人間どもは立ち入り禁止!|たちかわ妖怪盆踊り2024
秋、気温もちょうどよい10月の3連休。妖怪盆踊りという名称に惹かれて気になっていたイベントに行ってきました。まさに日本のハロウィンといった感じでユーモアあふれるフェスだったのでレポート。
「たちかわ妖怪盆踊り」は、その名の通りお客さんが「妖怪」になって楽しむ盆踊りフェスティバルで、立川駅から歩いて10分くらいのGREEN SPRINGSという屋外のフィールドや美術館、飲食店、雑貨屋さんなどが連なる複合商業施設で開かれました。GREEN SPRINGSはCRAFT ROCK FESTIVALや、FRUEのスピンオフイベントFRUEZINHOも開催されていたりするたちかわステージガーデンにつながる施設で、アクセスもとても良いし、屋外屋内どちらも居心地良くて、わたしも何度かきたことがある場所。会場周辺には飲食店もたくさんあるので、フェスの途中で抜けてごはんを食べたりショッピングを楽しんだりなんかもできて、休日はファミリーもたくさん集まる場所です。
「たちかわ妖怪盆踊り」2022年の初年度から今年で3回目の開催。毎年この会場に妖怪たちが集まっている。会場周辺はもちろんだけど、駅からも浴衣を着ていたり妖怪になったお客さんが歩いていたりするので、10月中ばという季節柄的にもまさに「日本のハロウィン」といった感じでした。
会場の中央にはやぐらが組まれていて、「やぐらステージ」とよばれるステージは、昼はジャズとかセッションがあって、夜はアーティストによるライブが行われてました。屋根の装飾が不気味で最高だった。ステージのほかにも、キッチンカーや屋台が出ていて、ごはんやビールも楽しめるし、射的とか輪投げとかそういった遊びブースもある。時間によっては道端で大道芸やお囃子が始まったり、審査員がエントリーしてきた妖怪たちを好評する妖怪コンテストといった、このイベントならではのコンテンツがあったりする。本当に妖怪だらけだった。もちろん、妖怪にならなくても参加はできるのだけど、せっかくなら妖怪になったほうが断然楽しいのでお勧めします。わたしも普通の格好で行ったんですが、周りの雰囲気に囲まれてすっかり妖怪になりたい気持ちになってしまい、割と序盤ですぐに妖怪に化けました。
わたしは3連休の真ん中の日曜日に行ったということもあって、休日を立川で楽しむ普通のファミリーも迷い込んだりしていたかんじでとても賑わっていました。
裏コンテンツ立川よいと祭り
そして裏コンテンツというか、この日曜日には、立川よいと祭りという、なんと平成元年から始まって今年で36回目の開催という立川の大きなお祭りも、すぐ隣で開かれていて、こちらでもたくさんの屋台が出ていて、誰でも楽しめるイベントなので、お客さんもみんな行ったり来たりしているようでした。しかもこの立川よいと祭りもなかなかのイベントで、お神輿や鼓笛隊、ヨサコイにサンバといったパレードがどんどん展開されるお祭りで、一方は妖怪だし、もう一方はサンバだったり神輿だったりで、この日の立川はかなりカオスな空間になっていたのが最高でした。もし来年も被る日程があったら、被る日に行くのをお勧めします!!!!笑
目白押しの妖怪コンテンツ
会場に一歩入ればそこは妖怪と人間が混ざり合う不思議な空間。渋谷周辺でのハロウィンのコスプレは近年もう恒例になってきたけどこの妖怪盆踊りもかなりすごかった。お洋服もお化粧もめちゃくちゃ気合いの入った妖怪だらけ・・・!あちらこちらで妖怪が立ち話していたり、踊っていたり、カッパを見つけたり花子さんを見つけたり、一瞬にして日本昔物語のような世界にポンと入ってしまったような気持ちになります。大道芸や見せ物ブースでは妖怪がポールダンスや手品をしていたりして、子どもたちも大喜び。不思議と小さい子どもたちも泣き出すこともなくみんな面白愉快に妖怪にくっついて行ったり遊んでいたりしていたのが、めちゃくちゃいい雰囲気でした。
