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採用コンサルティング・支援の流れと調査手法・課題発見のポイント

人事・人材業の複業フリーランスです。2014年から一貫して企業の採用支援および転職マーケットに携わってきました。

数年前、求人企業と商談の際、何をヒアリングすべきかをまとめた記事を書きました。

このnoteが継続的に読まれていることから、私が個人で採用コンサルティングを行う流れの一部を紹介するとともに、課題分析の手法やポイントを簡単にまとめたいと思います。

前提:採用コンサルティングのスタンス

前提として、私は個人事業主のため自社プロダクトを保有せず、また人材紹介免許や求人広告代理店免許を取得していません。求人企業とさまざまな採用プロダクト・サービスベンダーの間に立ち、中立的な立場で両者をつなぎながら採用支援を実施しています。

採用支援の流れ

最初の1~2か月は、企業の理解を深め、情報収集と整理・分析を実施します。
2~3か月目は、調査で見えてきた課題を共有し、認識を双方にすり合わせながら具体的な施策を提案。
3か月目以降は、求人企業の予算やご要望に合わせながら、施策の実行面まで進めていきます。

施策と言っても、そんなにかっこいいことをするのではなく、下記のような項目を愚直に実行するイメージです。

【施策イメージ】
・採用サイト/求人広告の赤入れ
・媒体選定/派遣やエージェントサービスのパートナー選定と交渉巻取り
・ダイレクトソーシングの運用
・会社説明会/面接代行
・採用広報支援(ピッチ資料や採用ブログ等、各種コンテンツの企画制作)
・社員教育の計画、研修会社問合せ
・人事担当者の育成、アドバイス 等

一般的なコンサルタントのように助言するだけでなく、またRPOのように企業の指示のもと代行するわけではありません。また、パッケージ提案をしていないため、月々の稼働量も含めて柔軟に調整しています。
必要があれば、私以外の採用代行会社も巻き込んで、チームで進めることも可能です。

支援前の調査項目と手法

おおよそ以下の項目を順に確認していきます。

■調査項目とポイント

・企業概要
・事業内容/職務内容
・採用サイトや掲載中/掲載済の求人広告
・採用オウンドメディア(自社ブログ等)
・同業他社の求人、採用手法等
・直近の採用手法と結果
・各歩留まり
・人事体制
・使用ツール
・その他、特に相談したい項目があれば

求人広告営業や人材紹介会社の営業も、ほぼ同じような項目を確認すると思います。しかし、上記を調査する方法は、少し私なりのこだわりがあります。

■調査方法1:徹底的に現場メンバーにインタビュー

まず、一般の求人広告営業やRAとは異なり、複数名の社員と直接対話をしてリアルな視点の情報を引き出していきます。

【想定対象者】
・代表インタビュー
・人事インタビュー
・直近入社した新卒/中途社員のインタビュー
・募集ポジションで活躍している社員のインタビュー

インタビューはオンライン実施でも問題ありませんが、個人的には、一度は企業訪問した方がいいと考えています。訪問時の雰囲気、オフィスの立地、受付で対応してくれる社員の印象、オフィスの設備面も含めて求職者目線で見たときどう感じるか?を大事にしたいからです。

■調査方法2:採用サービス提供企業も巻き込んだ聞き込み調査

この調査方法は、少し変わっているアプローチかもしれません。直接企業にヒアリングをするだけでなく、採用市場に詳しい各ベンダーを頼って多角的なデータを集めていく手法です。

【例】
・求人広告代理店/直販の人材会社に問合せを行い、社外人事として商談実施。または求人企業(クライアント)の人事担当と同席の上で商談を行う。求人企業の代わりに募集背景や募集要項、求める人物像など情報を伝え、どういった人材が広告媒体で採用できそうか。ダイレクトソーシング、エージェントなら採用実績があるか等、ヒアリングする。

私の担当する求人企業の社長/人事は、「忙しくて商談の時間が割けない」「そもそも採用に詳しくないから問合せの仕方がうまくいかない」「不人気業界で人材会社に相手にされない」といった悩みを抱えているケースが多いです。

上記悩みを解決するためにも、人材営業出身の私が仲介立場になる方が効率的と考えています。
(単刀直入に言うと、相手もエージェント契約や求人広告受注など成果が欲しいため、忖度ない商談を行ってwin-winの関係性を築くのが重要ということ)

■調査方法3:Webサイト/採用サイト/各求人情報のクリエイティブを細かく調査

採用コンテンツの内容調査も、私ならではのこだわりポイントです。最初に求人企業の採用サイト、求人票等を見るときに心掛けているのは、「フラットな求職者の視点で見る」ということ。

求職者目線で見ていくと、おおよそ以下の項目に課題が出てくることが多いです。

【クリエイティブ・コンテンツ課題例】
・応募ボタンがない/書類を事前送付など動線が悪く離脱が起きていそう
・会社概要、事業概要、職務内容が分かりづらく、求職者の印象に残らない。もしくは何の会社か興味が持てずスルーされてしまう
・応募を後押しする情報が曖昧(特に定量的な労働条件。給与や評価、福利厚生が曖昧なケースが未だに多い)
・画像選定が理想的でない(画質が悪い/画像がない/古い素材を使用等)

採用広報、クリエイティブに力を入れる企業も増えてきましたが、よくあるのが「企業が伝えたいことばかり書いてしまう」「かっこいいおしゃれなクリエイティブを作ることに注力しすぎ」という課題感です。

おしゃれなクリエイティブも、もちろん採用ブランディングに寄与しますが、一番大事なのは労働条件や企業説明等のメイン情報が「わかりやすく」伝わるかどうかです。そして、求職者が知りたい情報が網羅されていて、「もっとこの企業について知りたい」と思えるかどうかが重要だと考えます。

■その他調査方法

今回取り上げた3つ以外にも、各求人サービス・求人サイトを見ながら競合求人の動向も確認します。
また、求人サイト内で求職者が使用するキーワードを想定したり、独自の人材業や人事系の情報網(かっこよく書いてますが同業の知人等)に相談して、リアルな情報を集めたりする場合もあります。

まとめ

今回は、私が実施している採用コンサルティングの流れと、求人企業の課題抽出のために行う調査についてご紹介しました。

もし、自社の採用状況を客観的に見直してみたい、人事担当が一人で相談相手が欲しいといったご要望があれば、気軽にご相談ください。

DMまたはメールどちらでも◎

jinji.writer@gmail.com




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さつき/HR-TOBE Consulting
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