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パリの老舗画材屋セヌリエに行って来ました。
こんにちは。いつも淡々と絵を載せてるだけなので、たまには文章も書いてみようと思います。
透明水彩絵の具を求めて、パリにあるセヌリエの本店に行ったのでレビューします。
セヌリエは1887年にギュスターヴ・セヌリエによって創業された歴史あるフランスの老舗画材店で、当初は高品質の油絵の具を作っていたそうです。
ピカソやセザンヌを始めとする印象派の画家達を常連客に抱え、この錚々たる客人達が御来店の際には、絵画技法についての熱い議論が交わされる場となったそう。
セヌリエ氏に「今度こういう色を作ってよ」とかお願いしたのでしょうか。何だか夢があり、訪れるのもワクワクしますね。
歴史もすごいけど立地もすごかったです。
セーヌ河を挟んでルーブル美術館の正面にありました。
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対岸の建物はルーブル美術館
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セヌリエ本店の両隣にはオルセー美術館とボザール(1648年に創立されたパリ国立高等美術学校。ドラクロワ、モネ、マティス、ドガなどを輩出)もあり、裏の路地に入ると画廊ひしめくアート一色の界隈。
レドゥーマゴやフロールなど有名所のカフェもあり、この辺りは輝かしいパリ左岸文化の中心地だったそう。
今はお洒落なショップやレストランも沢山あり、歩くだけでも楽しい地区です。
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その下のパステルが入った古い引き出しに歴史を感じます。
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実はネットで既に注文してあったので、商品を取りに来ただけでした。
店員さんは店内の写真撮っていいよって言ってくれて、感じが良かったです。
他の多くの画材屋は万引きを警戒しまくっていて、客のカバンをレジで預かる上に、店員さんが「買い物はカゴを使ってね」とか色々声掛けして回ってるけど、セヌリエではそういうのがなかった。余裕ある接客に老舗の貫禄を感じました。
しかもセール期間なのでセヌリエ製の絵の具は25%OFFでした。私は10mlチューブを1本5,59ユーロで買えました。4本買ったので8ユーロほど節約できてお得な気分。
他のネットショップでマイメリという単一顔料で有名なイタリアのメーカーの絵の具も今月いっぱいは20%オフなので悩んだけど、セヌリエにしかない欲しい色があったので、マイメリはいつかまた機会があれば。
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この広場は観光客を守る為に警察がいつも巡回していて安全そうだし、ここに屋外スケッチに来ても良いかも?と思いました。パリは本当に治安が悪いです…。
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水加減がド下手でごめんなさい。白は見えないので割愛。
先月に原色系を9色買ったので、今回はパリっぽいシックなモノトーンを4色買い足してみました。透明度が低くてガッシュのようですが、ちゃんと透明水彩絵の具です。
なんせ透明水彩初心者なので、グレーや黒を使いたい時に毎回混色して必要な量を安定的に作るのが大変だったので、931番のニュートラルチント(黒の一種)を買ってみました。青や茶色といった濃い色と混ぜたら綺麗な気がして。
鮮やかでカラフルな色も綺麗だけど、暗色もかなり好きです。
透明水彩は白と黒は基本的に使わないそうだけど、混色に興味があって、116番チタニウムホワイトも買いました。
そして705番のウォームグレー。これが今回のお目当ての色でした。このベージュグレーは他のどのメーカーにも無く、セヌリエにしかない人気色だそうで、綺麗だなぁとネットで見ている内に欲しくなりました。ほぼベージュで、私の腕では混色でこの絶妙な色味を作れない。
709番のセヌリエグレーも、こういうグレーが大好きなので買ってしまった。混色すると綺麗だそうです。
ちなみにセヌリエのオイルパステルを13年前に買ってました。しかも一回使ったきり。それ以来一切絵を描いていなかったので、ほぼそのまま残ってました。
その時は普通の画材屋で適当に買って、セヌリエが何だかも解ってなかった。今は画材やメーカーについて色々知るのが楽しくて、思い入れができ買った物を大切に使えて嬉しい。
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セヌリエはパステルも質が良いそうです。
いつかイタリアに行ってマイメリの本店や、ドイツのシュミンケの本店や、スイスのカランダッシュの本店や、日本のホルベインの本店に行ってみたいなぁと旅行の夢が膨らみました。本店でお買い物、楽しいですね。
欲しい画材というのは尽きないし、ヨーロッパは画材が高いので、ちょっとずつしか買えないけど。
日本は高品質なのに安い画材が沢山あって、企業努力がすごい。文房具のレベルも世界一だし、次帰国したら沢山買いたいと思います。それまでは出来るだけ画材は買わず、混色を頑張ります!