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おかえりモネ 6

「おかえりモネ」に石ノ森章太郎の名前が出てくる。ドラマの舞台が石ノ森の出生地だからだ。我々の世代は石ノ森章太郎作品には大変お世話になっている。「サイボーグ009」や「仮面ライダー」は有名だがそれだけではない。
少しマイナーな特撮作品になるかもしれないが、「イナズマン」というのがあった。このヒーローはサナギマンからイナズマンに変身する。変身がなぜか二段構え。この元ネタはヴァンヴォ―クトのSF小説「スラン」です。1940年の作品。スランは蝶のような眉を持つミュータントです。イナズマンのモチーフも蝶ですし。蝶と「超」能力をひっかけているらしい。当時、超能力ブームでしたしねえ。
ヴォ―クトはカナダの作家でロシア系メノナイト派のコミュニティで生まれます。メノナイト派は宗教改革左派とかラディカルリフォメーションとも呼ばれる信仰集団。エカテリーナ二世に招かれ、ウクライナ地方に移住したこともあってロシアにある程度の信徒がおりました。しかし後にロシア化政策と良心的兵役拒否の信仰のゆえか宗教弾圧に遭って、新大陸に移住する人々が多かった。メノナイトはオランダにもあって、ヴォ―クトはオランダ系移民の三世。本人に信仰があるかは不明だが、そういう環境で育った。
「スラン」も迫害される者たちの世界を描いた作品なので、どこかでメノナイトの背負ったものと通じる気もする。
有名なアーミッシュもメノナイトから派生したグループですね。今でもメノナイトというと平和主義のイメージが強い。そういえば高校時代の数学の教師がメノナイトに属しておられた。
竹宮恵子の漫画で映画化もされた「地球へ」の主人公の名前は「スラン」の登場人物からとられていますから、わが国のクリエイターに影響を与えているのですね。

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