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置屋のおかみさんに学んだ本物の効用


わたしが知っている置屋のおかみさんは、かかえている芸妓さんや舞妓さんたちに、絶対に絹の着物しか着せませんでした。そうすると、教えなくても、絹以外のものがわかるようになるから、人絹などの偽物の着物をつかまされなくて済む、というのが理由でした。最初から合成繊維の着物に慣れてしまうと、「違和感」というものを感じられなくなってしまう、というのです。

これは、すべてに通じることだと思います。

今から30年前、私がアーユルヴェーダを学びはじめた頃には、いろいろなニセモノがまかり通っていました。でも、ありがたいことに、インドにいって、本物の材料や、やりかたに触れると、そういうものに対して自然に「違和感」を感じるようになるので、へんなものをつかまされずに済んできました。

でも、インドは広いので、それぞれの土地によって、やりかたに違いがあります。そのため、北はデリーから南はケララまで、さまざまな病院を尋ねて、やりかたを見せてもらいました。そうすると、やりかたは違っていても、その背景にある考え方が、きちんと古典書に基づいていれば、違和感を感じないということも学びました。逆に、原理原則にのっとっていれば、その土地柄や手に入るものにあわせて、大胆にアレンジをしても、ちゃんと辻褄があうということもわかりました。

守破離の守の部分、基礎をただしく学ぶことが大切なのです。

これは、実際にいってみないとわからないことです。

本物をみて、感じて、考えるということが大切なのです。

アーユルヴェーダを一生の仕事にしたいとお考えの方には、

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