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お庭の野草で烏龍茶を作るポイント:発酵と焙煎の味わい

奈良県天理にある古墳にて「食べられる庭」プロジェクトを開催しています。

古墳というとお墓のイメージですが、実は、コンビニの数よりもたくさんある身近な存在で、特に奈良では、古墳がみかんや柿の畑、学校の敷地として利用されてきた歴史と文化があります。私たちのプロジェクトで取り扱っている古墳も、数十年前から畑として使用されてきましたが、現在は耕作放棄地となり獣害の温床となってしまいました。

このプロジェクトは、「この場所をなんとか守っていきたい」という地元の方々から託された思いを尊重し、獣害が蔓延し荒れ果てた土地を再生し、再び畑として活用することを目的としています。

柿畑として地域に溶け込んできた昭和初期の古墳の姿



墳丘にはいろんな植物が生えています。
フキやアカメガシワ、お茶、ヨモギ、カキドオシ、ドクダミ、たんぽぽ、野いちご。

そして、ガーデン部のゆうき部長がせっせといろんな野草を移植してくれています。部長一押しの植物が「アカメガシワ」。キノコのような味がするとか、タラノメみたいな味がすると言われるので、気になっていて、お茶にしてみました。

そのまま釜炒りにしたもの。揉んで、2時間発酵させてから釜炒りにしたもの。それぞれ、ガーデンメンバーでテイスティング。発酵したものの方がお茶に近づき、「ふつうにお茶として出てきたら、野草には思えない」との感想でした。

ついでに、古墳に自生している野生茶、ヨモギ、ドクダミも手揉みして発酵させ、野草烏龍茶を作ってみました。

お茶って、発酵や焙煎で味が変わるものなんですよ。野草で、「発酵」と「焙煎」にこだわる人はあまりいないようですが、奥が深いものです。

野草の烏龍茶作り


烏龍茶の作り方

烏龍茶がどのように作られているか、ご存じですか?台湾や福建省でお馴染みのウーロン茶ですが、製造過程を見たことがある人は少ないかもしれません。

烏龍茶は緑茶と同じ茶葉から作られますが、特に以下の特徴があります:

①発酵

お茶の発酵は、微生物を介するのではなく、ポリフェノールオキシダーゼという酵素が酸化する過程です。これにより、花の香りからフルーツの香り、そしてドライフルーツの香りへと変化します。この過程で、お茶に独特の香りと風味が生まれます。

②包揉(バオロウ)と呼ばれる揉捻

包揉とは、文字通り茶葉を布で包んで揉む作業です。布でぐるぐる巻きにして「ねじり器」にかけます。この作業により、茶葉がしっかりと揉まれ、風味が凝縮されます。

③焙煎

最後に焙煎の工程があります。焙煎によって茶葉の水分が飛び、香ばしい香りが加わります。焙煎の強さや時間によって、お茶の風味が大きく変わります。軽く焙煎すると爽やかな風味、強く焙煎すると深いコクと香ばしさが際立ちます。

その他、蒸してから突き固めて発酵させるプロセスを後発酵茶「黒茶」もあります。碁石茶、阿波番茶、プーアル茶などがこのカテゴリー。漬物のような香りと酸味が出るのが特徴です。野草で黒茶も作ってみたいですね!

野草を使ったお茶作りの注意点

同様の方法で野草を発酵させ、野草烏龍茶や野草プーアル茶を作ってみるのも楽しいでしょう。ただし、いくつかの注意点があります:

野草の選定
食用可能な野草を選ぶことが重要です。毒性のある植物を誤って使用すると危険です。例えば、ヨモギ、ドクダミ、カキドオシなどは一般的に安全ですが、毒性がないかを確認してください。

野草の洗浄
採取した野草は、土や虫などがついているので、しっかりと洗浄しましょう。

発酵の管理
発酵は、環境条件(温度、湿度)に大きく影響されます。適切な環境で発酵させることで、風味が良くなります。発酵時間が長すぎると味が変わりすぎることがあるので注意が必要です。

焙煎のコントロール
焙煎の強さや時間をコントロールすることで、お茶の風味を調整できます。最初は軽く焙煎し、好みの味に近づけるために徐々に調整してみてください。

試飲と調整
作ったお茶は必ず試飲して、風味や香りを確認しましょう。自分好みの味に調整するために、発酵時間や焙煎方法を微調整してみてください。

参加のご案内

ガーデン作りや古民家再生、DIYに興味がある方で関西にお住まいの方は、「ガーデン部」への入部も大歓迎です。近隣の方はぜひご参加ください!
(すみませんが、いまのところメンバーは、日帰りで通える関西の方限定させてもらっています)

詳細は、@cofunia.nara までDMにて、①お名前 ②お住まいの市町村 ③参加理由をお知らせください。
https://www.instagram.com/cofunia.nara/


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