〜私とエビ中 編集後記〜 オタクがオタクの同人誌を作った
エビ中にハマっている。
この書き出しで書き始めてもうすぐ一年半になる。
エビ中をどのように楽しみ、どう自分の生活に溶け込み、その後の言葉を繋げてnoteを書いているのだが、毎回『エビ中にハマっている』という言葉から、どのように本題に繋げるか、難しくもあり楽しいポイントだ。
さて、本日100%ebismのツアー千秋楽がパシフィコ横浜にて開催される。超楽しみっ!
今回のツアーは天井知らずの楽しさ。裏読み出来そうな演出。小林歌穂さんの泣ける指先(これはいつも言ってるやつ。)
それと同時進行で進めていた事柄が、千秋楽の朝に無事に着地した。
話は100%ebismの初日、松戸公演。その終演後の居酒屋にまで遡る。
『オタクがオタクになった話を書いた同人誌が読みたいんですよ!』
普段から遊んでもらってるオタクに言われた言葉だった。
本書でも書いてるけど、好きな物に熱量を持った人の話は面白い。こちらの興味無い部類の話だとしても、その熱量に押し切られてしまう瞬間が好きだ。
『OK。やろうか』
と答えたが、飲み会の席だし、なんなら全員次の日は柏のフリーライブで頭がいっぱいだった。初めての初接触イベント...
脳内メーカーで脳の中を見たら見たら99%の『小林歌穂さん』と1%の『2杯目何にしようかな』だったと思う。
数日後、オタクからLINEが来て本当に形にしようと考え出した所から、本格的に企画を練り始めた。
ここがスタート。
アイディア出しは基本的にうちの風呂。
最初は発案通り『ファミリーになるまで』とかの道筋の話を集めようと思ったが、そもそも私個人として、『小林歌穂さんに人生を狂わされた』という怪文書をすでに書いてしまっていたので、それ以上にかける自信がなかった。
あと、ほんのりこの時点からファミリーじゃない人や、これからエビ中を好きになる人の所へ、流れ着く物にしたかった。
あーでもない、こーでもない。
そもそも、文章を書いてもらう人たちの言葉だけでいいんだろうか。Twitterを開けば、エビ中が好きな人は溢れているし、その気持ちに大きいも小さいも、勝ちも負けも、正解も不正解も無いはずだ。
『参加者以外を巻き込んだもの』という大枠の問題を残しながら、#私とエビ中 のTwitter企画を思いついたのはアートワークを考えていた時だと思う。
黒板を借りてタイトルを書いて写真を撮る。
そういう表紙にしたくて、イメージが出来たら、そこから連想ゲームのように世界を広げていく。
黒板は教室にあって、生徒がいて、文房具やお菓子やなんかがあって....
と考えていた時に、参考書にメモ書きや簡易的な栞として使う『付箋』を思いついた。
付箋は言葉を目に見える形で残しておくもの。
私にとって付箋がないと、まるで興味が無い教科書はまさに言葉のゴミ箱と同義だった。そのゴミ箱から必要なところだけ示してくれる目印が付箋だった。
Twitterは言葉が多く流れる。
上から下に、下から上に、ちょっと目を離すと画面からも記憶からも消されてしまう言葉たち。
その中に幾つ、その人の信念がや、大きな気持ちの籠ったツイートがあるのか私たちは知る由もない。
だから、一つ一つ。ツイートしている言葉にタイトルをつけて、付箋として形に残したら。
それをモザイクアートの容量で目で見える形にしたら。
その付箋には、エビ中の気持ちを書いてもらって、統一感が欲しいから夏休みの作文みたいにテーマを決めて、と要素を足したり引いたりしていくうちに
『私にとってエビ中とは』
という、本書の大枠が浮かび上がってきた。
執筆して貰う人の選定は、普段Twitterで目にする文章が熱い人だったり、執筆されているnoteの文章を一つ一つ読んでお声がけさせていただいた。
基本2人で運営(私が企画、カメラマン等の全体像発案担当。 編集やTwitter運営はもう1人。)で動いていた。
執筆をお願いしつつ、Twitterの運用をお願いしつつ、私は私でアートワークの部分を詰めていった。
黒板のショットはきまっていたけど、他のカットはどうしよう。
出来れば、メンバーカラーを取り入れたいなと思い、学生が持っていそうな小物の準備を、お願いした。(私が高校生だった頃はもう古なので。)
メンバーカラーのものを持っていると、普段の生活が少しだけ華やかになる。全く意図してなかったけど、これもひとつの『君のとなりにエビ中』なんじゃないだろうか。
写真の話になるが、対象物だけでなく人間が入るとどこか物語性が増す。そこに、読み手の方々を投影して少しでも『その人自身とエビ中』を感じて欲しいと思い、手のパーツ撮影などもお手伝いいただいた。感謝。
総勢4名のオタクが、#私とエビ中 のタグで皆様から募集した言葉たちをひとつずつ付箋に書き込んでいく。
全体を通して、文化祭感があって楽しかった。
付箋を書きながら『このテーマをパクらせてもらおうか...』と、寄稿用の文章を書き上げてない私が思っていたのは内緒だ。
でも、それくらい魅力的で、一人一人と枝豆とビールを挟んで語り合いたいと思った。
あとはもう、写真をひたすら編集して、頂いた文章を元に、データを作っていく。
2人でてんやわんやして、画像がうまくハマらないとか、全体のバランスが崩れるとか、EPUB(電子書籍にする過程の代表フォーマット)に何度中指を立てただろう。
個人的に、いちばん困ったのがあとがきだった。
全員分拝見し、『いや、あとがきで言うことなくない!?』と思い考え出した挙句、いつしか私は考えるのを辞めた。
いや、だってあれだけ素晴らしい文章が集まっているんだから、あとがきで言うことなくない!?
