上達率を高める!練習メニューの難易度調整法③パラメータ調整
以前、効率的な練習をするためには、練習課題を学習する人にとってちょうどいいむずかしさにする必要があるよ!という話をしました。
そして、練習メニューの難易度調整法は5つあるよ!という話もしました。
今回は、その5つの難易度調整法の1つである「パラメータ調整」について、すこしくわしく紹介していきますね。
練習難易度の調整法「パラメータ調整」とは?
パラメータ調整というのは、課題そのものの条件を変化させて、難易度を調整する方法です。
条件を変化させるってなんだろうという感じですよね。
具体例を挙げてみましょう。
・プレゼンテーション…本番よりも制限時間を長く(短く)する、話す速度を変える
・楽器練習…原曲よりテンポを下げる、和音の数を減らす
・筋力トレーニング…負荷量、回数、セット数、動作の速度をかえる
・数学の問題を解く・・・問題文の数値を複雑な計算過程や結果にならないようなものに改変する
・歩行練習・・・歩く速さや歩幅を変える
パラメータ調整で課題難易度を変えるときの注意点
ただし、注意点があります。
それは、
「課題の条件を変わったことで、本来達成したいスキルとはちがう方向に上達してしまう可能性がある」
という点です。
例えば、プレゼンテーションの練習目的が
「聴衆が聞きやすい話のスピードで、時間ピッタリに話をまとめる」
だったとします。
はじめのうちは、説明が回りくどくなったり、話す速度が速く(遅く)なったりしてしまうので、それを見越して”多少”制限時間にゆとりを持たせておく、というのであればOK。本来の目的からは離れません。
ただし、制限時間のゆとりはあくまで”多少”の範囲に収める必要があります。
なぜなら、本番よりも極端に長く(短く)したり、話す速度ものすごく速く(遅く)してしまうと、身につくスキルが変わってしまうから。
制限時間が本番と極端にちがう場合、話すスピードの調整や時間内でまとめるという意識が薄くなってしまいます。
この練習ではむしろ、
「話を引き伸ばす能力」
「早口言葉が得意になる」
みたいなスキルばかりが身についてしまうでしょうね。
筋力トレーニングなんかはもっとわかりやすくて、
「最大筋力を増やす」のが目的なのに負荷量を大きく減らしたら、鍛えられるのは「筋持久力」になってしまいます。
(ちなみに筋肥大(筋肉を大きくする)のは、低負荷×高回数でも大丈夫)
パラメータ調整で変えてもいい範囲の目安
どのようなスキルを学ぶにしても、パラメータ調整によって練習メニューの難易度を変える場合には、本来の練習の目的から大きく外れない範囲にすべきでしょう。
目安としては、「課題に取り組む人がギリギリ達成できるくらいで、できるだけ本来の課題に近いもの」でしょうかね。
あとはよしなに。
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