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人生初マラソン 伊豆大島マラソン完走記

生まれて初めてフルマラソンを走ってきた。伊豆大島を一周する大会で、800mの獲得標高がある難コースだ。前月に100kmのトレランを完走した自信を打ちのめされて最高だったので、そのレポートです。


エントリー 〜 前日


11月16日(伊豆大島マラソンの3週間前)に球磨川リバイバルトレイルで100kmを走ってきた。詳しくはこちら↓

熊本の山で己の力の全てを出し切り、なんなら限界を超えて出してきたので、大会後に体調を崩した。
左足首の炎症もあったので、2週間ほど走らなかった。
大会前1週間で7kmのジョグを2回して、あしラボで走りを見てもらった。準備としてはそのぐらいで、いつものジョグシューズ(GT-2000)でいつもの服装で行くことにした。

戦うことへの渇望みたいなものも満たされてしまったので、伊豆大島マラソンは楽しく走れれば良いかな〜🎶くらいのテンションだった。そう、要するに舐めていたのである。

まあ100km完走したし?42km舗装路とか短いし行けるっしょ?という甘えた気持ちを、伊豆大島の大自然がコテンパンに潰して来ることになる。だいたい舗装路を20km以上走り続けたことがないのに、なんでこんな強気だったんだ…?

本番

写真では伝わらないけど爆風

スタート前
あんまりモチベーションが上がらないまま朝にいなり寿司4個を食べてストレッチして、ぬるっとスタートした。体調はまずまず良いけど、足は重いかな〜という感じ。海からの爆風が吹いていて、寒かった。
今回は大学の同期で良く一緒に走ったり漕いだり登ったりするちえちゃんと一緒にエントリー。ちえちゃんは序盤で去っていき、そしてゴールまで会うことは無かった。強い。

この後40km走る

0〜10km
淡々と走る。スマートウォッチを持っていないので、心拍数を低く保つ意識で走ってるとどんどん抜かされる。後半潰れない為にもマイペースを意識する。

序盤の登り後の緩い下り

10〜20km
あれ???トレイルが始まらないぞ!?と思う。トレランの大会にしか出たことがなかったため、このあたりでようやく「舗装路を42km走り続ける」ことの長さを感じる。
6kmで360m↑程の長い上りが12km〜18kmではじまり、淡々と登り続ける。足を止めないことだけ意識する。

20km〜30km
もう足が重い。18km~22kmの4㎞のアップダウンでじわじわと足が削られた。22㎞からは5㎞程の長い下り。きれいに足を回し続けることを考えてペースを上げる。この区間で10人以上は抜いたと思う。
下りのスピードを足の筋肉で止めようとするとかえって足に来てしまうので、心拍数と相談しながら足を回し続けたほうが速いし楽だと思う。上り下りの走り方に関してはトレランでの経験が役に立った。

30km~40km
28㎞のエイドでおにぎりを1ついただく。消費カロリーに対して食欲が全くわかない。コロッケも食べる気になれなかった。
島の南西部に差し掛かり、向かい風の爆風が襲い掛かる。西からの強風が吹き付け、足を動かしても体が進まない。
粘る。目の前の一歩に集中する。もう後10kmも無いと自分を励ます。

すごい絶景だった。次はゆっくり見たい。

バウムクーヘンでおなじみ、地層大断面があった。本当に素晴らしい景色だったが、絶え間なく吹き付ける海風とひたすらに続くアップダウンに完全にやられ足は無くなっていた。
足は無くなったものの、周りのランナーはもっと無くなっているので、淡々と抜いていく。カロリー不足から少し手に痺れを感じた。
心拍数がやけに上がる感じがあったのもおそらくカロリー不足によるものだっただろう。トレランではずっと固形物を消化し続けられるのに、マラソンでは難しかった。次回はジェルを準備して臨みたい。

