episode46 仮面ライダー
未曾有のテロの影響により、これまでの俳優人生では掴んだことのなかった大きなチャンスを掴み、そして逃した僕のもとに、なんと「今回のテロを受けて制作することを決意いたしました」という文言が添えられた、あるオーディション要項を川口さんが持って来てくれた。
ペラのコピー用紙数枚をホチキスで留めただけの簡単な募集要項には、今回のテロに対する怒り、そして未だ悲しみに暮れる日々の中ではあるけれど、それぞれがそれぞれの正義を振りかざしたら、世の中は一体どんなことになってしまうのか。今回のテロを受けて、そのことを表現する作品作りに取り組みたい、という旨の一文が添えられ、そこには、『仮面ライダー龍騎士』と書かれていた。
「ってことなんだよ。今、クウガってのが終わ
って、新しいアギトっていうのがやってるん
だけど、その次の作品で、『龍騎士』ってい
うタイトルなんだって。ダブル主役ものらし
い」
「仮面ライダーですか」
「そう。仮面ライダーって、悟志どう思う?」
いま一度、人生を振り返りました。こんなどうしようもないやつでも、俳優になり、そして仮面ライダーになることができたという道のりをありのまま書き記しています。 50日で完結するハッピーエンドです。 ぜひ最後まで読んでください✨