飯塚事件「正義の行方〜飯塚事件30年後の迷宮」|NHK3時間ドキュメンタリーから感じたこと|vol.173
昨日の日曜日
大分市はあいにくの雨
久しぶりのゆっくりした休みだったので
長物の撮り溜めビデオを見ました
先日BS-NHKで放送された
「正義の行方〜飯塚事件30年後の迷宮」
という3時間ドキュメンタリーです
久しぶりに報道番組の凄さに衝撃を受けたので
ブログに記載したいと思います
最近NHKがすごいことになっています
こんな番組を国営放送が作るとは
今まで考えられなかったのではないでしょうか
その理由はのちに記載するとして
本編のあらすじを記載します
3時間のロングドキュメンタリーですので
細かいことは割愛しますが
番組の観点で言うと誤認逮捕と冤罪判決が
ある可能性を匂わせながらも
警察(当時の複数の担当/今は退職している)
遺族(奥さん)
西日本新聞担当者(ずっと事件を追いかけている/複数の担当)
大学教授(DNA鑑定について疑問を持つ)
裁判所
検察
弁護団
の各人をとことん取材し
それぞれの正義を表現したものです
容疑者は一貫して否認をしながらも
死刑が執行された
謎は謎のままで何も結論づけたものは
ありません(現在も再審請求中)
見た方にしかわからないかもしれませんが
私はこの番組から今までにない
NHKのアプローチを感じました
1、国の組織と民の関係に疑問を持つNHKの目線
この番組は最初から最後まで
警察・検察・科捜研・裁判所らの国の組織が
出した正義と
被告・弁護団の民が思っている疑問
が対立している取材に対し
取材新聞社(西日本新聞)が
ジャーナリストの立場で真実を追求する
と言う構図で進んでいきます
しかし最初から番組は冤罪を疑ったような
立ち位置で番組の色がついている等に感じました
つまり国が何かを隠蔽し
日本の警察・司法の立場がおかしいという
意味合いに捉えられる構成でした
これをどうのこうのは言いませんが
私が驚いたのは国営放送であるNHKが
作ったと言うことです
もしNHKの中に番組企画委員会の
ようなものがあったとして
総務省管轄であるNHK上層部が
制作許諾をよく出したなという感想です
2、疑いの目で作られている警察もまた正義であるだけに定年退職し当時を振り返る担当者が一方的に悪いように映る
インタビューを受ける複数の定年退職警察官の
みなさんがかわいそうにうつったのも印象的でした
警察は被害者の無念を晴らすのが正義です
また冤罪の可能性が少しでもある場合
それを疑うのも当たり前の行為です
番組中、証拠となる当時のDNA鑑定が
焦点となっています
物的証拠を科捜研などに依頼し
疑わずして採用しているのもまた事実
彼らも自分達のやってきたことを
正義以外の何者でもないと
全く疑わずインタビューに答えているわけですが
なんせお年を召した方々なんで
言葉の表現が鈍く何か悪いように映りました
3、真実を追求する新聞社と弁護団の執念
西日本新聞の当時の担当者が出演されており
新聞社としてのスクープへの欲と
その後の真実への追及取材の内容が
後半たっぷり紹介されています
最近のジャーナリストの太楽が露呈される中
膨大な取材から真実のみを表現し
本事件に関して疑問を持ち続けてきた担当者の執念
読まれるために書くと言うよりは
自分達が納得するために動く姿は
尊敬に値します
まだまだ事件は第2次再審請求が始まったばかり
死刑が執行されて再審を裁判所が認めた例はなく
司法のやり方に疑問をぶつける弁護団
いつか化学がもっと進み
国家が暴かれる日が来るのかもしれません
しかし
飯塚事件の本当の真実は今や神様しか知りません
私も今後この事件に注目しつづけ
関わった人々の人生を見ていこうと思います
今日はこの辺で
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