残り35kmからも登りが続き、全然進まない。
もう嫌だなあ。と思う。もうなんか、走りたくないなあ。と思う。

ゴールして早く解放されたい、足を止めたいという思いが頭を支配する。普段レース中にネガティブな気持ちにならないので、驚いた。カロリー不足、準備不足、レースへのモチベーションの不在などの要因で前向きに走ることが出来なくなってしまった。
そんな時心の支えになったのは、焼き肉だった。その日の夕食で予約していた焼肉を、曇りのない気持ちで美味しく食べたい。その一念で進み続けた。

40km~ゴール
ラスト3㎞のエイドから最後の登りを走って、いよいよ元町港エリアに入ってくる。ゲストランナーの方とすれ違って、後1.35km!と励まされる。この時は1.35kmが無限に長く感じられた。ラスト1kmの下りで、最後の力を引っ張り出してゴール。4時間26分(115位/298人)

ゴール直後


ゴール後は達成感や喜びとかではなく、「ひ、ひどい目にあってしまった…」と呆然とした気持ちだった。アラ汁をいただき、写真を撮り、完走メダルをもらい、ちえちゃんと互いの完走を称えあい、荷物を回収して宿に戻り、着替えて温泉に浸かってようやく、「あ~~良かった。」という気持ちになれた。

翌日


筋肉痛で足がバキバキだった。球磨川100kmの時はあまり筋肉痛は無かったため、やはり使う筋肉が違うんだなと再認識。

ゆっくりヒルクライムをし、爆風の中三原山に登頂した。三原山は遷移の途中の植生で、とても面白かった。裏砂漠では荒涼とした景色が良かった。


海を見ながらのダウンヒルをし、ロードバイクは足に優しくて最高だと噛みしめながら港に降りる。

気持ちよすぎた


くさや、天日塩、島のりなどをお土産に買って、14時半発のフェリー・さるびあ号に乗り込む。

懲りずにまた来てね〜!と言われた

島の皆さんに「マラソン完走!疲れたでしょう」とねぎらわれて嬉しかった。フェリーのお見送りもすごくよくて、じんと来た。ラスト10㎞であんなにきつかったこともすっかり忘れて、また走りたいと思ってしまった。


食べ物

伊豆大島は食べ物が豊かで、魅力的なお店が多かった。この記事を読んで伊豆大島に行く人がいれば参考にしてほしいので、行った店を載せておく。

南島館
丁寧に作られた島の料理が本当に美味しかった。提供はゆっくりなので、ゆっくりした気持ちで待つと良い。

とこぶし煮
あしたば天
べっこう丼

焼肉 竹馬
脳髄に直撃するほど旨かった。マラソンで腹ペコだったから客観性を失った状態だった気もするが、冷静に考えてもすごく良い焼肉だったように思う。
高校生の時ぐらいコメと肉をむさぼって、最高に回復できた。


ラーメン 元樹
島豚骨ラーメンが非常に旨かった。ガチッとした豚骨のうまみと絶妙な塩分に、島のりを溶かすと風味が豊かになって絶品。爆風の中の登山とダウンヒルで冷えた体に染み渡るおいしさだった。

大島牛乳アイス・牛乳
大島で40頭の牛を飼って酪農をしているそう。すごい。
牛乳の風味がしっかりありつつサラッとしていて、疲れた体が喜んだ。

いざなみ
岡田と元町の間にある小さな寿司屋さん。ここのべっこうずしが島No.1とのうわさを聞いて購入し、フェリーで海風に吹かれながら食べた。
魚(おそらくカンパチ)の脱水加減、たまり醤油っぽい風味、青唐辛子の辛みが抜群に調和していて、すごかった。夢中で食べてしまった


フェリーで見る夕暮れ

マラソンについて

人生初マラソンを無事完走した。やっぱりトレランの方が好きだなと思った。けど、年に一回、自分の走る力を確認するくらいでまたマラソンを走りたい。
普段はトレランを楽しみ、トレランのためにロードランをして、たまにマラソンのためにロードランの比重を増やすぐらいでちょうど良い。同じ「ランニング」の大会でも、いろいろなディテールの違いがあることはやってみないと分からないから、そういう意味でも出場して良かった。

読んでくれてありがとうございました。伊豆大島マラソンはハードだけど面白い大会なので、ぜひ! 伊豆大島最高!


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