さらに妖怪フードまでありました。もちろん普通のフードもあるけど、一反もめんまぜそばと、河童の唐揚げというフードを出しているお店があって、もうこれは食べるしかなかった。河童の唐揚げはいわゆる鶏の唐揚げだったので、一反もめんのまぜそばを注文。平たくて太い麺に大きなエビやチリがかかっておいしかった!普通にまぜそばだけどこのネーミングにしてこの麺を使ったのはアイデアだと思いました。こういう遊び心のあるフードがもっとあってもよかったなあ。
夜には妖怪の「百鬼夜行」も!鈴を鳴らしながら、妖怪たちが会場を練り歩きます。時々普通の格好のお客さんも混じって歩いたりしてて、それもまた愉快。妖怪のことなんて全然知らないけれど、実は妖怪もこの世に存在していて、気付かないうちに人間も妖怪も一緒に生きているんじゃないか、って思いました。夜、タイミングが決まっているので時間になったら百鬼夜行に出逢いに行くとよいです。
人間立ち入り禁止ステージ
ステージ以外のコンテンツやブースでも十分楽しめるんだけど、やっぱり名物のやぐらステージも欠かせない。昼間は音楽に合わせて妖怪たちが盆踊りを楽しみます。演奏の人たちもノリが最高で、妖怪たちをうまくのせながら踊らせる話術もリズムもすごく楽しい。ぐるぐるぐるぐる妖怪が回る様子はまるで人類の坩堝って感じです。
やぐらステージだけは有料エリア(チケットは当日券で4,000円。早割で買ってしまえば2,500円のタイミングもある!)なので、リストバンドをゲットして入るのだけど、チケットのほかにやぐらステージに入るのには条件があります。それが「ドレスコード」!!!
やぐらステージのドレスコードは以下のドレスコードどれか1つをクリアすればOK。
その1. 妖怪になる
その2. 浴衣を着る
その3. 「たちかわ妖怪盆踊り」公式グッズを身につける
会場内には着替え場所もあるので、会場に来てから妖怪になったり浴衣に着替えたりもできます。一番シンプルで楽なのはその3の公式グッズですね。公式グッズはTシャツとか手ぬぐいがありました。お一人様1点以上で、過去の公式グッズでもOKだそう。また、会場には古着の浴衣が売ってたりするので、1枚買って羽織っている人もいました。わたしはせっかくですから迷わず妖怪になるを選択しました。
これまでガチな妖怪をたくさん紹介してきたので心配になりますが「妖怪になる」の定義はどこまでかというと、
ガッツリ全身妖怪になるもよし、お面をかぶるもよし。ワンポイントでもOK。あなたの思う「妖怪」になってください。
という懐の深い設定です。さらに手ぶらで来ても会場で妖怪になれるのがポイント!!!会場内に、フェイスペイント屋さんや妖怪メイク屋さんのブースがあって、妖怪に変身させてくれるんです。わたしは妖怪メイク屋さんで狐メイクをしてもらいました。フルメイクで2,500円、目元や口元の部分メイクは1,500円、ワンポイントで1,000円という感じで妖怪体験にはちょうどよい料金設定。目元メイクでも割とガッツリしてもらえて、めちゃくちゃ気分が上がりました。普段ハロウィンでもなかなかこういったことはしないけど、ステージに入る条件だし、周りは妖怪ばっかりだし、ちょっとハメを外して妖怪メイクだってしたくなります。このフェスに参加するなら、せっかくなら妖怪になってほしいです。帰りの電車の前にメイク落としで落としてしまえば何事もなかったように人間に戻れるんですから!!
