が一の事故の際に確実に救助できるかどうか、全く不安が無いと言えば…という状況で営業していました。

様々方法を検討しましたが「海が危ない時は使用しない」これが大前提、という結論に。
これまでは水風呂が海しかないため、多少無理をして使っていただくこともありました。

海が危ない日は、冬も含めると年間で相当な日数になるため、単純に「危ない日は海禁止」にしてしまうと、まともに体を冷やせないサウナとなってしまいます。
そこで、自前で安全な水風呂を持つ、という決断をしました。

水の確保をどうするか?

清潔な水風呂を作るには、かけ流すorろ過循環する、です。
保健所の許可も、どちらかでないと取れないと思われます。
ダメ元で、自由にいくらでも使える水を獲得すべく、井戸を掘ることをしました。
地元で井戸を掘れる業者さんを探してもらい、早速段取りをしてもらって工事は8月下旬に実施することに。

地下岩盤より上層の水でも簡単に枯れることはないだろう、という説明だったので、まずは浅井戸で出るかどうか試します。
どこから出るかは、掘ってみるまでわかりません。
完全にギャンブルです。
しかも、水が出るだけでなく、公衆浴場法で定める水質でないと使用が許可されません。水を当てるだけでもギャンブルなのに。

掘る!

2023年8月下旬、とりあえず「ここで出たら最高だね」という場所で掘ってみることにしました。
ダメなら場所変えてまた掘る、そうやって出るまでベットし続けます。
水が出たあとのポンプの設置、水風呂までの配管、真冬の風向き、諸々考慮して最も良いと思われる建物東側に決定。
コンクリートの一部をハツって、10Φほどの管と拍子抜けするほど簡素な道具で掘ってゆきます。

ここで自分は現場を離れたのですが、3時間ほどして戻ってきたら、なんと水が出ていました!!!!

え!もう??

しかも、水量は十分で見た目の透明度も非常に高い!
1枚しか買わない宝くじが当たった、そんな感じです。水温は24℃と、思ってたよりもかなり高めでした。

完成!!

後日、正式なポンプを取り付けて、INTEXの小ぶりなプールも設置して、とりあえず地下水かけ流しの水風呂が完成。

検査機関に水を持ち込んで水質検査をした結果、飲んでもほぼ問題ないほどの水質であることが判明。
凄い!!
海が近いので、当初は真水が出るかどうかもわからなかったのに、まさかの飲めるほどの水質。

その後、水温は20℃以上を維持していましたが真冬に12℃ほどまで下がりました。12月まではかなり優しい温度で、ずっと入っていたくなる系の水風呂です。
もちろん塩素は無し、当たりも温度も優しいと評判も上々です!

2024年6月の周年祭には、この仮設プールを正式な水風呂にしてお披露目したいと思っています。
どんな水風呂になるかは、また後日。
ゴールデンウィーク終わったら着工になると思います。

お楽しみに!




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