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ストーリーブランド戦略と企業のあり方
久々にnoteを更新する。
当初、考えや気付きを『1分間』程度で伝えるミニマルな企画として、Twitter以上ブログ未満の内容を想定して始めたnoteだったが、いつの間にかエッセイのように見境なく書きたいことを綴る場所になってしまった。今回も1分間で収まるような内容ではないが、ここに書き残す。
今回は、弊社会長からお借りした本を元に「読書感想文」を勝手に書いて、勝手に社内で公開する…という一連の謎行動を受け、この場所にも同じく「読書感想文」を展開してみることにした。 謎のかけ算。
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読書感想文
書籍「ストーリーブランド戦略」を読んで
ブランディング・マーケティングなどの領域で「ストーリー戦略」と聞くと、私は2つの側面で語られるストーリーを想像する。
一つは「企業(製品)のストーリー」。もう一つは「顧客のストーリー」。
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君たちはどう生きるか
「個の時代」「共感の時代」といわれる昨今、一人一人が生きるうえでの『being(あり方)』を問われる時代になった。
2018年に最も売れた本「漫画 君たちはどう生きるか」(原作は戦前に書かれたもの)が250万部をこえる超ベストセラーとなったこと、SDGsやサステナビリティなど、一人一人の社会との接点、在りかたや生きかたを問う流れが加速しているのは想像に容易い。
また個の時代になったことで、SNSをはじめとするツールを活用した個のブランディングが加速し、自身を知ってもらい共感を生む(ファンになってもらう)ためにも、この「being(あり方)」を軸とした発信は重要性を増している。
これは企業においても同様にいわれており、最新の日経リサーチ「ブランド戦略サーベイ」による分析では、「購入環境を中心としたブランディングではなく、企業そのものの価値を訴求する姿勢へと変化している」と、自社のメッセージを伝え共感を生むことに対する重要性が増しているという結果を公表した。
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ストーリーへの参加
「個の時代」「共感の時代」を象徴するサービスの一つとして、クラウドファンディングがある。
クラウドファンディングの誕生により、一個人が社会に対してオンライン上でプロジェクトを掲げ、短期間で数千万円もの資金を集めることが可能になった。
クラウドファンディングで、何故資金が集まるのか。
関係者からの支援やリターン目当ての寄付も当然多いが、プロジェクトにおいて最も重要な部分は「応援」であり、「そのストーリーに自分も参加したいかどうか」が重要となる。
掲げられたプロジェクトを皆で面白がり(盛り上がりがオンライン上で可視化される影響も大きい)、ビジョンや誠実なメッセージに共感し、行動する。
世の中は「そのストーリーに自分も参加したいかどうか」という「being(あり方)」で選択される時代に進み始めている。
これらはtoC視点で語られることが多いが、toBにおいても同様の潮流があるといわれており(結局は人に紐づいている)、前者の「企業(製品)のストーリー」を語るうえで、この「being(あり方)」を訴求することの重要性を常々感じている。
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耳障りのいい言葉だけでは選ばれない
時代は変化し始めているといわれる一方で、従来型の「自分に利益はあるか」で意思決定する人々が大多数であるのも事実だろう。
昨今の景気悪化は更にこの意思決定に拍車をかけ、個人・企業ともに耳障りのいいビジョンや共感だけで動くことができないのも想像に容易い。
この「自分に利益はあるか」を分かりやすく伝える方法が「顧客のストーリー」であり、本書に書かれている内容である。
「この製品を導入することで、どう変化するのか、どんな未来が待っているのか、利益はあるのか」をイメージしてもらうためのストーリー。
主人公は、"わたし"(弊社) ではなく "あなた"(顧客)である。
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目指すストーリー戦略のゴール
いま私が考えているストーリー戦略のゴールは、先述の2つのストーリーがしっかりと発信できている状態である。
「応援したいビジョンがあり、そこに関わることで自分にも利益がある。だからこの会社(製品)を推したい!このストーリーに参加したい!」と思ってもらうこと。
ビジョンへの共感だけではサステナビリティ性に欠け、SDGsなど一部基準はあるが(BtoB企業の製品選択として)採用する正しさを説明するのは難しい。
しかし、前者のストーリーをステークホルダーへ訴求していく活動は、時代の潮流からも一層重要性が増すだろうと推測する。
価格競争や業界のシステムから一線をひき、ファンを獲得しながら独自の市場を構築していくところを目指さなくては、他社と同レベルでしか存在できず、独自性を持った企業として認識され、頭一つ抜きんでることは難しい。
近江商人の「三方良し」の状態、かつ、今だけでなく未来にとっても良い選択をすることが求められる時代なのだと感じている。
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企業のbeing
本書は、終盤に主人公を "従業員"としESを高める方法についても触れていたが、「主人公を "顧客" と設定し、価値をシンプルに訴求するストーリー」にほぼ全振りしている内容で、メッセージを的確に伝えるために、主人公を "わたし"(弊社)にすべきでないと語っている。
「顧客の課題解決方法を伝える」を目的にするのであれば同意見だが、「自社がどのような目的で存在し、どのような想いを込めて製品開発を行い、社会とどのような接点を築き、どのような未来を目指したいのか」という "わたし"(弊社)を主語とした発信は不要なのだろうか。
私は、製品サービスのメリットとともに企業の「being(あり方)」を社会に示し、ビジョンの共有を軸としたコミュニケーションを社内外ともに増やしていきたいと考えている。
そのためにも、これから行う「"わたし"(弊社)らしさ」の設定や、それを訴求していく活動が非常に重要かつ有用であると感じている。
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いま私は、販促・広報・PR・Web担・デザインなどをひとり部署として請け負い、日々行ったり来たりしながら様々な課題にぶつかっている。課題には「原因の課題」と「結果の課題」があると思っていて…と、話がまた膨らんできそうなのでこれ以上続けるのはやめるが、課題の根本にアプローチして、激しく散る一年をはじめることにした。
どんな結果になるか分からないが、できる限りのことはやってみようと思う。失うものはたいしてないし、いつでも "いま" がはじめ時だ。
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![佐藤翔平 / 1分間ブログ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/5421253/profile_bdbec77e76b1305b253ce9e1ddef47b2.jpg?width=600&crop=1:1,smart)