わざわざ平田の出張日記【宮崎、鹿児島編】の裏側
タイトルの通りです。僕の個人的な視点でまとめています。あらかじめ予告しておくと…けっこう長いです。6000文字超え、写真も70枚以上。けっこうな時間をかけたので有料にしています。
2019/02/11(月)追記:
平田さんの頑張ってる姿をいろんな人に見て欲しいなーと思ったので無料公開にしました。
長野県の"パンと日用品のお店 わざわざ"の平田さんを呼んで、宮崎と鹿児島でトークイベントをしてもらいました。
そもそもの発端
事の始まりはTwitterでした。
平田さんのこのツイートを見て、「なんとか人を集めたらペイできそうだなー」と思ってしまったので、深く考えずにダメ元で企画書を送りつけましたら、すんなり開催するのことになったので「わー、ラッキー」と思って段取りを進めました。
サクサク準備は進むとはいえ、「いざ当日会うよりも、事前に挨拶しておきたいなー…」と思って少し悩んでいました。
そこに渡りに船だったのが、いとう写真館。僕はいま、大阪を拠点に全国を出張写真館をする"いとう写真館"の出稼ぎアシスタントをしています。そこで、「東京での写真館開催の途中に長野に寄り道してもいいですか?」と上司(?)の伊東さんに相談したら、すんなり「ええで〜」とOKサインが。(さすがRe:S時代の無茶苦茶な取材旅行をやり遂げた人だ)
ラッキーなことに、事前に挨拶に行けて、しかもちょうど写真に傾倒している平田さんに伊東さんを良い感じに紹介できて、面白い方向にコトが進んでいきそうなキッカケにもなりました。ということで、準備はOK。
平田さんが宮崎に到着
宮崎到着の前日(10/10)は長崎で講演会だったということで、長崎から鹿児島経由で宮崎へ。5時間ほどかかったとのこと。「めっちゃ遠いね〜!」と笑っていた。すいません、宮崎は陸の孤島なんです。(ちなみに僕は鹿児島出身)
ということで、まずは歓迎をば。
宮崎に到着した平田さんと、角打ち しなとで0次会。
南九州は言わずと知れた焼酎文化。芋くさい焼酎が苦手な平田さんに店主が出したのはショウガを使った焼酎。試飲しましたが、爽やかだった。
焼酎に見えない
ベタに地鶏の炭火焼きも食べてもらいました。うんまい!
"わざわざの賄い"の裏側
翌日金曜日は、土曜日に提供する賄いの買い出しと仕込みを。
実は往生際の悪い台風のせいで、予定していた日程でイベントを開催することができず、延期のお詫び企画として"平田さんによるわざわざの賄い"提供を決めたのでした。完全に僕のジャストアイデア。これがこの日の僕をこんなに苦しめることになろうとは…
まずは翌朝8時に合流し、綾町の直売所へ。
有機農業の町なので美味しい野菜がたくさん。
野菜を吟味する平田さん
知り合いの農家さんのところに行ったら、サツマイモを大量ゲット
宮崎案内も忘れずに
次の日は宮崎でのイベントを午前中に、夕方からは鹿児島でのイベントのため、この日のうちに宮崎を案内しました。
よく行く民芸品屋さんへ案内したり。(まさかの銅なべを購入!)
賄いの仕込みを手伝ってくれる宮崎市のbooza(ブーザ)さんで
打ち合わせがてら昼食。野菜たっぷりで美味しい。
テンション上がってライカを構えるひと。どこのアーティストですか?
似合ってる
ベタな観光地、堀切峠。でもやっぱりいい。
後ろに広がるは、砂岩泥岩互層。"鬼の洗濯板"という名前で有名です。
昔の新婚旅行のメッカ、青島にも行ってみた。
海なし県の長野からだと珍しかったのか、シャッターを切りまくる平田さん
確かにこの日はマジックアワーのトーンが綺麗だった
さて、賄いの仕込みです
案内していたら、時間はあっという間に過ぎていきました。いよいよ、メインイベントの賄いの仕込みです。来場予定は60名。「そんなに多い人数分、大丈夫なのか?」とちょっと不安がよぎります。
しかも、仕込みをする場所は公民館。事前にコテージを押さえて、そのまま宿泊できるようにしたかったのですが、あいにく宮崎市内近辺は満杯。実はけっこう焦ってました。
でも、さすがプロ。始まると手際よく進みます。
boozaの2人のヘルプも本当に助かりました。感謝!
