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車社会で「持たない」選択から学んだこと

こんにちは。

突然ですが、皆さんはマイカーをお持ちでしょうか?持つ・持たない理由は?

答えは十人十色。
同じような答えの中にも、理由を掘り下げていくと住む環境や人間関係、趣味趣向の違いで
見えやすいモノだと思います。

ここではそんな中の一人である私の
「一人暮らしの独身社会人が
生活の足である車を手放して生活した」
実体験からの気づきを書いていきます。

特に始めて半年が経ったいま、コロナウイルスの拡大を発端に各々の生活環境は刻々と変化しています。その中で
車のない生活を続けていて感じたこと
それぞれのメリット・デメリット

など、体験が鮮明なうちに言葉にしておきたいと思います。

車を持つ理由・手放す理由

私の人生最大の買い物。それが「車」です。
社会人になって5年が経った今でも変わりません。

就職で引っ越して間もない頃、学生時代の貯金の大半をかけて買ったコンパクトカー。
当時の私にとって、いろんな意味で大きな買い物でした。

最初の一台に特別なこだわりも知識もなかった私にとって、選ぶ軸は
「一人暮らしに必要十分な機能性」
ただそれだけでした。

荷物が載って、移動ができて、小回りがきく。
車の購入を検討したことのある方ならお気づきかもしれませんが、あまりにゆるい絞り込み条件でした。結局ほとんど値段だけで決めたのをよく覚えています…

それでも長く乗っていると、意識は変わるもので、気をつかわず自然体で付き合えるパートナーのような、良い意味で存在を意識しない存在になっていきました。

対して、別れはあまりに一瞬、呆気ないものです。突然の故障で動かなくなり、すぐに次のアクションをとらなければなりませんでした。

それでも決して切り替えようと努めたつもりはありません。
時が経つと不思議と晴れていくもので、「不幸のどん底」にいたはずの自分が、いつの間にか
「思考をリセットする絶好の機会」にワクワクしていました。

年の瀬の穏やかな日常から一転、刺激的な挑戦が静かに始まった瞬間でした。


半年間の感想

気づけば半年が経っていた、という感じです。
本当にあっという間でした。
それぐらい自然に生活できていたということかもしれません。

まずは私的な感想を率直に挙げていきます。

・心身共に軽くなり、行動の質と量が変わった
・無意識の行動の「棚卸し」になった
・制約から新しい習慣ができた
・移動自粛の生活スタイルにハマった

それぞれの意図をお話ししていきます。

・心身共に軽くなり、行動の質と量が変わった

身体的な身軽さを決める要因として、車に代わる移動手段の存在が最も大きいと感じました。

【ロードバイク(自転車)】
趣味やスポーツに用途を限らず、日常生活でも渋滞とはほぼ無縁の優秀な移動手段になります。

性能を高める高価なカスタマイズなどはしません。パンク修理や消耗部品の交換程度であればランニングコストが非常に低いのも魅力です。

スポーツ用である必要はありません。
荷物を乗せたい場合は荷台や前カゴつきなど、個人のニーズに合わせて選ぶことができます。

【ランニング(徒歩)】

今では日常生活の様々な移動をランニングとセットにする挑戦を進めています。
出張先や旅先で訪れた土地を走っていると、
独特な匂いや空気感、地理感を全身で感じることができます。

どちらも移動のためにエネルギーが消費されるので、お腹が空いてご飯がおいしくなります。
個人的にはこれが大きなメリットでした。
食べ過ぎさえしなければ、心身の健康も同時に手に入ってしまう。車があっても生活に取り入れない理由は全くありませんでした。

・無意識の行動の「棚卸し」になった

仕事終わりや休日朝の運動の後、特に予定がないときは決まって
買い物、食事、読書、入浴など、外に出るための適当な理由を
無理にでもつくって外出していました。

「狭い部屋では何もできない」「自宅にいる=非生産的、無駄」のような固定観念に支配されている状態では、疑問を抱くことさえ難しいことでした。自宅から出ないことが後ろめたいと
さえ感じるような生活でした。

そこに移動手段の制約がかかったことで、行動一つひとつにかかるリスクやコストに向きあうことになったのです。
その時になってはじめて、移動時間や必要のない出費、自宅の環境に対する認識の歪みに気づくことができました。

自分がいかに曖昧な意思決定をしていたのか。
短絡的な行動がどれほど日常に溢れていたか。

一つひとつの行動にバラしてみると、過去の「当たり前」に驚かされます。

自宅に対する認識は極端で、
「寝てシャワーを浴びるスペース」
ぐらいに考えていました。

自宅で過ごす時間が増えた今、「衣・食・住」の生活基盤のバランスを欠いた生活がいかに危険か、身をもって感じています。

未だに気づくことができないまま、自動化されている行動もたくさんあるはずです。
考えるほど暗い気持ちになったり、ショックを受けることもあるでしょう。
それでも今後の生活を見つめる大切なきっかけだったと確信しています。
自己のアップデートをモチベーションに
これからも続けていきたいと思います。


