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「稚拙で猥雑な戦争劇場」9(完)

場面9/日本・ルバム首脳会談の会場

    ここまで読んでいただきありがとうございました。
    最後のみ有料となりますが
   (ここまで読んでいただけたFeeと思い)
    ぜひラストまで読んでください。 



    神田川・百合子とフセイン・フーセン

フセイン「総理、あなたはアメリカのような強い国を作りたい。そのために
     集団的自衛権を決議させ、国際協力隊を作ったんですよね」
神田川 「違います。日本がアメリカの属国から脱却するために集団的自衛
     権を実現させ、国際協力隊を創設したのです。日本は自国を守る
     ためだけではなく、アメリカと肩を並べて他国のために戦わなく
     てはならない。それができてではじめて日本に駐留する米軍基地
     を撤廃することができるんです。安全保障条約の呪縛から解放さ
     れるんです」
フセイン「そのために日本は戦争をするのですか。アメリカと肩を並べる為
     に他国の人々を殺し、子どもたちを殺し、日本の兵士一人ひとり
     の心に傷を負わせるおつもりですか」
神田川 「私は間違っていました。私は憲法第9条を曲解していたのかもし
     れません。私は驕っていました。私の意見で国を変えたいと、そ
     うすれば日本は良くなると信じていたからです。集団的自衛権の
     是非はこの国を大きく変えることになるでしょう。私はここに集
     団的自衛権の決議の白紙化と国際協力隊の解散案を国会に提出す
     る所存です」
フセイン「神田川総理の意見の撤回に尊敬の意を表します。私は日本に倣
     い、ルバム国の憲法に『戦争の放棄』を追加しようと考えていま
     す。また近隣諸国に存在するテロリスト集団に対しても、解散を
     勧めていく所存です。これにより我が国への攻撃は許されない行
     為となります」

    神田川、フセイン、握手する。
    記者たち、シャッターを切る。(SEシャッター音)
    中央サスライト。

百合子 「こうして本日、日本とルバムは平和条約を締結することになりま
     した。しかしその影には、民間のが尽力がありました。ご紹介い
     たします。カーショップヤマダの営業主任、織部オサムさんで
     す」

    会場から戸惑いながら登場する織部。

百合子 「織部さん、一言だけお願いいたします」
織部  「えー。ただいまご紹介に預かりました、カーショップヤマダの営
     業主任の織部でございます。えー、すいません。なんだっけな」
百合子 「織部さん・・・織部さん・・・」
織部  「ハイ。えー」
百合子 「何でもいいですから・・・」
織部  「ハイ!自動車のご用命はぜひ、カーショップヤマダへお願いしま
     す。3456¦7890、フリーダイヤル、ヤマダへゴーゴーへ
     お気軽にお電話くださーい」

                              おわり

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アラブ諸国の人が見るニュースと我々が見るニュースは全く違う。報道はいつも思想、政治、仮想敵国によって操作される。米国がジャイアンよろしく某…

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