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AIがもたらす新しいライフスタイル

2022年の秋にChat GPTが発表されてから、私はAIと向き合いながら試行錯誤を続けてきました。まだAIが今ほど精度が高くなかった頃は、株式投資の判断材料にするためにAIの回答を一つひとつチェックし、誤りを修正しながら活用していました。数種類のAIを使って解答内容を比較したり、情報元となるウェッブサイトを訪れ、読み違いや転記ミスがないか、また海外のサイトの場合、誤訳をしていないかを確認していました。

内容が正しければ「すごい、頼りになるね!」と褒め、間違いがあれば「次回から企業の財務情報はYahoo Finance.comから取得してね」などとAIにプロンプトで注意していました。夢中になってAIと対話しながら、一日中パソコンの前で模索を繰り返していました。

しかし、ふと気づけば2年以上が経ちました。その間にAIは驚くほど進化し、自分もAIに慣れて少し成長したのでしょう。おかげで高い精度の企業情報を以前よりも短時間で集められるようになりました。具体的には、かつて3~4時間かかっていた情報収集と投資判断が、今では数十分で完了できるようになっているのです。

AIが短い時間と数回の対話のやり取りで必要な情報を整理し、信憑性の高い情報を導き出すようになったことで、私が手を加える時間が劇的に減りました。結果として、思いがけず自由な時間が増えたのです。これは私にとって、大きな変化でした。

AIが生み出した時間という資産

AIがもたらした時間の余裕は、単なる情報収集の効率化にとどまりません。以前はなかなか手が回らなかったことにも時間を使えるようになったのです。そうなると、次に考えるのは「この時間をどう使うか?」ということです。

ただダラダラと過ごすのではなく、自分の成長につながることに使いたい。せっかく生まれた時間を有効活用するにはどうすればいいのか。私はその答えを「知識のインプット」「運動」に見出しました。

多彩な情報源から知識を蓄えることで、思考が深まる

増えた自由時間は、まず情報収集に充てることにしました。本、note、メルマガ、Podcast、Voicy、美術展など、質の良い情報を積極的に取り入れています。以前であれば、後回しにしていた本も、今ではじっくりと読むことができるようになっています。

情報のインプット量が増えると単に新たな複数の視点が得られるだけではなく、個別の情報を自分で組み合わせることにより、独自の解釈が生まれます

最近の例でいえばDeepSeekのニュース。米国AI企業の10分の一の投資で生まれた中国製の格安AIは株式市場に多大なインパクトを与えました。もうAIへの多額の投資は不要なのか?

そこで、ふと思い出しました。「そういえば、先日のCNBCのインタビューで著名な起業家が答えてたな。中国へ輸出が制限されている高性能のNVIDIA製の半導体をDeepSeekは不正に5万台手に入れていると。」

同時に別の情報も思い出しました。「数ヶ月前の有料noteの記事でとある経済評論家が疑問を呈していたな。NVIDIAの高性能半導体のシンガポール向け輸出量が需要に対して多すぎると。同国を経由して中国に流れているのでは?」

これらの情報をつなぎ合わせると、「実はDeepSeekはNVIDIA製の高性能半導体をシンガポール経由で手にしている可能性があり、投資額が格安という情報に疑念あり」という独自の推察と解釈ができます。

よって、多様な情報の収集は単なる知識インプット作業ではなく、点と点の情報を繋ぐことにより、自分なりの解釈を促します。知識を得るたびに、考え方が広がり、今までとは違う角度から物事を見ることができるようになるのです。

AIのおかげで情報インプットとそれらを組み合わせる時間が増え、思考がより深まっていると実感します。

運動をしながら思考を整理する

もうひとつ、増えた時間の使い道として意識しているのが「運動」です。天気が許す限り、毎日ロードバイクで20~30km走り、ジムのプールで2~3km泳ぐ。こうした習慣は、単なる体力維持ではなく、思考を整理するための大切な時間にもなっています。自転車を漕ぎながら、泳ぎながら、インプットした情報を思い出し考えます。ふとした瞬間に新しいアイデアや疑問が浮かぶこともあります。AIによって生まれた時間を使って知識を吸収し、その知識を運動中に整理する。このルーチンが、私の生活の中で自然に定着してきました。

運動が脳に良い影響を与えることは、科学的にも証明されています。血流がよくなり、脳に酸素が行き渡ることで、思考がクリアになります。何よりも体を動かすことで、気分が良くなり、前向きになります。AIが生み出してくれた時間の余裕が金融資産だけでなく、知識や思考、そして健康といった人的資産の向上にも繋がっていると感じます。

今後AIは人間のライフスタイルをどう変えるか

今後数年間の間に、AIの進化と普及は社会全体に大きな影響を与えると考えます。たとえば、TeslaOptimusのようなAIを搭載した人型ロボットが普及すれば、企業の生産性はさらに向上し、結果としてコスト削減が進み利益の拡大、そしてそれに伴い、国にとっては法人税収の増大に繋がります。

一方で、人間の仕事がAIに取って代わられる可能性が高いでしょう。となると、最近よく耳にするUBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)のような社会制度が本格的に議論されることになるでしょう。AIが作り出す価値を、どのように社会全体で分配していくのか。これは、今後の大きな課題になりそうです。

さいごに

こうして振り返ってみると、AIが私にもたらしたのは単なる効率化ではなく、新しいライフスタイルそのものでした。追加の自由な時間を手に入れたことで、知識を増やし、思考を深め、運動にもより気を配ることができるようになりました。かつては「他にやることがあるから」と後回しにしていたことが、今では投資業務に使う時間を減らすことなく可能になっています。

AIは私に「時間の余裕」をくれました。そして、その時間をどう使うかは、私次第です。「知識を蓄え、身体を動かし、自分なりに思考する」ということが、AI時代における新しい私のライフスタイルであり、未来への時間の投資だと考えています。そうすることにより、AIにより人間は怠惰になるのではなく、むしろ逆に、より思考を深めるようになると考えます。

以上になります。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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Satoshi
ありがとうございます😄

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