気持ち

人の気持ちなんて頼りないもの。
どうしてあなたには「裏切りません」なんて誓えるんだろうか。
どうせ頼りないもののはずなのに、その時だけは固い、永遠の意思のような形でもって相手に押し付ける。鬱陶しいだろうに。ぜんぶ自分のためなんだろう。結局「自分のため」からは逃れられない。
そのことに目を瞑って生きている。今日も「好きだ」と嘯く。頼りない気持ちを頼りにして。
それでもだって、だってそれでも、その時は真実だったんだから。おれは真実、心から思ってたんだから。
誰にも分からなければ、誰にも恥じることはない。そのことを隠れ蓑にしている自分を見つけて苦笑する。既読はついた。返信はない。呆れているんだろう。ごめんな、いつも口ばっかで。

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