ちなみにこんな妖怪お面もたくさん売っていて、小さいデザインのものだと1,000円くらいのものもあります。これをさっと頭に乗せたり顔に被せたり、それでもOK!(男性はこっちがおおかったかも)
晴れて妖怪として認められれば、やぐらステージに入ることができます。わたしの行った日はxiangyuと、U-zhaaan×環ROY×鎮座DOPENESSの2組のステージがあって、妖怪たちが同じステージを見てわいわい盛り上がっているのは奇妙だけどめちゃくちゃいい体験でした。
妖怪だらけの活気
都内近場で秋になにか面白いイベントない?と言われたら、妖怪盆踊りはすごくおすすめです。音楽だけじゃない楽しめる要素がたくさんあるし、無料エリアもたくさんあって、フラっと遊びに来ても十分楽しいです。友人と来てもいいし、お子さんを連れて家族で来ても楽しい。立川というアクセスの良さ、会場周辺まで楽しい立地の良さもポイント。フェスの規模感も広すぎず狭すぎずちょうどいいし、いろんなブースがあるのでみているだけで楽しいし、地域のお祭りだったり、学園祭みたいな感じがあって、ちょっとしたノスタルジーも感じながら楽しめるのは、イベントとしてもなかなかユニークだと思う。あと海外の人にもおすすめだなと思います。
妖怪だらけの空間は、めちゃくちゃ活気があって、みんなふざけてるし浮かれているけど、全然騒ぎまくってる感じじゃなくて、むしろ空間としての一体感というか、「妖怪の街」みたいなコンセプトのシーンの中にみんなで参加している感じで、すごくユニークな体験でした。それを理解してお客さんやスタッフの皆さんも参加しているから、フェスに広がる手作り感も人のぬくもりも全部バランスが取れてます。冒頭で「日本のハロウィン」って言ったけど、渋谷周辺の事件にもなるようなモラルもルールもないどんちゃん騒ぎと違って、妖怪のみなさんはとてもお行儀が良い!妖怪としての振る舞いやルールやマナー、そういったものが滲み出てる。そのマナーの中で、自由がある。本当にいろんな妖怪がいました。よくわからない妖怪もいました。でもそれでいいしそれがいい。どんな格好でも、どんな妖怪でも、みんな個性があってすばらしくて、それぞれをリスペクトして存在しあっている感じが本当に感慨深い感じでした。
また、妖怪の世界に迷い込みたいなあ。
おしまい
たちかわ妖怪盆踊り2024 概要
開催日時:2024年10月12日(土)/13日(日)/14日(月・祝)
会場:GREEN SPRINGS 2F 中央広場(東京都立川市)
料金:当日券:4,000円/各日
出演:
12日(土)柳家睦とラットボーンズ/ELECTRONICOS FANTASTICOS! /モノガタリ宇宙の会+辺高正+にゃんとこ/イマジン盆踊り部/こでらんに~と中西レモン/モノノケダンスクラブ/和太鼓師 広純-HIROZUMI/コクーンexs
13日(日)U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS/切腹ピストルズ/xiangyu/モノガタリ宇宙の会+辺高正+にゃんとこ/イマジン盆踊り部/こでらんに~と中西レモン/モノノケダンスクラブ
14日(月・祝)石野卓球/ZOMBIE-CHANG/モノガタリ宇宙の会+辺高正+にゃんとこ/民謡ユニットこでらんに~/モノノケダンスクラブ/珍盤亭娯楽師匠&火縄銃ボーイズ/Sunbeone/siva-T/文鼎-buntei-
主催:たちかわ妖怪盆踊り実行委員会
協賛:株式会社立飛ホールディングス、株式会社立飛ストラテジーラボ、株式会社河内屋ジェノス、サントリー株式会社、キリンビール株式会社、サントリーフーズ株式会社、アサヒビール株式会社、有限会社たるたるジャパン
運営:株式会社夏祭り
後援:立川市、立川商工会議所、J-WAVE
公式サイト:https://www.yokaibonodori.tokyo/
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