タイの伝統医術ヤム・カーン(炎のセラピー)とヤム・ヤー(グリルベッド)
タイでは民間の伝統医術師のことを「モー・ムアン」と言います。
仏教が入る前の精霊信仰と結びついていたり、呪術的な儀礼や祈りに合わせて、ハーバルボールやトークセン(木槌のマッサージの体験記事はこちら)といった施術もまざりあう。
これらの医術は、祖先から子孫へと口伝で伝えられ、なかなかテキスト化されていない場合がおおいのです。そんな貴重な伝統医術を体験してきました。
薬草温熱ベッド(通称グリルベッド)ヤムヤー
ヤムヤーは、伝統的なタイのハーブスチームセラピー。竹のベッドの上に、いろんな薬草を置き、下に炭火をおいて、燻し蒸しにするという。もうね、燻された薬草の匂いに包まれ、まじでBBQされてる気分になるのですよ。通称「グリルベッド」。うん、納得。
薬草は熱い蒸気とともに経皮から血流に浸透し、全身を包みます。使用する薬草は、地域や目的によっても異なりますが、抗菌、抗炎症、解毒作用のある薬用植物が使われます。痛みの緩和、ストレスの軽減、血行促進、免疫強化などの効果が知られています。
主に産後ケアに使われる療法ですが、生理痛や生理不順、感染症など、女性特有の問題を緩和するためにも使われています。最近では男性もリラックスしたい時や、仕事の疲れをとりたい時に受けるようです。
薬草ベッドの準備をしてると、いつもの猫ちゃんが遊びにくる。好奇心旺盛でとりあえず齧ったり、薬草ベッドに寝転がってみたり。先生に叩き出されてるところがまたかわいい^^
誰も止めてくれなくて、なんかみんな3時間くらい寝てました。じっくり炭火で薬草グリル!これめっちゃいい。さっそくこれ、日本に帰ったら竹のベッドつくろう〜〜!!
竹のベッドに薬草を敷き詰める。
炎の伝統医術ヤムカン
ヤムカンは、タイ北部のランナー地方で何世代にもわたって行われてきた薬草療法。炎に包まれた足で、オイルマッサージするというパフォーマンス性もたっぷりで、スパやリゾートでも受けられたりするようです。
人民服に似た衣装に、龍の杖。
え、魔術師がきたよ。
と思いました。
まず、龍の杖で祈りを捧げるところからスタート。
伝統医術「モー・ムアン」が民間信仰と結びついてるところが垣間見れる瞬間でした。
木製の杖でバランスを取りながら、片足をハーブ入りのオイルに浸します。症状によって、使用するハーブは異なります。今回使ったのは、タイ生姜のプライとエゴマの2種類だそう。
炎に包まれた足ファイヤーー!!ってされた瞬間、じゅわーーっ!て言って、一瞬だけどまるで火炙りの術。電気マッサージ器に似た感じかもしれません。
じゅわーっと全身炎のマッサージした後は、ハーブボールを瓦で焼き、それでまたマッサージされる。最後はトクセンで仕上げ。3つの施術が組み合わせられているのでした。
それにしても、ユーファイにしても、ヤム・カーンにしても、ヤン・ヤーにしても、北タイには炎の医術が多いんです。常夏の国だと思っていたけど、やはり温めることが大事なんですね。
(タイ人にきくと、いや、タイも冬は寒いんだから!と言われます。「寒い」の基準が違うようですが・・^^;)
日本でもやっぱり夏冷えしますが、夏の冷えを甘くみてはいけないな、というのが、冬のタイに来て教訓になりました。