考えるのを辞めた私は、飲みに出かけた。
去年の冬、オタクたちと飲んでた居酒屋にふらっと入った。
オタクたちと以前来た時は、去年の秋田分校直前。
ちゅうおんの話を聞いたり、秋田の期待を膨らませたり、年末に控えるひなたの卒業式の話をしたりしてたな。
あぁ〜。
そうか。読んで頂いた方々に最終的に届けたい気持ちと、なにか今回の制作で小さいながらもムーブメントを起こせるなら、『私にとっての私立恵比寿中学』が何なのか。
それを、去年ここの居酒屋で飲んでたように、誰かしらと共有したいんだ。
これを読んでくれている方の中には、ファミリーの友達がまだ居なくて、ライブは一人で参加してご飯を食べて帰ってる人もいるかもしれないし、『まだ、歴が浅いから』とTwitterで発言を縛ってる人もいるかもしれない。なんなら、人とエビ中の話をしたことがない人もいるかもしれない。
けど、執筆者の方々が文章にしてくれたように、一人一人が抱える気持ちを持っているはずだ。
この思考が私が提出した『私立恵比寿中学とは切り取られた大海である』に繋がっていることに気がつく。あなたの口から話す、あなたから見たエビ中が知りたい。
私の目は2つしか着いていない。
だから、眼球2つ分の世界と情報しか認識できない。
でも、会場にはたくさんの人がいて、その人達全員同じライブを見ている。
私の耳は2つしかついていない。
だから、世界の色んな声を聞きこぼしている。
だから、他人の世界をちょっと覗かせて貰うことによって、今まで見れていなかった見方ができるようになる。視点が増える。
エビ中は語りたくなるグループだと思う。
だから、私はnoteを書いているし、誰かのきっかけになって最終的にエビ中に繋がればいいと思う。
ということで(小林歌穂さん式話題の戻し方。)
無事に発行出来ました。
編集、SNS運用、制作してくれたらすさん。
飲み会でご発案頂いたところから、編集とか誤字脱字チェックとかめちゃくちゃ大変だったと思いますが、ありがとうございます!
撮影協力及び、モデル出演のちなさん、アベナチさん
マジで助かりました。
ありがとうございます。今回のアートワークや各章タイトルは、おふたりの協力がなかったら成立しなかったと思います。感謝感激。
文章を寄稿してくださった執筆者の方々。
読んでみて一つ一つ、本当に泣きそうでした。
なんなら、千秋楽を見ながら文章を思い出して泣いていました。
素晴らしいものを一緒につくりあげてくれてありがとうございます。
そして、『私とエビ中』本書並び、ここまで読んでくれている皆様。
本当ににありがとうございます。
これをきっかけに、あなたの中のエビ中がもっと特別になっていたら本当に嬉しいです。
アカウントのファボやRT、#私とエビ中 のご参加、本当に嬉しかったです。
書籍に携わる仕事など、未経験ながら作ったので見にくいところもあったかと思います。
言い回しなど読みにくいところもあったかと思います。(特に私の書いた部分など)
もし、何が残るものがあったら引き続き #私とエビ中 をつけての感想、各執筆者への感想リプなどいただければ幸いです。
オタクがオタクの同人誌を作ってみた。
これにて無事に完結!
約2ヶ月にわたり、本当にありがとうございました!
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