国立奥多摩美術館館長の他の美術館に行ってきた!(Vol.13)東京国立近代美術館『大竹伸朗展』
国立奥多摩美術館館長の
他の美術館に行ってきた!(Vol.13)
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東京国立近代美術館
『大竹伸朗展』
会期:2022年11月1日~2023年2月5日
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2022年12月14日(水)晴れ。国立近代美術館で開催中の大竹伸朗展に行ってきた。1955年生まれ、1980年代に美術作家としてデビューし、絵画、版画、素描、彫刻、絵本、音、エッセイ、インスタレーション、建造物など様々な表現方法を横断し、圧倒的な作品量を制作し続けている大竹伸朗。そのどの作品からも、なぜ作るのか、なぜ良いのか、みたいな理由や理屈を焼却するほどの熱を感じる。美術の理屈みたいなものを用いて彼や、彼の作品について説明しようとすると、言葉が滑っていく感覚になる。なんだか言葉を重ねて説明している事がバカバカしく感じる。いいものはいい。面白いものは面白い。凄いものは凄い。そんな単純な言葉だけが意味を成すような気がする。どの作品も、直観的に大竹伸朗の心が動いて、それと共に手を動かしてきた結果だと思う。理由や理屈は後からいくらでもついてくる。しかし、それらが追い付かないほどのスピードで心と手を動かす。そんな風に、1人の人間が生きているという時間を、そのまま作品に還元していく事ができる作家だと思う。その圧倒的な作品量には驚く。大竹伸朗の作品を数点じっくり鑑賞するのも、もちろん面白い。しかし今回みたいに、まとめて見る事ができるチャンスには絶対に見ておいた方がいい作家だと思う。こんなふうに生きている人間が同時代に同じ世界にいて、今日も心と手を動かして作品を制作している。そんな事を思うだけでなんだか勝手に嬉しくなってくる。今回の展覧会の中で、1枚の油絵がとても気になった。なぜそれが気になったのか自分でもよくわからないのだが、なんだかずっと頭から離れない。そんな作品に出会えるのはとっても幸せな事だと思う。(佐塚)
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「西の風新聞」掲載