高1クライシス、更年期クライシス 2 譲葉
今日の樹は譲葉(ゆずりは)。常緑で丈夫、成長がおそく、日陰や大気汚染にもつよいらしい。現に、実家の庭にも大昔から自生で生えてきた。母によると鳥が運んだのではとのこと。大きく福福と育っている。
息子、今日は行くと踏んでたが、朝になってまだ下痢があるし行かないと言い出した。退学かもしれないよ、といったが、大丈夫だと言って結局休んだ。昨晩は部屋で机を移動したりして、いよいよ勉強する気になったのかと固唾をのんで期待していたが、やっぱりだめか。力が抜けたが、もう、私にできることは限られている。彼の人生、彼が決めるしかないだろう。
彼の福々しい耳が譲葉に似ている。今は完全に煩い一点張りで心の内を、どころか、予定すら語らないが、いつかゆっくり福々しく構えて笑ったりできる日がまたくる、かも、しれない。元々面白い視点の独創的な子だ。今でもそうだろうが、現在は優等生校でのノルマからのコースアウトが軌道修正できなさそうだ。友達には事欠かないが、進級にむけた助けを求めることもしないし、やりたくないことをやらないと学校が退学になるってことが、どのくらい現実性をもっているのかはわからない。
一方、私。朝おきると今日も何から手を付けてよいのかという不安感がやってくる。なんとか起き上がり、会社に向かうも、いろんな劣等感や、自責の念が時々うかんでは、振り払おうとしている。息子にどうしても重ねてしまうが、そんなことしたって別の人生だ。言い訳じみているし、サトさんは自分にもう少し気を向けた方がよいだろう。周りの人のことがキラキラと見えてしまう。意味ないとはわかっていても、時々そんな気になったり、行き詰まったり。冴えないね。
譲葉みたいにゆったりとどっしりと、大気汚染にも自責の念にもまけず、中心を赤くしてしっかりと肝を据えたいな、と思いました。