仕様書のつくりかた
こんにちは。
今回はプランナーの必須スキルである仕様書の書き方について自分なりの方法が確立してきたのでまとめます。
結構長くなってしまったので、見出しを確認していただいて気になる箇所だけ読んでいただくのがおすすめです。
※一部、太字を使って小見出しを作成しています。そのため、もくじでは仕様上項目の漏れがございます。ご了承ください
▼この記事のターゲット
・はじめて仕様書を作成することになった人
・結局仕様書って何なのよという未経験の人
・現場でつくられている仕様書を知りたい人
・仕様書づくりが苦手な人
レイアウト
レイアウトは見やすければ見やすいほどいいですが、組むのが苦手という人もいるかと思います。
まったく問題なありません。特別抜きんでている必要も、できる必要もありません。
とはいえ、読みやすいことで損をすることはないと思いますので、簡単にご紹介します。レイアウトを工夫することで仕様書作成に時間がかかりすぎてしまうのは非常に効率が悪いので、うまくバランスはとってください。
ひとまず、デザイン的な観点では私とかなり考え方の近い方が作成されているこちらがわかりやすいので、レイアウトに悩んでいる方は一読してみてください。
企画書の作成にも役立ちますし、エクセルで仕様書を作成されている方にもヒントになるのではと思うところが多くあります。
こちらで紹介されているものを踏襲してつくれば、仕様書に書いてあることがどんなに正しくても精度が高くても「見る気起きないわ」というごちゃごちゃしたモノにはならないかと思います。
▼使用するフォントも地味に大事
さらにいうと、フォントは凝ったものは使わない方が絶対に良いです。
初期設定のMSゴシックは質があまりよくないので、メイリオなどを使うと無難かなと思います。表題などに使用する太字フォントもシンプルかつゴシック体を使用しましょう。
フリーフォントであれば、源ノ角ゴシックはとてもオススメです。
非常に多くの漢字が網羅されており、企画書など大事な書面でも十二分に活躍できますので、モリサワなどをインストールするのがむずかしい企画マンにはぜひ活用してほしいです。
小手先のテクニック
資料を作成するときの小手先のテクニックです。
▼表はエクセルで作成し、パワポに埋め込みで張り付ける
パワーポイントでも表は作れますが、なんかもっさりしてる印象になりませんか?微妙に操作しにくいし、セルでかいし、色変えたりするのもめんどう……。
エクセルでつくった表を埋め込みでペーストすると、パワポ上でダブルクリックをするとエクセルの編集画面になります。
※埋め込み後は、xlsxファイルは削除してしまって問題ありません
操作感はエクセルと同じです。罫線を引かなくても、元のセルのうすいグレーがそのまま残るのでとても便利です。
計算式も反映されるので、データの置き換えも一発です。
デメリットとしては、言語の置換などをするときには検知されないので、開発中に用語が変わったりなどした場合は修正漏れが発生します。
力技として解決策はPDFに書き出しした後にPDF側でワードの検索をかけると、置換漏れが検出できます。
上がパワポ標準搭載の表。下はエクセルで作成して埋め込みした表。
▼テンプレートを作成しておく
これをやっとくだけでかなり楽です。
新規作成からテンプレートを選ぶだけなので、かなり効率化されます。
チームに共有すると体裁もそろうので、得意な方はぜひやってみてほしいです。
https://studio.virtual-planner.com/powerpoint-template/
スライドマスターからいじったりも当然できるんですが、結局同じファイルをコピペしまくることになるのでテンプレつくっちゃったほうが楽かなと思います。
▼標準適用のブルーを避ける
半分趣味みたいなものですが、コレやるだけでだいぶ質が上がります。
私の場合は見た目をかなり気にするほうなので、同期や後輩の資料でこの青色を見ると少しだけしょんぼりします。
左:設定を何もしていない標準適用の図形(かっこよくはない)
▼図形の塗りつぶしと枠線はどちらかのみを使用する
どっちかにするだけで情報量が減るので、ふしぎと資料が垢抜けます。
フローなどで一部分を囲う時などは、塗りつぶしだけにするとフローの線とも競合しないので良いかなと思います。
左と右、どっちが読みやすいですか? 右は枠線を消しました。
仕様書の精度を上げる
前置きが長くなりましたが、本題です。
▼記載すべき内容を見出しレベルで列記する
ノートに書いても、エクセルに書いてもなんでもよいです。
まずは順番は関係なくてかまわないので、何を書くべきか思いついた順に列記しましょう。
料理で例えると、なにをつくるかですね。
夕食のメニューを書き出していくような粒度でまとめましょう。
・白米
・味噌汁
・唐揚げ
・ひじきの煮物
・ポテトサラダ
こんな感じですね。
▼各見出しに紐付いた内容を追加していく
次に、各見出しごとに具体的に何を書くのかを追加していきます。
どんなUIが必要なのか、とか遷移先とか、セーブ箇所はどこなのかとかですね。
この時点で膨らみすぎてしまった内容は別の話題として見出しに昇格したり、別の見出しの内容に降格させたりしましょう。
疑問点や問題点なども、この時点で思いつけばどんどん追加していきましょう。
・白米
-お米を炊いておく
→土井先生の洗い方を試してみたい
・味噌汁
-味噌を買い忘れている
→買い物に行く?買ってきてもらう?
