
高齢者トレーニングのシンプルな考え方
こんにちは!さっとんです。
日々、御利用者様とトレーニングを楽しんでおります。やっぱり、動きが良くなり、表情が晴れやかになる姿を見るのは嬉しいですね!
今回は「高齢者へのトレーニング」へのシンプルな考え方がテーマです!
・歩行訓練ばかりやってるけど、本当にそれだけでいいのかな?
・今のリハビリが本当に効果があるのかな?
・もっと運動のバリエーションを増やしていかないと良いリハビリが提供できないのではないか?
・もっと専門的な運動を提供しないといけないのではないか?
と悩まれている方がおられましたら、私の視点ですが何かお役にたてるかもしれません!←ちなみに自分はいつも思っています(笑)ではよろしくお願いします!
トレーニングの原則を大切にしよう!
原則ってたくさんありますよね!例えば「過負荷の原則」とかです。
全部書くのは割愛させて頂きますが
その中でも私が普段大切にしているのは
「特異性の原則」です!
特異性の原則とは?
ある種の能力は同類の運動を用いたトレーニングで効果的に高められる
さっそく少し眠くなってきましたね!私なりの表現は
(例)テニスうまくなるにはテニスの練習するのが一番!です!
テニスがうまくなりたいのに、サッカーの動きばかり行ってもなかなか上達しないですよね!
なのでリハビリやトレーニングに置きかえてみると
患者様の気持ち
「歩けるようになりたい」→歩行訓練
「家でうまくたてない」 →起立訓練
「洗濯物を干したい」 →立位で上方のリーチ訓練
をシンプルに私は最初の第一選択とします!
何故この考えが大切なのか、主観だけになってはいけないので、理論もお伝えします。
めっちゃ、漢字だらけになるのですいません!
①筋の収縮様式からみた特異性
等尺性収縮を行うと、等尺性筋力が増加する
伸張性収縮を行うと、伸張性筋力が増加する
②負荷様式からみた特異性
最大筋力を増加させたい時は、最大負荷で高まる
最大速度を増加させたい時は、最大速度で高める
③動作様式からみた特異性
ある動作の筋力を増加したいならば、同じ動作でトレーニングしないと、トレーニング効果は低くなる
もう少し続けます。
・特定の歩行パフォーマンスの向上を目的とした場合、その必要な筋群の筋力増強を図るより、動作そのものを繰り返しトレーニングした方が効果的であった
・障害のある高齢者を対象に機能的トレーニング(歩行、立ち上がり、ステップ練習)と下肢筋力増強運動の介入効果の違いを検証すると、機能的トレーニングが、筋力訓練と同等の筋力増強効果があり、かつ日常生活の課題進行中の動的バランスおよび協調性をより改善する
・厚生労働省における大数調査においても、二次予防対象者のTUGや、最速歩行時間の改善にはADLに関わる運動を実施することが、有意に関連する。筋力増強運動の実施では、有意な関連が認められていない
との報告があります。
コーヒーを飲んで休憩入れて下さい!
ここまで読んで下さった方心よりありがとうございます!時間がよろしければ、もう少しお付きあい下さい。
何故このような効果があるの?
機能的トレーニング(日常生活に用いられる動作の課題練習)によって
・運動単位の発火率の変動の減少
・大脳の運動皮質の可塑性の増加
・皮質脊髄路の興奮性の増加
といった効果があると考えられています!
このような神経系における課題適応が、長時間にわたって起こることがあきらかになっています。
高齢者の脳機能へのアプローチにも効果的ですね!
最後に
私なりにまとめると
「患者様のやりたい動きをシンプルに反復したらめっちゃトレーニングなるやん!」です!
そして、患者様の練習したい動きを一緒に行うことで信頼関係にも繋がると思います!
自分におきかえても、やりたいことをお手伝いしてくれるのは嬉しいです。
もちろん細かな評価も必要です。
ですが、私は難しい、細かな関節の動き等を評価することはまだできません(汗)←でももがいて、日々修行中!
でも、それができないからといって良いリハビリが提供できないこともないと思います。
なので難しいことができない私は、シンプルに基本的な原則を大切にしています。
その中でも「特異性の原則」は高齢者のリハビリに生かせると考えています!
何か普段のリハビリに参考になると嬉しいです。
最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。
これからも高齢者のパフォーマンスアップをお手伝いしていきます!
参考文献
筋力増強運動を含む機能的トレーニングが生活機能に及ぼす影響
市橋則明 運動療法学 障害別アプローチの理論と実際 第2版