金魚注意報? 鯨、刺繍、について 〜8/29
詩を書くこと。金魚の
金魚は精神の方へ
鯨が、水の
背中がしまわれていく
金魚は、他の金魚の色を、
気が遠くなるほどの手仕事が
過去からつづくこの風にも晒されている
例えば刺繍に施される祈りは薄れるけれど
想いは濃く積み重なる
その一筋の個性を怖れたい
誰もが物語になりたかったとしても
鼓動のような無意識でしか
たしかにそこにいた自分を置くことが
ゆるされなかった人々がいたこと
金魚の死骸から、
憎まれている、という沈黙から少しずれて、夜をやさしい嫉妬に染めていく。