爆破予告(ショートショート)
なんでもない その辺にある不動産会社。
そこに、一本の電話が。
「湖の横の あのビルを爆破する…」
聞くと、もちろん金銭目的であろう内容だった。
そういえば、最近この街で妙な事件が多発している。
度重なる 不審火からのビル火災。
その事もあり、ただのイタズラではないのだろうと強く感じていた。
湖の横のビル あれしかない。うちの管理物件である。
電話を受けた新入社員が、恐怖で体が震えていた。
それはそうだろう。
「爆破が嫌なら4億円を用意しろ」
だなんて、一生に一度ですら、受ける事が無いであろう案件だ。
就職試験の対策に、こんな質疑があっただろうか。
僕は彼女を連れ社長室へ。
小さい会社だ、もう社長に判断を委ねよう。
社長に事を説明する。
すると、
社長の返事に、
新入り彼女は微笑んだ。
「あのビルって都市開発で取り壊し、ちょうどいい」
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