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AIによってロジカルライティングが一般化してきたため、人間はストーリーが求められるようになってきた

最近、note上で、理路整然とした構造の記事が増えたと思いませんか。いわゆるロジカルライティングと言われる、論理的でわかりやすい構造の文章です。おそらく、AIを使って文章を書く人が増えたことが原因と思います。

Chat GPTをはじめとするAIはロジカルライティングが大得意です。例えば、Chat GPTに外国人からみた日本の魅力を挙げてもらいます。

AIへのプロンプト
日本の長所、短所をあげてください。

AIへのプロンプト

AIからの回答
日本の長所と短所を以下にまとめます。

長所

1. 高い安全性と治安の良さ

  • 日本は世界的に見ても犯罪率が低く、治安の良さが際立っています。夜間でも安心して街を歩くことができ、多くの観光客にとって安全な旅行先となっています。

2. 優れた公共交通機関

  • 新幹線や地下鉄、バスなどの公共交通網が発達しており、時間に正確で利便性が高いです。都市間や都市内の移動がスムーズで、旅行者にとって快適な移動手段を提供します。

3. 高度なサービスとおもてなしの精神

  • 接客業における丁寧で親切なおもてなしが評価されています。細やかな気配りと高品質なサービスは、訪れる人々に特別な体験を提供します。

短所

1. 言語の壁

  • 英語などの外国語対応が十分でない場合があり、観光客がコミュニケーションに困ることがあります。特に地方では英語表記や英語を話せるスタッフが少ないことがあります。

2. 高い物価

  • 宿泊費や交通費、食事代が高めで、旅行費用がかさむことがあります。特に都市部では物価が高い傾向にあり、予算内での旅行計画が難しい場合があります。

3. 文化的な違いへの理解の難しさ

  • 独特の礼儀作法や社会的ルールがあり、慣れていないと戸惑うことがあります。また、非言語的なコミュニケーションや暗黙の了解が多く、理解するのに時間がかかることもあります。


解説

長所と短所について、まずは見出し、そしてその詳細といった形で、各要素について説明しています。非常に見やすく、わかりやすいです。

このロジカルライティングの手法、私は30年前にイギリスの大学に留学したときに、入学前に外国人向け準備コースで習いました。単純なように見えて、実際に新聞記事やニュースの内容について、この形でまとめようとすると、最初は手こずります。

  • 大項目→中項目→小項目。

  • 主張→根拠→例。

  • 抽象→具体→より詳細な具体。

大項目を書いたあとに、中項目を書く際には読者にとって見やすいようにインデントすることなど「見た目」も、厳しく教えられました。イギリスの大学では数学や統計学など計算を伴う科目を除いた全ての科目について、宿題も試験もテーマが与えられ、論文で自身の考えを表現することを求められるため、このスタイルで書かないと評価してもらえないのです。

なお、外資系企業における報告書や提案書などもほぼこの形で書かれています。なので、ロジカルライティングは一度身につけると世界で通用するため、非常に便利なスキルです。

あんなに苦労して身につけたスキルにもかかわらず、今はAIが数秒でこの構造でわかりやすく、説得力のある文章を書いてくれます。仕事でもプライベートでも使わない手はないのです。AIを使った記事が増えるのも理解できます。

AIを使うことの欠点

しかし、理路整然としすぎた文章は無機質で、読んでいて退屈に感じます。文体、構造から、「あっ、これAIからのコピペだ!」と気づくと途端に読む気が失せます。非常に無味乾燥な文章に感じる。上にあげた例のように、「日本の長所と短所を書いて」という一行プロンプトを投げるだけで、論理的によくまとまった文章がでてくるのですが、これをそのままコピペすると、みる人が見るとすぐにAI生成とわかってしまうのです。「ロジカルライティングのコモディティ化」が起きていると言えますね。仕事で使う分には言いたいことが論理的に伝わりやすいので良いのですが、プライベートな場では無機質で感情が伝わりにくく、読んでいて面白みに欠けます。ではどうしたら良いのか?

AIの出現により、求められる人間らしさ

ずばり、人間らしいストーリーテリングが求められるようになってきていると感じます。私もnoteを始めた2022年後半から23年前半に書いた記事を見返すと、冒頭に目次で議論する内容を明確化していました。

しかし、今年に入ってから、AIによって書かれたと思われる理路整然とした構造の記事が増えたと感じたからか、無意識のうちにイギリスで習ったロジカルライティングの書き方はやめ、目次も設けず、よりストーリー重視の流れで書くようになりました。

ただし、気をつけていることは、自分の主張を書く際に根拠を必ずセットで書くよう注意しています。理由は自身の考えの根拠を明確にすることにより、読者の方に対してロジカルに説得力のあるメッセージが伝えられるからです。言い換えると、ストーリー調の書き方でもこの「主張と根拠」といった小さなロジックの構造を含めることで、わかりやすさは担保できるからです。ただし、まだ改善の余地はたくさんあるので、さらに工夫していきます!

さいごに

AIが出てきて、便利だと喜んでいたのも束の間、AIが書いたような文章が溢れ、自分は自然と新たな書き方を模索し、みつけていました。この状況をポジティブに捉えると、AIの普及は人間の成長を促してくれていると言えますね。

また、AIは成長を促しながらも、引き続き協調もしてくれています。具体的には、記事の投稿前に、自分の書いたストーリーテリング調の文章が論理的に破綻していないか、改善点はないかをAIにチェックしてもらっています。よって、AIは競う相手ではなく、今後も共存する相手ですね。

以上になります。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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