episode39 サトシ
デビュー作をすでに撮り終えた状態で、年をまたいで事務所に所属した僕にとって「デビュー」のタイミングはどこに当たるのかという話をよくしたのだけど、やはりデビュー作だろうということになって、1999年というのが僕のデビュー年になった。
そして事務所に所属が決まってまずやらなきゃねとなったのが、活動していく名前をどうするかという問題だった。
僕には本名がある。それは、両親がつけてくれた大切な名前ではあるけれど、僕の名前には父親由来の漢字が一文字入っており、まさにその父親がつけたということだった。
そしてその父親は、僕が生後三ヶ月のタイミングで、母や僕らを置いてどこかへ行ってしまった。正直僕は、自分の名前に対して強い愛情を抱いたことがなかった。このことを僕は、母や姉、祖父母をはじめ、僕のことを大切に思ってくれている「みんなが呼んでくれるから」という気持ちだけで、ここまで乗り越えて来たのだった。
そんな僕の人生において、なんと新しい名前を持っても良いという。
「絶対に、芸名が欲しいです」
いま一度、人生を振り返りました。こんなどうしようもないやつでも、俳優になり、そして仮面ライダーになることができたという道のりをありのまま書き記しています。 50日で完結するハッピーエンドです。 ぜひ最後まで読んでください✨