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本気の眼鏡改造(加工)計画 -ノーズ改造編-

「THE 日本人顔」の私にとってプラスチックフレームの鼻盛り加工は必要不可欠。

しかし、鼻盛り加工って、「後付け感」が否めない。
掛け心地は譲れないが、眼鏡そのものの雰囲気も大事にしたい。

もっと言うのなら、鼻盛り加工しても「最初からこの使用ですよ感(純正感)」を出したいのだ。

そこで、私はカッコいい鼻盛り加工を追求した。


用意したのは 「Tart Optical Arnel  JD-04  Black C.B.」

ジョニーデップが愛用していたと言われる1950年代のTart  OpticalのArnelを復刻した「Tart  Optical Arnel  JD-04」。

Tart Optical Arnel   JD-04 Black C.B.

元々、Tart  Optical Arnelは日本人向けの固定ノーズパッドが付いているが、鼻幅は比較的広いため(ブリッジサイズ 24mm)鼻筋が細い方には意外と安定しない。


このヴィンテージ感を損なわないまま、掛け心地良く、加工する方法はないか考えた。

加工は「クリングス型」一択

元々鼻盛り加工に使われることの多い、内寄せ型の固定ノーズパッドは付いている Tart Optical Arnel。

固定式では限界があると考えた私はクリングスタイプを選択した。

実は後付けクリングスには2タイプある。
フレームに穴を空けて付ける「埋め込み式」と専用の溶剤を使用し取り付ける「接着式」である。

埋め込み式は専用の工具が必要であるが、基本的にフレームの素材を問わない。穴を空けられる幅があればナイロン系樹脂素材でも取り付けは可能だ。


「埋め込み式」クリングス / 商品名:アイアーム

これが一番純正感に近い。ただし、穴を空ける位置をミスるとフレームの修復はほぼ不可能だ。
また、万が一取り付け後、破損してしまうと同じ穴に再度取り付けしにくい。

加えて、今回のフレームはクリア生地を使用しているため、この埋め込み式を付けた時に正面から透けて見えるので、ポツッと黒い点のようなものが浮き上がって見える。これが少し嫌だった…

「細かっ!」と思われるかもしれないが、今回は出来上がりの見た目を選択した。

やっぱり「接着式」が一番安心だが…

そんなこんなあって、今回は「接着式」を採用することにした。
ただし、注意して頂きたいのは、この接着式はセルロイドやアセテート素材出ないと接着が出来ない。ナイロン系樹脂素材では対応できないのだ。

加えて、接着式は取り付け方によっては後付け感が否めなく、場合によってはダサい。取付位置や種類の選択にはかなり慎重になる。

実は「接着式」にはいくつか種類がある。簡単に分けるとクリングスアームの形状とノーズパッドの適応性だ。

その種類をいくつかご案内したい。

「接着式」クリングス / 商品名:ピターム

こちらはシンプルな逆U字の標準タイプのもの。どんなフレームとも相性が良いように作ってあるが、フィッティングの幅が狭い。

快適性を向上させるために必要なフィッティングの幅は狭めたくないので、今回こちらは見送ることにした。

「接着式」クリングス / 商品名:ピターム(クリックイン)

このタイプはノーズパッドが専用のものでないといけない。ノーズパッドの汎用性が損なわれてしまうのだ。これは後々純正感を出すのに痛手になる。

クリックイン専用ノーズパッド

はめ込み式のこのタイプは、一般的なネジ式タイプのパッドが付けられないのだ。はめ込み式ノーズパッドは種類が少なくフィッティングの際の可動域も狭い。

「接着式」クリングス / 商品名:ピタームR

こちらのタイプは取り付け後の外観がシンプルで固定式ノーズに近い形状ではあるが、専用のノーズパッドが必要であり、フィッティングの可動域もかなり狭い。加えて言うと、ノーズパッドが取れやすいのが難点だ。

私が思う、ベストなクリングス加工はこれ!

様々、検討した結果、私はこのクリングスを使うことにした。

「接着式」クリングス / 商品名:ピタームBS

アーム部分が長いことで可動域が広く、またネジ式なので様々なノーズパッドに対応が可能だ。

また、意外とアームが下まで下りているので、パッド位置が低くなり全体的に眼鏡を上げて掛けられる(=鼻眼鏡になりにくい)というメリットもある。

あと、何となくこの形状は純正で使ってそう…雰囲気がある…と、勝手な思い込みも決め手だった。

どんなノーズパッドを採用しようか

今回、ネジ式を採用したため汎用性が高くなっている。ネジ式のノーズパッドは種類も多く、好みに合うパッドが必ず見つかる。

もし、Tart Optical Arnelがクリングスタイプを採用しているとしたら…

そんな、想像を働かせながら、眼鏡部品のカタログとにらめっこした。

最近、プラスチックフレームでもクリングスを採用するブランド、モデルは多い。中でも、ノーズパッドは高級感を演出するためにチタン製を積極採用している。

確かにプラ(樹脂)パッドは種類が多いのだが、安っぽさが際立つ。

しかし、汎用型チタンパッドは種類がまだ少ない。
「良いものがないか…」また、カタログとのにらめっこが続く。

そんな中、眼鏡卸業者のSNSでこんなパッドを発見した。

チタンプレミアムパッド ベースメタル

チタンの高級感ある雰囲気は生かしつつ、肌に当たる面にシリコンを搭載し、ズレにくさも両立。デザインと機能性を兼ねている。

チタンプレミアムパッド ベースメタル

また、ネジ式なので様々なクリングスに対応可能という汎用性も見事なこのパッド。

早速、取り寄せてみることにした。

本気の改造(加工)ついに完成!


いろんな部品を吟味し、全ての部品を取り付け加工した完成品がこちら。

正面から見ても全く違和感はない

いかがだろうか。
デザインを損なうことなく、あたかも最初からこの仕様だったのでないかと思わせる、この完成度。

チタン製のノーズパッドを採用することで、さらなる高級感を演出し、眼鏡を置いたときにも絵になるそんな改造(加工)になった。

接着面は必要最小限に留めた

また、今回接着式を採用したが、付ける位置や角度を調整し、なるべく後付け感が出ないように工夫した。実際、着用してみるとかなり快適にかけることが出来た。顔に自信がないため着画はお見せ出来ないが(笑)、ノーフィッティングでも私の顔(鼻元)にピッタリと収まった。

万が一、破損してしまっても、再度接着面を均すことで簡単に修復が可能である。これも安心でうれしい。

この出来は本当に満足だ。
初めて

「眼鏡を掛けた時の鼻元なんて誰も見ないよ!」と言われるかもしれない。
確かにこれはマニアックであり、自己満足だ。

でも、せっかく掛けるなら少しでも良くしたいと思うのは誰しも思うのではないか。また、「その眼鏡カッコいいね」なんて言われた日には飛び上がるほど嬉しい。

眼鏡は購入してレンズ入れて終わりではない。
掛け心地、掛けた際の見た目などは眼鏡を使うにあたって重要なことの一つである。

そして、意外と知られていないのがレンズ以外の改造(加工)で、これを行うともっと眼鏡が快適になることを、そしてカッコ良くなることを知ってほしい。
そして、出来上がった眼鏡は自分専用のオンリーワンのモノになり、一層愛着が湧くことだろう。

皆様も自分の眼鏡をもっと手塩にかけてほしい。この備忘録が皆様の参考になれば嬉しい限りです。


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