佐土原ナス、ほうれん草、早生みかんなど。県産食材大集合。
肉団子
豆腐に味付けしてピーマンとレモンがのったやつ(名称不明)
きゅうりと梅干しのサラダ的な?
なんかすごい豚の塊肉も登場。えらいことになってきた。
焼かれる豚。ジュ〜ジュ〜!
賄いを作っていたみんなのために作ってくれた"あじ豚のスペアリブ"。
これが本当の意味での賄いですね。とても美味しかったです。
なんとか仕込みも終わりました。みなさん本当にありがとう!
さて、トークイベント当日。
仕込みが終わって帰宅したのは前日の23時ごろ。でもまだ案内していない宮崎グルメがあったので、早朝6時半に合流して案内。
実は宮崎は九州の中でも珍しい、柔らかい系統のうどんがあります。
ここは老舗の "おくのうどん"。早朝5時半から営業しています。
さつま天たまか(さつま揚げ、天かす、卵いりうどん)
をフーフーする平田さん
いりこだしの少ししょっぱめの出汁を興味深そうにすする平田さん
「これはまた複雑な味わいだ〜!」と笑みを浮かべていました。
その後、賄い用の買い出しを済ませ、会場入り。ここからは僕自身が準備でバタバタしていたせいで写真が急に飛び飛びになります。というか、ほとんど記憶がありません。時間は飛んだのだ。
イベント準備中。
イベント中。たくさん人が来てくれました…!(一安心)
講演内容は宮崎の方々にもとても刺さったようで、講演後の物販時間では
"わざわざの働きかた"の本がこれまでの講演で一番売れたそうです。
その数、参加者60名に対し40冊!
CVR高っ!参加者のインサイトに突き刺さりまくり!
売上ギネスを作れて素直に嬉しかったです。
みんなが喜んでくれた"わざわざの賄い"
当日は受付を済ませ次第、参加者に賄いをセルフサービスで取り分けてもらうスタイルにしました。みんなで頑張って仕込んだ賄いを参加者が美味しそうに食べる姿を見て、ホッとしました。
以下、写真は撮ったものの平田さんによる説明が全くなかったので(笑)、竹内による勝手な類推でのお品書きです。
カキと豆腐の和え物
サツマイモのポテトサラダ
佐土原ナスの炒め物
あじ豚のミートボール、トマトソース煮込み
あじ豚のローストポーク、渡川産の原木舞茸ソテー添え
これだけ写真を撮っておいてアレですが、僕は当日はあっぷあっぷになっていたので、ほとんど食べられませんでした。緊張して食べ物が喉を通らない、意外に緊張していた自分がいたようです。もったいないけど、イベントは大成功だったのでよしとします。
当日、色々とサポートしてくれたみなさん。本当にありがとうございました!会場のインタークロスをお貸しくださった代表の小川さんも非常にきめ細かな対応をしてくださって、ほんとうに感謝しかありません。
そいじゃあ、鹿児島へ行っど。
実はこの日、同日に県をまたいで2カ所開催という暴挙を行いました。午前中からお昼にかけてに宮崎県で講演をし、夕方からは鹿児島県でまた講演。しかも翌日には鹿児島の別会場でも。こんな無茶なスケジューリングに対応いただいて本当に恐縮です。
10/13の鹿児島会場は僕の地元の霧島市のヴォアラ珈琲国分本店。
非常にリーズナブルな値段で美味しい豆を買えますよ。
(ECサイトのドメインをよく見ると「美味いコーヒー」!)
