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“旅を終えてもそこからまた人生が始まる”

うちは岐阜県大垣市にあるご書印書店だ。しかし、ここ2ヶ月ほどまともに店を開けていない。

叔母の遺した家で昔からの憧れだった本屋を始めたのはいいけれど、思った以上にボロボロで、特に屋根が酷い。雨漏りもする。叔母が亡くなってからしばらく放置していたものだから、その間によけい傷みが激しくなってしまって、以前は大丈夫だったところも手を入れないとどうしようもなくなってきた。

そこへもってきて、思いがけない自分の入院である。エアコンもないのでこの8月は2回ほどしか開けず、9月は少し涼しくなったので「さあ、頑張るぞ」と思っていたところでのカウンターパンチだった。

休みの間、ご書印の件でお客さんから2回ほど電話をもらった。しかもけっこう遠方の方だったので、まことに申し訳なく、トホホであった。
だが先日、ようやく対応できてちょっとほっとしている。

ところでご書印書店には1カ月に1回ぐらい、事務局のスーツ小川からメールが来る。連絡事項が主なのだが、たまにご書印関連の記事などの紹介もある。

先日届いたメールには朝日新聞の「ひととき」欄に掲載された方の投書が載っていた。ご主人に先立たれた女性が利尻島を旅し、そこで見つけた書店でご書印帖と出会う。大好きな本が導く縁に心惹かれて、女性は全国47都道府県を巡るご書印の旅に出ることにした。ご書印帖は50店舗を巡ると巡了となる。彼女は沖縄の書店で巡了を迎え、同時に1冊の本を読み終えた。その時に受け取ったメッセージが「旅を終えても、そこからまた人生が始まる」だったという。

なんて素敵な言葉だろう。

私もまたこの言葉を胸に歩いて行こう。

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