・制約から新しい習慣ができた

外食する習慣がなくなった代わりに料理を始めました。
今では週7日・3食を自宅で調理しています。

料理と言っても自宅にはキッチンなどありません。すべて電子レンジ調理です。
それでもできたてを好みや体調に合わせた食事の幸福感は大きく、すぐに習慣になりました。

ランニングのルート上で買い物をする挑戦も今のところうまくいっています。手間と時間を省きながら趣味の時間も確保する一石二鳥の習慣です。


・移動自粛の生活スタイルにハマった

コロナウイルスの脅威が全世界に広がる中、人混みや市街地、対人の接触を極力避ける生活があたりまえの状況になっています。

日常的に車で外出していた頃の私であれば、クルマがあっても外出ができない、安心して外に出ることができない今の状況に心理的な負荷を感じることもあっただろうと思います。

そこに「ウイルス感染・拡散のリスク回避」という外的要因ができたことで「自宅で過ごすべき」という積極的な意思にしたがって行動することができました。

今日のような移動の限られた生活では「持たないこと」をデメリットと感じる場面が少なく、対してメリットを感じやすい傾向があると感じました。


車がないことの長所・短所

長所

・運動の習慣がさらに加速

元々習慣化していたランニングの習慣に加えて日常生活でも運動量が増えました。

新型コロナの影響で通勤移動が減った分を差し引いても、運動量は確実に増えています。

デスクワーク中心でほとんど動かない生活の社会人にとっては、本当にありがたい状況です。

・余計なものを買わなくなった

出先でふと気になって買ってみたものの、パッケージされたまましまい込んでしまった。
一度は思い当たる節があるのではないでしょうか。よく衝動買いと言われるような購買のパターンかと思います。

当たり前のように使っていた製品でも、購入する動機を自分に問いなおしてみると、今まで気づかなかったのが不思議なほど衝動買いにまみれた生活でした。
他の物事とかけ合わせたり、省くことのできるものが驚くほど見えてきました。

今振り返ると、車もそのうちの一つだった気がしています。持たない生活を選択肢に入れないまま「なんとなく」買ってみたり、「周りはみんな持っている」という曖昧な理由で決断をしていました。

大きな荷物を運びたい時、遠くへ自由に移動したいという時には「車があったら」と思うこともあります。
しかし私たちの周りには、多少の制約はあるものの、公共の交通機関やレンタカーといったサービスもある程度までは整っています。
持たずに生活すること自体は可能な場合も多いと思います。

トラブルで車を手放したことで自分の消費傾向や価値観がどんどん変わっていく。それだけで興味深い発見でした。

・金銭的な負担が減った

ガソリン、保険、駐車代など、
車は移動にかかるコストのほかに
「持つこと」それ自体にお金がかかります。

長距離、大人数の移動、家族の多い方など、そもそも持っていないと生活が成り立たない状況も多くあります。ここで大切なことは、あくまで
自身の生活で優先すべきことは?
そのために必要なものとは?

この答えを明確にすることだと思っています。
クルマに限らずこの言葉を自問することで、心地よいサイズ感の生活を手に入れることができるような気がしています。


短所

・天候に影響されやすい

荒れた天気の日には公共交通機関に頼るか
もしくは雨具類の準備が必要になります。
場合によっては外出できないこともあります。
生活必需品が揃うお店が近くにない場合には
大きな障害になる部分です。

・遠出が難しい

地方では公共交通機関があっても車で移動する方が多く、長距離の移動に車は欠かせない存在とも言えます。
特に車移動を前提に住む場所を選んだ方にとっては、かえって負担になる場合も多いと思います。

・緊急時のリスクが大きい

体調不良の際、病院で診察を受けるにも
必要な負担は大きくなりやすい傾向があります。
どの移動手段も自力でコントロールが必要で
程度にもよりますが、負担に差はあると思います。

また自転車や徒歩はクルマにくらべると、怪我や事故の際のリスクも無視できない点です。


最後に

車を手放した頃から現在までに周りの状況が大きく変わり、それに伴って視点も変わることになりました。結果的には多くの気づきを得る機会が増えたように思います。

置かれた状況や価値観、流行、文化によってそれぞれの正解があること。
無理に一つの考えに固執せず、その時々で「今どうしたいか?」
この答えに忠実に行動すること。
当たり前なようでできていませんでした。

今後しばらくは自分の車を持たない生活を続けながら、変化の中で気づきを拾っていこうと思います。


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