ナイトクライシケーダーボーイズ
男性の場合、十中八九、生まれてから墓場まで性の話題がついて回る。少なくとも自分の周りではそうだった。ダルくもあるが、昔からそうだったし慣れてもいた。
男4人で会って飯を食べていたら、川の水が上から下へ流れるように、ガールズバーに行くことになった。同じ高校だったが一年で退学していった性豪の知り合いの、鶴の一声だった。自分は経験としてならまあいいか、と思い ついて行くことにした。
ご新規4名さまご案内である。
席について、あたりを見回す。白が基調の店内にはカラオケのモニターや変なポスター。フェイクオーストリッチレザーの赤いソファ。何人かヘベレケのお客と女性店員(なんと呼ぶのが正解なんだ)が会話をしている。
完全前払いで、この手の店にしては良心的な価格だった(ように思う)。
女性の店員がパーテションの向かいに座る。美人だったし、結構話もしたが、なんか本当に記憶に残っていない。男4人に対して2人の女性店員。3人ずつの会話。うん。そうですよね〜ははは あーはい、いや絶対そうですって〜
性豪の知り合いはものすごく楽しんでいて、ガールズバーでの会話という波を完璧に乗りこなしていた。相当気分が良くなったのか、全員分の延長料金を何度か払ってくれていた。
お酒も飲んでいたし、それなりに楽しかった。楽しかったが、性豪のアンタくらい、おれもここを楽しめるようになってみたかったよ、
でも友達と会ったんだから友達と話したいし知らん女性は別にいなくてもいいかな…なんて思いながら退店した。たぶん、自分からは行かないかな。
彼は「ガールズバーたのしーー!!!!」と叫んでいた。男らしい。(?)
最近は、気温の上昇や街灯のせいで、真夜中でも蝉が鳴いているらしい。なんかそれみたいだなと思った。