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マルクス主義と従来の経済学の争点
『自由と成長の経済学』を読んでいて感じたことがある。
もしかして、マルクス主義は「こんな不平等、格差状態にあるのは資本主義の所為だ」と主張している。だから、資本主義ではなく、社会主義にしようと言っているのではないか。
一方、従来の経済学は「こんな不平等、格差状態になっているのは市場の失敗(情報が不平等に分配されているなど)によって経済がうまく機能していないからである」と主張している。だから、市場の失敗を政府が(政策などで)サポートすべきだと言っているのではないか。
両者とも「不平等」「格差」に目を向けているが、マルクス主義は「資本主義」に問題意識を向け、従来の経済学は「うまく経済が回っていない構造」に問題意識を向けている。
おそらく、この従来の経済学とジョンローズの『正義論』とは相性が良いように思う。ジョンローズは「不平等によって社会全体が豊かになったことで、結果的に貧乏な人も豊かになるのであれば、その不平等は目をつぶろうじゃないか。」ということを主張している。おそらく、マルクスは全体を豊かにするような不平等すら許すことが出来なかったのではないかとも考えることができる。従来の経済学はそのしょうがない不平等をどうすれば小さくすることができるのかということも研究しているのであろう。
と不勉強ながら思った。
おそらく、この本の要約はのちに出す。