-具材はワカメと豆腐
・唐揚げ
-鶏肉を事前に漬け込んでおく
-全員が食べ始められる時間から逆算して着手
→帰宅時間の確認
・ひじきの煮物
-にんじんと油揚げを入れる
-ひじきを水でもどしておく
・ポテトサラダ
-じゃがいもをふかす
-具材はキュウリ、ニンジン、ハム、玉ねぎ
▼順番を考える、精度を上げる
上から順に読んだときにどの順番なら理解しやすいかを考えながら、見出しごとの入れ替えを行います。
同時に見出しの中でも情報の重要度を考え、理解しやすいように並び替えましょう。
・白米
-お米を炊いておく
→土井先生の洗い方を試してみたい
・ひじきの煮物
-ひじきを水でもどしておく
-ニンジンと油揚げを入れる
→ニンジンはポテトサラダでも使うので、千切りといちょう切りを用意
・ポテトサラダ
-じゃがいもをふかす
→すぐにつぶしておく
-具材はキュウリ、ニンジン、ハム、玉ねぎ
→ニンジンは火を通して粗熱をとる。キュウリと玉ねぎは塩もみ
・味噌汁
-味噌を買い忘れている
→買い物に行く?買ってきてもらう?
-具材はワカメと豆腐
・唐揚げ
-鶏肉を事前に漬け込んでおく
-全員が食べ始められる時間から逆算して着手
→帰宅時間の確認
すぐに作業できるお米と時間のかかる煮物、ポテトサラダを上にした
対して、味噌がないのでつくれないみそ汁と直前につくる唐揚げは下に
▼担当者に確認する
このタイミングでなくても構いませんが、疑問点など自分では解決できないものは担当者に確認しましょう。
すべて仕様を組み立てた後に「できないけど」とリテイクをくらうのは、非常に馬鹿馬鹿しいです。時間も無駄になりますしね。
会社の風潮にもよると思いますが、なるべく早い段階でやったほうが結果いいかなと思います。
・味噌汁
-味噌を買い忘れている
→買い物に行く?買ってきてもらう?
→どちらも無理。味覇があったので同じ具でたまごスープに変更。
-具材はワカメと豆腐
・唐揚げ
-鶏肉を事前に漬け込んでおく
-全員が食べ始められる時間から逆算して着手
→帰宅時間の確認
→最速が17時、最遅が21時。間を取って19時を目標に。
味噌汁がたまごスープに。 唐揚げの完成時間の目安が決まりました。
▼レアケース・懸念点の考察
エクセルなどを使用して考えられるレアケースなどを洗い出しましょう。
リスト化し、総当たりで考えると漏れが少なくなります。
よくあるのが、「同じ必殺技同士がぶつかったらどうなるの?」とか、「類似した技との競合」とか、「通常予定していた箇所での通信・処理が失敗した場合」などですね。
このあたりは抜けが多い気がします。
Apexで例えると、こんな感じですね。
ジブラルタルとバンガロールのアルティメットが同時に発生したらどうなるの?
ジャンプパッドがある場所にジャンプパッド置いたらどうなるの?
デスプロでトーテムに戻る直前にアークスターを投げようとしていたらどうなるの?
Apexでなくてもお好きなゲームで想像するといいかなと思います。
特に必殺技などはひとりが全部の仕様を書くことは稀な気がするので、それぞれが競合した時にどうなるのかというリストを共有しておくと、毎回表を作成しなくて済みますし便利だと思います。
ソシャゲの場合だとダイアログの表示する順番とか、各フラグのチェック優先とかイベントの開始・終了とプレイ中のデータの反映タイミングの検討などもあるかもしれません。
▼仕様書としてまとめる
エクセルやパワーポイントに落とし込み、文章としてまとめていきましょう。ここから先は一番最初に述べたレイアウトの技術が活きるはずです。
ポイントは、できるだけ簡潔に、わかりやすく、読みやすくです。
長い文章を読ませるのはテクニックが必要なので、改行を多くしたりブロック分けしたり何かしらの工夫をしましょう。
初見の人が一回読んで理解できるかを常にイメージしてください。
仕様書を読むのはプログラマーやデザイナーですが、受け手のために工夫する技術はプランナーには必須です。開発中はまだ見ぬエンドユーザーを意識すると、モチベーションが上がるかもしれません。
まとめ
・レイアウトは凝りすぎない。でもちょっと凝って見やすくする
・パワポの初期設定で楽しようとするとかえって苦労する
・便利なものはチームで共有すると自分のメリットになる
・仕様書は読み手を意識して作成する
今回は以上です。
また思いついたことなどありましたら、似たような記事をつくります。
noteの使い勝手にいまいち慣れていないので、読みにくいかもしれません。
はやく慣れるようにがんばります。
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