#11 ササの花が咲きました
みなさん、こんにちは!
今年もエゾハルゼミの鳴く季節がやってきました。
札幌大学のキャンパス内でも大学の森の方から聞こえてきますね。
エゾハルゼミは、「エゾ」と付いているものの、北海道だけでなく本州~九州にも分布しています。ただし、本州以南では主に山地に生息しているとのこと。鳴き声も盛夏ににぎやかに鳴くセミたちと比べると爽やかな印象です。
エゾハルゼミの鳴き声は、これから本格的な夏が来ることを教えてくれる存在ではありますが、本州の平地で生まれ育った私にとっては、セミと言えば、暑~い夏休みにうるさく鳴く生き物。そのため、札幌で初めて聞いたこの鳴き声をとても不思議に感じたものです。
セミの鳴き声、みなさんにとっては、どのような思い出がありますか?生まれ育った地域で、かなり異なることでしょう。ちょっと耳を澄ませて聴いてみると、懐かしい記憶を思い出すかもしれませんね。
ササの花が咲きました
今年、大学の森でササの花が咲いています。
ササの花って、どんな花でしょう。
こんな花です。
ササはイネ科に属しています。花びらもなく地味な花ですが、イネと同じく、穂のような形をしていますね。
ササの花は、めったに咲かないことでよく知られています。
各種情報によると、開花は数十年に1度とか、60年に1度とか、さらには120年ぶりに開花したとされているものも。そして、1度咲いたら、その個体は枯れます。花は1本咲くというよりは面的に咲きますが、その規模は小面積から大面積までさまざま。昨年、道内でササが広範囲に一斉に開花し、その規模の大きさと珍しさからニュースになっていました。ただし、開花のメカニズムなどについては、まだわかっていないことも多いようです。
そんな花が大学の森内で咲いたのですから、紹介せずにはいられません!
今回開花を確認したのは、サッカー場から第二球技場へ抜ける歩道の左手側の一角です。現状、大学の森の林床はかなりの部分がササに覆われているので、開花エリアはほんの一部となります。
一般的に、森林の林床がササに覆われていると、木の芽生えや草花が育ちづらくなるので、林床の植生が単調になります。逆に、ササが一面に開花して枯れると、色々な木や草花が育つチャンスになります。ササ以外の植物を守ったり増やしたりするために、積極的にササ刈りをすることもあります。
さて、大学の森については、学生による植生調査により1983年から1985年にかけてササが衰退したことや、植生も現在とはだいぶ違っていたという記録があります。今から40年程前のことです。今回ササが開花した範囲で、ササは面的に枯れていくのでしょうか。また、その後、別の植生に変化していくのでしょうか。今後の推移がとても楽しみです。
終わりに ~大学の森プロジェクト始まりました~
今年度から、大学の森の利活用を進めるため、学生ボランティアの活動が始まっています。大学の森で活動してみたいと集まった約10人の学生は、専攻も学年もさまざまですが、それぞれ意欲をもって取り組んでいます。
活動は、ゴミ拾いから始まり、歩道近くでのスズメバチの巣作り抑制対策のほか、北海道庁や森林関係企業の方々との森歩きなどを行ってきました。現在は、6月15日(土)に玄天祭(大学祭)と同時開催されるまちづくりフェスタにて、大学の森やキャンパス内で集めた枝やまつぼっくりなど、自然素材を使ったネイチャークラフト体験を行う準備を進めています。
こちらのコラムでも、キャンパス内の季節の便りを兼ねて、時々様子を紹介していきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
また、学生ボランティアは随時募集しています。参加してみたい学生は学内ポスターなどを見てご連絡ください。
※「大学の森」は自然林です。散策の際には次の点に注意しましょう。
マダニ、ハチ、ウルシ等の動植物に注意してください。マダニに咬まれないよう、長袖・長ズボン、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用するなど、肌の露出を少なくしましょう。
頭上からの落枝に気を付けてください。風の強い日は特に注意しましょう。
安全と植生保護のため、散策路以外の場所にむやみに立ち入らないようにしましょう。
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「うろうろてくてく、サツダイしぜん散歩」は、札幌大学のWEB版広報誌「リンデン通信」のマガジンの一つで、2カ月に一回の頻度で更新します。
キャンパス内で撮影した季節の写真とともに、私たちの周りにある身近な自然をご紹介しています。