ヴォアラ珈琲を会場に選んだのは完全に僕のわがままで、「地元の行きつけのコーヒーショップだったから」という理由です。ビバ開催者特権!
とはいえ、僕も宮崎会場でのなんやかんやや鹿児島への運転などでポンコツになっていたので、あとは共催のカンケリデザインチームにバトンタッチ。同年代の彼らも非常に頼もしく動いてくれて、滞りなく進行していきました。本当に助かります。(平田さんを酷使させすぎて本当にすいません)
会場設営を進めるカンケリデザインチーム
受付をやってくれるカンケリチーム。
右の中野由貴さんが素敵なデザインのフライヤーを作ってくれました。
ヴォアラはコーヒー屋さんなので、この日は参加者へコーヒーも提供。
普段は見たこともない台数のコーヒーサーバーが準備されていました。
ヴォアラ珈琲のスタッフの皆様もご協力ありがとうございました!
もちろん、わざわざのみまきカンパーニュも。
美味しいパンとコーヒーの相性は抜群です。
お店のスタッフのお土産用に豆を選ぶ平田さん。
香りをチェックする姿がなんか面白い。
ヴォアラ珈琲のオーナー、井ノ上さん。
穏やかでとても優しい人です。
事前に用意していた「#わざわざ鹿児島」のハッシュタグ。
かなりの盛り上がりを見せて、Twitterにもたくさん投稿があります。
事前にカンケリチームが用意してくれていたアイスブレイク用のゲーム。
これも面白かった。鹿児島県民ならではの方言を使っているので、うまく伝えられないけど。笑
講演する平田さんのすぐ後ろにはコーヒーミルが。
興味深そうに耳を傾ける井ノ上さん
なぜか焼酎もあった。井ノ上さんが「ソーダ割りできるよ」と言っていた。
そうだった、ここは鹿児島だった。
参加者にお土産をもらう平田さん。ここでも大人気でした!
無事に終わって打ち上げへ
鹿児島会場の講演も無事終わり、慌ただしくホテルにチェックイン。あとは打ち上げ会場へ向かうだけ。でも、どうしても案内したい地元の名店があったのを思い出した。
地元の名店、おでんの掌(つかさ)
打ち上げ会場から徒歩1分の場所にあるので、「ええい!」と思って電話してみたら、ちょうどカウンター席が3名分空いているとのこと。これはもはや運命、ということで平田さんを強引に拉致して僕と彼女と平田さんで0次会へ突入!
おでんと平田さん。美味しそうにビールとおでんを楽しんでいました。
ここはマジで名店です。鹿児島弁が飛び交う厨房を目の前で見ながら、老々コンビネーションの名連携を楽しむことができます。鹿児島イントネーション強めのマスターがおでん鍋を一人で仕切って、そのそばを東南アジア系のおばちゃんがオーダー伝えつつ動きまくって、白髪の角刈りのおじさんが黙々と白おむすびを握って、常連っぽい謎のおじちゃん(たまにおばちゃん)がチューリップ唐揚げを揚げる、という謎の集団で成り立つお店で、カウンターからそれを眺めておでんを食べるだけで最高(ほしよりこさんの"山とそば"にも出てきてます)。…掌(つかさ)愛のせいで筆がほとばしる。
鹿児島ローカルおでんネタ、豆もやしに困惑する平田さん。
オーダー受けてから鍋に投入するのでシャキシャキ感も絶妙に残ってます。
チューリップ唐揚げ。これとビールだけでも最高ですね。
(僕は下戸ですが)
実質20分でササっと食べてお店を出て、打ち上げ会場へ向かう我ら。打ち上げでは平田さんと井ノ上さんの経営者ならではのトークが非常に盛り上がり、もはやこの2人の話で講演会になるくらいの内容。それを隣で独占できる時間が非常に幸せでした。その一部がこれ。
僕の中では2人を引きあわせるのも目的にしていたので、よか晩でした。
翌日はひとまず地元案内。
