全ワーママ、ワーパパに読んでほしい!年間読書量130冊のワーママがお勧めする漫画
大黒柱妻の日常 共働きワンオペ妻が、夫と役割交替してみたら?
オススメ度:★★★★★
共働き二児の母・ワンオペ妻が、夫と交代して大黒柱となり、両方の立場から見た風景が描かれた漫画です。
作者はノンフィクション漫画家の田房永子さん。
この作品が初のフィクション漫画のようです。
田房さんの他の著書も読んだことがありますが、これがダントツでおもしろかった!
ノンフィクションはドラマのように感動的なラストにはならず、人間の生々しい部分や隠しておきたいことをさらけ出して描かれているので(それが田房さんの持ち味でもあると思っています)、読了感がいいとは言えないのですが、これはラストでグッときます。
なぜ妻がワンオペになってしまうのか?
妊娠出産が女性にしかできないから?
いわゆる母性本能?
私はかねてから、「立場が人を作る」と思ってました。
要は、家事育児を担うという役割を与えられたら、男でも女でも「責任を全うしようと努力する」のです。
だって、家事育児は女性にだけ備わっている特殊能力ではありません。
産後は、母乳を出すこと以外は父親でもできるのです。
ただやってないだけ。
なぜやらない、やれないのかというと、日本社会において男性は、『父親になったら、妻子を養うべくこれまで以上に仕事に邁進してナンボ』
という無言の圧力があるから。
会社の50〜60代男性社員は、家族より仕事に時間と労力を投入して、今のポジションに就いてる方が多いと思います。
他の選択肢を知らないし、別の道もあるのかもしれないという発想にすらならなかったんだと思います。
女性は、『母親とは、自分のことを後回しにして何よりも子どもと家庭に尽くすもの』という役割を与えられる。
また、夫が長時間労働であるが故に、妻が時短勤務もしくは残業なしフルタイムにならざるを得ない。
日本社会の『当たり前』の結果
『長時間労働の夫と、時短ワンオペワーママ』が誕生してしまうのだと思います。
だけど、めちゃくちゃ仕事したい妻もいるでしょうし、そんなに仕事にコミットしたいわけではない夫もいる。
役割を代わってみたら、夫は妻が1人でこなしていたタスクの多さに驚き、妻は夫がしてくれていたように、家計を自分がこの先ずっと支えていけるのかという重責に震える。
妻の方が高収入だという家庭は案外多いと感じます。
妻が高収入を得られやすい業種だったら(我が家はこのパターンです)、別に珍しい話でもない。
ワンオペになってしまうのは、日本が長時間労働だから。
ゴールのない過度な顧客満足。
細かすぎるルール。
メールやリモートではなく、直接対面することこそが丁寧な対応である、とされるがために発生する移動時間。
こういうの、もう止めないと誰も幸せになれないよなぁ…と自分の働き方を振り返るきっかけになる漫画でした。
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