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ぽんぽこ(2)
狸に足をカジられました。狸がもっているかもしれない狂犬病は、発症したら致死率100%!…さて、どうする?という、いつかあなたが狸に噛まれた日のために役立つ情報満載のレポートの後編です。(前編 ぽんぽこ(1)を読む方はこちら)
…長編になりますのでまずはCMから!^^
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(3)夜間救急
この地域では、夜間救急といえば聖マリアンナ医大病院です。
311の大地震の日も、ここの夜間救急にいくはめになりました。しかし、それは地震とは全く関係のない怪我でした。よろけて掃除機のパイプの根もとを強く踏んでしまい、シーソーのように跳ね上がった反対側で鼻を強打。全くコントみたいな展開で、笑いたいけど、もんのすごく痛い!!これは絶対に骨にヒビがはいっているに違いないと思い、聖マリアンナへむかったのです。
夜間救急の待合室には、地震のために怪我をした人たちがひしめきあい、若いドクターたちはAMDAのゼッケンをつけて次々出動の準備をして廊下で右往作用しているような時に…. 自分で踏んだ掃除機で鼻を強打したヤツなんか… 混じっているだけで申し訳ない…でも、痛いんだものしかたがない….。
さらに、原発からの放射能が怖くて部屋に閉じこもっていたというのに、何枚もレントゲンをとって無駄に被曝することになり、アホとしか言いようのない情けない結末になりました。
今回も、コロナの患者さんがいっぱいで緊迫している中に、狸関係でご迷惑かけるのは恐縮だなあ…と思うと同時に、ワクチンを打つのが嫌で避けてきたのに、アホな理由で狂犬病のワクチンを打つ羽目になり…なさけない限り。(ま、コロナのワクチンがいやなのは十分に検証されていないからであって、すべてのワクチンがいやなわけではないのですけどね….)
とにかく私がここへ来る時には、いつもマヌケな理由でくるものだなあと思いながら、到着しました。意外にも、ほとんど患者さんはいませんでした。
あらかじめ電話をしておいたので、受付で名前をいうと
「症状だけおっしゃってください」と、大きな声でいわれました。
アクリル板があるから大きな声になるわけで、しかたなく私も大きな声で「たぬきにぃ〜、足を〜 かまれました〜!」と叫ぶしかなく...恥。
しかし、受付の女性は全く顔色を変えずに「では整形外科ですのでこの用紙に記入してお待ちください」と、対応してくれました。さすがです。
実は、ここへくるまでに5箇所の病院に電話をして狂犬病の対応をしてくれるかどうかを聞いたのですが、「狸に噛まれた」と言っても、聞き返したり、笑ったりした人はひとりもいませんでした。
私だったら、「たぬきですか?川崎で???」と聞き返したり、おもわず プッて笑っちゃうところですが、医療人はみんな流石です。
そして、その時わかったのは、5件電話しても、狂犬病のワクチンをもっている病院がほとんどない、ということでした。
厚生省のHPによれば、日本で最後に狂犬病が発症したのは66年前。世界中で毎年5万人から6万人が死亡している病気なのに、日本は完全制圧に成功している、数少ない国だったのです。ありがたいことです。
でも、それは潜伏期間にワクチンを打っているから発症者がいないのか?それともワクチンはもう必要ないのか?という点には触れられていませんでした。
(4)たぬきのひと….
書類ができると、男性の看護師さんが、まずトリアージュのための問診をしてくれました。彼は、「狂犬病よりも、他の菌の方が怖いですよ〜。ペットの犬猫にちょっと噛まれただけでも、腕の上の方までパンパンに腫れて蜂窩織炎になって、手術が必要になったりしますからね…うちの奥さんがそれで入院したことがあります」という、コワ〜イ話をしてくれました。いろんなところに病気の素は潜んでいるものだなあ〜と、アガダタントラのいい勉強になりました。
で、いよいよ診察。名前を呼ばれたので「はい!私です〜」と返事をすると、若いお医者さんに「たぬきの人?」と確認されました。笑
いや、そうですけどね…^^:)
で、傷を見せて状況を説明すると、「たしかに、腫れてもいないし痛みもないから、大したことはないですけれども、このケースは、来てくれてよかったですよ。」と、言ってくれました。
こんな真夜中に狸ごときで申し訳ないなあと思っていましたが、こんな風に言ってもらえるとホッとします。
「レプトスピラとか、こわい病気がたくさんありますから、消毒して抗生物質を飲んでください。」
え!レプトスピラといえば、ワイル病のこと….。
野口英世が黄熱病と間違えた死に至る病だ。
動物に噛まれると、そんな怖い病気にもなるのか…。
医「あと、破傷風のワクチンを打っていってください。」
私「え?子供の頃に破傷風にかかっていますけど?」
医「昭和ですよね?もうとっくに効果がないと思いますので…」
と、いうわけで破傷風のワクチンもうちました。
これは3回接種なので、あと2回、整形外科で「たぬきの人?」って言われないといけないようです。~~
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で、最後に本丸の、狂犬病のワクチンは打たなくていいんでしょうか?と、聞いてみたら「狸には、狂犬病はないって言われていますから大丈夫とおもいますよ。」とのこと。 な〜んだ!それじゃ来なくてもよかったのか?!
狸だけに ばかされたのか?
いやいや、やっぱりきてよかったのだ。こんなにたくさんの、他の危険があるんですものね。
そして最後にお医者さんがいいました。
「狂犬病は、もう日本じゃ撲滅した病気ですから、気にしなくていいですよ。インドにでもいって、野犬に噛まれたりしない限りね!」
先生〜!まさにインドにいくんですよお〜〜〜!
野犬がいっぱいいるところにいくんですよお〜〜〜〜!
インド人はアヒンサー(非暴力)の心から、野犬狩りをして殺処分というようなことをしないし、避妊もしないので、実は野犬の増加と狂犬病は社会問題なのです。
・狂犬病の潜伏期間は最低10日、長いと1年以上なので注意が必要。
・噛まれた場合にはしっかり15分間石鹸水で傷口を洗う。
・そのあと病院で1ヶ月に5回のワクチン接種が必要。
・日本国内ではワクチンの生産は中止。輸入ものがあるけれども供給量は十分ではない。だから、もしもインドで噛まれたら、インドでワクチンを受けるほうがよい。
そういう知識も持って、インドに行かねばならないのだなと、狸のおかげで、勉強になりました。そしてくれぐれも、野生生物には近づかないこと。飼い犬や飼い猫の甘噛みでも気を付けること。
ちなみに、この日の診察料は、健康保険で3210円。
深夜だというのに、国民皆保険制度はなんとありがたいことか…。
さらに、真夜中にもかかわらず外部薬局もあけておいてくれて、オーグメンチンとアモキシリンという抗生物質をもらって帰りました。夜間救急は3日分の薬しか出せないので、連休明けに他の整形外科で続きの薬をもらって、しばらくきっちり飲むことが必要なようです。
みなさん、狸に噛まれた時の参考にしてくださいね。
ちなみに、翌朝ダンナは真っ先に「しっぽ生えてない?」とのたまい
なにかにつけて「ぽんぽこ」と呼ぶようになりました。
絶対に返事はしてやりません。
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2022年1月10日 facebook