翌日は鹿児島市内のしょうぶ学園で講演会だったのですが、僕は午後には宮崎に戻って撮影案件に対応するため不参加。かなり残念でしたが、午前中に地元を少し案内しました。
実家近くのパン屋、オリバー。美味しいパンがずらり。
(ちなみに、店主が古川さんだから「オールドリバー」→「オリバー」)
桜島が見える地元民しか知らない場所でみんなで朝ごはん。
シャッターを切る平田さん。
青春みたいな写真も撮れました。
そのすぐ近くの24時間スーパーAZにも立ち寄るなど。
商品点数40万点でAからZまでなんでも揃います。そう、車だって。
一旦お別れしたけどまた来ました(頴娃町編)
このへん、我ながら無茶なスケジュールで動いてました。
この日(14日)は撮影のため、宮崎へ。その後、夜に鹿児島へ。翌日は最後のアテンドのため鹿児島の最南端ゾーン、頴娃(えい)町へ。それが終わり次第、また撮影のため宮崎へ戻るスケジュール。
この2日で合計運転距離、489kmでした。宮崎も含めたら3日で600kmくらい?最近ハイエースで日本中をキャラバンしているせいか、距離感がバカになってるのがわかりますね。
塩のかめ壺の中身に興味津々な平田さん。
だれも開けて中を確認した人はいなかったようですが、第一号に。
カンケリの泣き上戸のよかにせ、チャコ。2人とも良い笑顔。
頴娃町の釜蓋(かまふた)神社にて。蓋を頭に乗せて歩ききったら
ご利益があるとか、ないとか。余裕の表情を見せる平田さん。
「目を瞑っててもイケるよ。余裕じゃん。」
真横から見ると、何が起きているのかよくわからない画になりました。
ベレー帽の上に載せる斬新なファッションスタイルを提案する人。
みんなが蓋を載せてるところを平田さんに撮ってもらうなど。なんだこれ。
「本当にこんなところに人がいっぱい来るの?」と訝しげな平田さん。
でもこの直後にバスツアーの観光客が来て、爆笑してました。
僕が最後にご一緒した、番所鼻自然公園。
薩摩富士こと開聞岳もよく見える。
"伊能忠敬絶賛之地"というよくわからない位置づけの石碑。
とりあえず撮る平田さん。
ひとまず終わり、でもまだ続く
ということで、別件の撮影のためにお別れを告げて宮崎へ。
本当に濃い5日間でした。「こんなに面白い人ははじめてだ」と思うほど、自分の興味関心をマニアックに掘り下げて、インプットとアウトプットを過剰なまでに徹底する平田さんに刺激を受け続けた5日間でした。
それこそ平田さんが講演会のスライドで話していた多面体の話でいうと、(聞いてない人にはわからないかもですが)
経営者
母親
偏執狂
アウトプットの鬼
わざわざのマスコットキャラ
無駄を愛する人
効率化のためのナタを容赦無く振り下ろす人
DJ
スタイリスト
絵を描く人
リスクヘッジしまくる人
などなど、実際にコミュニケーションを取る中で実感として見えてきた平田さんが何重にもいました。
声、しぐさ、表情など、伝わる情報量もSNSの投稿とは桁違いで、インターネットというフィルタを通していない生の情熱が伝わってきて、めまいがしそうになる瞬間もいくつかありました。それでも必死に食い下がっていけたのは、平田はるかという人間が持つ魅力が僕にとって凄まじかったからでしょう。
幸い、今後もいくつか一緒にお仕事をすることになっているので、今回同様に全力を尽くして向き合っていこうと思います。
ちなみに、今回のアテンドだけでなく、事前の挨拶と打ち合わせを合わせたら、1ヶ月のうち1週間ほどを一緒に過ごしていたようです。
本当に濃密な1週間でした。平田さん、ありがとうございました!
〜おわり〜
車と人を大判カメラで写す“Car with us.”を撮影しています。いただいたサポートは、フィルムや現像代など、“Car with us.”シリーズの感材費に充てさせていただきます。