再編
蒸し野菜、騒々しい
直接的な、死因ではない
光に満ちた予感
この金属から続くたしかな時間を
根菜が眼をあけながら睡眠していく
比喩に溶けていずれ
安定した存在ではなくなるだろう
蒸し野菜の、やわらかさ
のこされる予定の、温野菜
犬は、身体の外にもう一つの、身体をつくってしまう。自分の、唾液より放埒な身体の方は、嘘をつけないが、身体の内側では、自分がついてきた嘘が蓄積される。嘘の、辻褄が合わなくて悩む夜、ついに自分の歯のすべてが、義歯になっていると気付く。舌で、その歯の内側触れながら、架空の砂浜で、唾液を滴らせる夢を
深夜、怒られたからと言って片方が、ほんとうに余所の家の、子どもになるなんて。血の繋がらない子どもの、話を待つように、意思で支えられている骨格。ゴシック体。埋葬された精霊が目覚めようと、他の惑星を目指しながら、霧が抜けるのを待っている。
山菜、茹でる、味見する
のどに、離島が、あらわれたので離島を、掘った。口調のなかには離島の空気が広がった。鳥の、翼のたたみかた。
したためるつもりでいる
それぞれを、咀嚼する
いつか訪れる失明に、土をかぶせる。吐息が、固くなった。口内に引き入れた、離島に住む精霊を、殺せないでいる。
昼寝から目覚めたときの特別な喉の乾き方で痰をきる脚本家が、