練習のモチベーションを高めて練習効果もアップできる3つのポイント
「スキルを上達させたいという気持ちはあれど、なかなか練習のモチベーションが・・・」という人は多いと思います。
というわけで今回は、練習中のモチベーションを高めるためにはどうすればいいのか、そんなお話をしようと思います。
今からする話は、
自分で何かを身につけたい!と考えている方
誰かに教えなければいけない!という方
どちらにも使えるものなので、参考にしていただければ幸いです。
モチベーションの高さは練習効果に影響する
「そもそも、モチベーションが高いことが練習効果に影響するの?実際のところどうなん?」
って思う方もいるかもしれませんね。
僕自身も、「やる気があれば何でもできる!」といった精神論にはあまり賛同できない質でして。だいぶ懐疑的でした。
しかし調べてみると、たしかに
練習中のモチベーションは高い方が練習効果も高い!
とのことでした。
へえー、思い込みではなかったんですな。
1.練習に具体的な目標を設定する
どこぞの自己啓発本のような内容で本当にもうしわけないのですが、大事なことには変わりないので紹介しておきます。
精神論じゃなく、科学的にもきちんと効果があるポイントですので。
Boyce氏らが1992年に行った研究(1*)では、ライフル射撃の学習者たちを
指導者が練習に対して具体的な目標を設定させた
学習者が自分で目標を設定した
たんに「ベストを尽くせ!」と指示を出した
という3つのグループに分けて、射撃の成績がどうなるかを比較しました。
結果は、具体的な目標を設定した2つのグループの勝利。
「ベストを尽くせ!」とだけ言われたグループよりも、
練習ごとの成績
保持テスト(時間を空けても覚えているか確かめるテスト)
ともによい成績だったとのこと。
2.自己調節できる練習にする
”自己調整できる”というのは、
「練習の内容を学習者が自分である程度調整できるようにしましょう」
ということです。
つまり、練習内容に対して
「とにかく指示されたとおりにやる!1ミリたりとも自分でアレンジしてはいけない!」
みたいな状態よりも、
「ポイントを押さえているなら、細かいところは自分で調整していいよ」
というほうがいいのだそう。
このことは、WulfとTooleらが1999年にスキーのスラローム課題を用いて行った研究(*2)によって示されています。
3.肯定的な拡張フィードバックを得る(ウソ|《,,》でも良い)
学習者が、自分の練習で得たこと以外の情報をよそから受け取ることを「拡張フィードバック」といいます。
たとえば、
「君の今のパフォーマンスは、他の学習者の平均よりも優れてるよ!」
みたいな情報ですね。
こういった情報も、上達をうながすうえで重要なことがわかっています。
そしてこの情報、なんと「ウソでもいい」のだそうな。
LewthwaiteとWulfは、
「肯定的な拡張フィードバックは、それが完全に真実ではなくても運動学習を後押しするって報告が急激に増えてるよ!」
とレビューしています(*3)。おもしろ。
ちなみに、真実だけを伝えた場合と平均より下だとウソをついた場合は、練習効果にとくに影響はなさそう、とのこと。
なので個人的には、基本は盛り気味にフィードバックを伝えつつ、調子に乗りすぎないよう定期的に真実を伝える、みたいな感じでバランスを取ると良いのかなと思います。
あとはよしなに。
参考文献
後ほど
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