金権選挙
とある新人麻雀プロのツイートが、色々と物議を醸しています。
私自身は、この件に関して特段の賛否を表明する立場にありませんが、少なくとも現時点において「何等かのルールに違反している」という事実はないという事は認識しておく必要があります。その上で、これを「何としても最強戦に出場したいというプロ意識を感じる」と評価するか、「カネで最強戦の出場権を買うのは下品だ」と非難するかは、各人の感性次第です。
あとは、今回の1件を受けて竹書房や日本プロ麻雀連盟がどう考えるか次第ではありますが、「悪名は無名に勝る」という諺もありますし、これで少しでも近代麻雀の販売部数が増嵩したのであればビジネスとしては成功と言わざるを得ません。近代麻雀編集部界隈の言動を見るに付け、若干の修正はあったとしても「選挙」そのもののシステムは今後も残りそうな気がします。
その上で、あくまで個人の感想として私が感じた事を書くとすれば、「実に夢のない世界の話だなぁ」という所です。唯でさえ「麻雀一本でメシを喰うのは難しい」と言われる麻雀プロの世界で、自分を売り出す為にここまで自爆営業に勤しまなければならないというのでは、とても「自分の子供に勧められる職業」にはなり得ません。「おれたちにできない事を平然とやってのける」のは認めるとしても、そこにシビれる事もなければあこがれる事もありません。
唯一、原えりかプロを賞賛できる事としては、この「金権選挙」とも言うべき仕掛けを最初に行った事です。仮に、他のプロがこれを真似した所で、単なる二番煎じにしかなり得ませんし、それこそ「下品」とのレッテルを貼られかねません。とは言え、来年以後の麻雀最強戦において原えりかプロ自身が同じ行為をしても、やはり「下品」と非難されるリスクは高まります。あくまでも、今年1回限りの自爆だからこそ賛否両論を巻き起こす事が出来たと考えるべきでしょう。
因みに、リアルな選挙の世界では、金権選挙の弊害を厭という程に知り尽くしているからか、微に入り細に入り公職選挙法で厳しくカネに関する事は規制されています。勿論、実際の選挙と同程度の公平性を麻雀最強戦においても担保すべきだとは考えていませんが、麻雀プロの社会的地位を向上させようという考えが少しでもあるのであれば、実社会の先例にも色々と学ぶ所はあるのではないかなぁという気がします。