木川南小学校の久保敬校長は懲戒処分の対象となるか

麻雀の目無し問題以外では初めてのnoteです。

大阪市立木川南小学校の久保敬校長が、「豊かな学校文化を取り戻し、学び合う学校にするために」なる提言書を松井一郎大阪市長に送付した事が大きな問題となっています。

https://www.asahi.com/articles/ASP5N6HGBP5NPTIL00F.html

提言書の全文は、以下のリンクから読む事ができます。

https://www.asahi.com/articles/ASP5N6KWMP5NPTIL00R.html

https://blog.goo.ne.jp/zaza0924/e/f2f097d1dea1b63ecf048f0e67c679fb

ハッキリ言って、「校長ともあろう者が、よくもこんな不明瞭な文書を実名で公表できたものだ」と呆れ返るしかありません。しかし、真の問題は文章の内容よりも現職の小学校長が実名で首長を非難したという事です。当然ながら、久保敬校長は早速大阪市教育委員会から呼び出しを食らったとの事ですが、騒動がここまで広がってしまっては任命権者である大阪市教育委員会としても久保敬校長の懲戒処分を検討せざるを得ません。

では、どのような根拠法令により久保敬校長を処分するのかという事が問題になりますが、現時点では以下の法令及び条例が対象になりそうです。ソースへのリンクは省略しますので、気になる方はe-Gov法令検索大阪市例規集を調べてみて下さい。

○大阪市職員基本条例(平成24年大阪市条例第71号)第4条第2項
職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚して、公正に職務を執行し、その職務や地位を私的利益のために用いてはならず、また、市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。
○大阪市職員基本条例(平成24年大阪市条例第71号)第28条第1項
任命権者は、別表非違行為の類型欄に掲げる非違行為(職員が法第29条第1項各号のいずれかに該当することとなる行為をいう。以下同じ。)の類型に応じ、同表懲戒処分の種類欄に定める懲戒処分の種類のうちから、職員が行った非違行為の動機及び態様、公務内外に与える影響、当該職員の職責、当該非違行為の前後における当該職員の態度等を総合的に考慮して、1の種類の懲戒処分(懲戒処分の種類が1である場合にあっては、当該種類の懲戒処分)を行うものとする。
○大阪市職員基本条例(平成24年大阪市条例第71号)別表
16の2 教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)第2条第1項に規定する教育公務員が同法第18条第1項の規定によりその例によることとされる国家公務員法(昭和22年法律第120号)第102条第1項の規定に違反する行為を行うこと 停職、減給又は戒告
16の3 前2項に掲げる行為により、市政に対する信用を著しく失墜させ、又は公務の運営に重大な支障を生じさせること 免職又は停職
○国家公務員法(昭和22年法律第120号)第102条第1項
職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。
○昭和24年人事院規則一四―七(政治的行為)
 法及び規則中政治的目的とは、次に掲げるものをいう。政治的目的をもつてなされる行為であつても、第六項に定める政治的行為に含まれない限り、法第百二条第一項の規定に違反するものではない。
(中略)
  政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し又はこれに反対すること。
  国の機関又は公の機関において決定した政策(法令、規則又は条例に包含されたものを含む。)の実施を妨害すること。
 法第百二条第一項の規定する政治的行為とは、次に掲げるものをいう。
(中略)
 十三 政治的目的を有する署名又は無署名の文書、図画、音盤又は形象を発行し、回覧に供し、掲示し若しくは配布し又は多数の人に対して朗読し若しくは聴取させ、あるいはこれらの用に供するために著作し又は編集すること。

今回、久保敬校長が松井一郎市長への提言書を送付するに当たっては、同時にその内容をメディアにも公開し、それが上記の記事となっていますから、これは国家公務員法で禁止されている政治的行為(政治的目的を有する文書の配布)に該当します。大阪市職員基本条例の規定によれば、この時点で停職、減給又は戒告の対象となり得ますが、文部科学大臣まで巻き込んだ騒動に発展し、大阪市における教育行政の運営に重大な支障を発生させた事を鑑みれば、別表16の3の項の規定により懲戒免職処分とする事も可能です。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20210521/GE00038405.shtml

個人的には、こういう首長批判の提言書は任命権者への退職届と同時に提出すべきだと思っていますが、それでは久保敬校長に退職手当がほぼ満額支給されてしまいますから、やはり大阪市教育委員会は厳罰を以て臨むべきでしょう。取り敢えず、懲戒処分の内容が確定するまでの間、直ちに久保敬校長を教育委員会付に異動させ、教育現場から引き剥がすべきです。それが、組織としてのケジメというものです。

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