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Deep Researchに5年後の為替と日経平均の予測をしてもらった

AI各社が投入しているDeep Researchが評判です。

もうお試しになりましたか?

当初、Chat GPTのDeep Researchの性能は驚きを持って迎えられましたが、月額200ドル(約3万円)のサブスク費用がハードルでした。ところが、この度Perplexityが1日5回までの使用に限り、無料で同社のDeep Researchを解放しました。(2025年2月19日現在)

https://www.perplexity.ai

そこで実際に使ってみました。いくつか経済分析をお願いしたのですが、数分でかなり詳細なレポートを生成してくれたのです。そこで、今日はPerplexityのDeep Researchの実際の分析結果を見ながらレビューをしますね。


Deep Research機能とは

そもそもDeep Researchって、今まで使っていたChat GPT3.5やGPT4oといった従来までの通常のAIとどう違うのか。AIに比較表をつくってもらいました。

PerplexityのDeep Research vs 従来のAI

Deep Researchではインターネット上の情報を自律的に収集・分析し、ユーザーの質問に対して包括的なレポートを提供してくれます。従来のAIは、学習した既存のデータセットやユーザーからの入力に基づいて回答を生成していました。

対して、Deep Researchではリアルタイムのウェブ情報を幅広く参照し、それをもとに推論をしながらより深い分析をしてまとめてくれます。たとえば、後にご紹介する経済分析について調査を依頼した際には、以下のようにネット上で65個の情報ソースを参照しています。

Web上で65個のデータソースを参照

もしも人間がこの量の情報に目を通してレポートを作るとなると、2−3人で手分けしても数日間かかります。一方、Deep Researchはこれを5分ほどでこなしてしまうのです。

Deep Researchを使ってみて、私が一番おどろいたのは「将来予測」にも対応し始めている点です。以前のAIは、株価や経済動向の予測を依頼すると、「過去の実績データの分析はできるが、将来予測は難しいです」と回答されることが多かったのです。

しかし、Deep Researchは、最新の市場データや経済指標を取り込み、推論を用いて将来のトレンドを予測する機能が強化されています。これにより、AIが提供する分析結果の価値が高まり、同時にホワイトカラーの仕事はAIに取って代わられるリスクが顕著になったと言えます。AIの進化が早くて怖いですね。

2030年のドル円為替レートと日経平均株価をDeep Researchが予測

早速、PerplexityのDeep Researchに5年後の日本経済を予測してもらいましょう。

以下がプロンプトになります。

Deep Researchへのプロンプト
2030年のドル円の為替レートと日経平均株価について、多角的な視点から分析した上で、予測してください。分析の際、視点の一つに日本の米国に対するデジタル赤字を含めてください。なお、2024年よりも前の情報は使わないでください。

日本語プロンプト

なお、Deep Researchは、プロンプトの言語によって、参照される情報源が変わります。具体的には、英語でプロンプトを入力すると英語の情報源が、日本語で入力すると日本語の情報源が主に参照されます。トピックにもよりますが、多くの場合、ネット上には英語の情報源の方が数が多いため、英語でプロンプトを投げかけた方が、より詳細で深い分析が提供される傾向にあるようです。

この特性を活かして、より豊富な情報や多角的な視点を得るためには、英語プロンプトでもリサーチを依頼し、日本語プロンプトの結果と比較するとより分析の精度が高まります。

Deep Researchへのプロンプト
Please provide a forecast of JPY/USD exchange rate and the Nikkei Stock Market performance for the year 2030, by analyzing multiple economic perspectives. In your analysis, please include Japan's digital trade deficit to the U.S. as one of your perspectives. Please bear in mind that you won't use any information dated prior to 2024

英語プロンプト

以下がDeep Researchからのレポートの要点を比較したものです。

プロンプトに使用した言語ごとの回答内容の比較

いかがでしょうか。5年後のドル円レートも日経平均株価も、プロンプト言語間で差はあれど、両者とも妥当なレンジで予測がなされています。なお、Deep Researchが生成した詳細のレポートも添付しておきますので、ご興味ありましたらご確認ください。詳細まで読み込まなくても、レポートの成り立ちだけでもご覧いただければ、リサーチの内容が従来のAIよりもディープであることが実感できると思います。

Deep Researchを効果的に活用するコツ

PerplexityのDeep Researchを実際に使ってみて、使い方のコツをいくつか見つけたので、共有しますね。ご参考になれば幸いです。

a.) プロンプトの言語を変えて見る

上でも述べたようにトピックによっては日本語プロンプトだけでは情報が偏るため、他言語でも同じプロンプトを入力し、結果を比較してみましょう。例えば、フランスに関するトピックであれば、フランス語のプロンプトでも回答を生成してもらうと良いと思います。理由は現地のみで得られるローカル情報にアクセスできる可能性が高いからです。(今はAIや自動翻訳サイトがあるので、何語でもプロンプトを作れるので、便利です。)

b.) 最新情報のみを対象にする

Deep ResearchはWeb上の幅広い情報を参照しますが、古い情報が混ざることで、現在の状況にそぐわない結論を導く可能性があります。そのため、プロンプトで「XX年以降の情報のみを使用すること」などと明示することで、より正確な分析結果を得ることができます。

c.) 導かれた結論が突拍子もない場合は仮説を検証してもらう

場合によっては、導かれた結論が自身の期待値と比較して、常識的な範囲を超えてしまうことがあります。参照したデータが妥当でない場合、極端な結論を導いてしまうのです。(例:5年後の為替レートが1ドル800円になるなど)

その場合、情報源の内容の妥当性チェックはもちろんですが、それでも解決しない場合には、AIに結論の導きを丸投げするのではなく、「ユーザー自身が仮説を立て、その仮説をDeep Researchに検証してもらう」こともオプションのひとつと思います。理由はDeep Researchに検証する要素を挙げてもらい、その上でどの程度自身の仮説が現実的か分析してもらうことで、妥当性が確認できます。

例えば、「5年後には円ドル為替レートは現時点の1ドル150円から300円の大幅な円安になる。その主要因はインバウンド観光客の増加の頭打ちとAIによる更なるデジタル赤字の増大による。」と仮説を立てます。

そして、プロンプトで「この仮説が正しいとする根拠を5つ、そうでない根拠を5つ挙げ、最終的にこの仮説の正当性について結論を出してください。」といった形でAIに議論を展開してもらいます。出てきた根拠を自身で精査することで、自身の仮説の正当性やAIが出した結論の合理性を自分で判断できます。

さいごに


以上になります。
いかがでしたでしょうか。日々進化しているAIですが、とりあえず現時点、2022年2月時点におけるPerplexityのDeep Researchをレビューしてみました。

文中では実際に使ったプロンプトについてもお見せしていますが、これがベストとは思わないので、ご自身でいろいろと試してみて下さい。また、一回のプロンプトで欲しい回答がでてくることは少ないので、ぜひ対話しながら納得のいくまでトライしてみてくださいね。

今後もAIの新たな進化に応じて、レビューしますね。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

免責事項:
当記事は特定の銘柄の投資を奨励するものではありません。また、内容の正確性を保証するものでもありません。投資はご自身の判断で自己責任でお願いします。

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Satoshi
ありがとうございます😄

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