satoshi自伝第三話「挑戦と絆の証明:Never Divided Just Dive制作編」

第三話「挑戦と絆の証明:Never Divided Just Dive制作編

再結成後の最初の挑戦

再結成ライブが終わり、次なる挑戦として「Never Divided Just Dive」の制作が始まった。この楽曲は、DIVのこれまでの歴史を凝縮し、現在の私たちを象徴する楽曲である必要があった。
メロディーと歌詞制作はCHISAが手がけ、彼の中にある想いが詰め込まれていた。それは、再結成という奇跡と未来への覚悟、そして過去の苦しみと葛藤を乗り越える力を象徴するものだった。メンバー間で話し合ったテーマも一致していた。「この曲で、DIVが進化し続けることを証明しよう」。それが合言葉になった。

ドラムパートへの挑戦

ドラムパートに関しては、CHISAのメロディーと将吾の重厚なギターサウンドを支えるためにどのような演奏が必要かを考え抜いた。緻密で力強いフレーズが楽曲の土台を成し、再結成後のDIVの強さと決意を体現するものにしたいと考えた。
「Never Divided Just Dive」の制作は、私にとって極限の挑戦だった。2023年年末に罹病した「自己免疫性肝炎」の影響は私の体の自由を蝕んでいた。医師から下された「1日20分の演奏」という制限があった。それでも、レコーディングでは通し録音を行うことを選んだ。部分的に録音を重ねる「パンチイン」を使えば負担は減ったかもしれないが、この楽曲には一貫した熱量が必要だと考えたからだ。

苦難を超えた進化

過去の私のドラミングは「機械的」であったり「冷徹」と表現されることが多かった。しかし、進化を目指すDIVの楽曲に向き合う中で私は情熱的になったのかもしれない。特に、ギターソロのバックで叩き上げたフレーズはレコーディングを続ける日々で出会ったもので、当初プリプロダクションで構築していたものとは全く違うものとなった。
私の中に秘められていたDIVへの想いがドラムフレーズとして昇華した瞬間だった。また一つ音楽に教えられてしまった。納得のいくテイクが完成した瞬間、自分のすべてを注ぎ込めたという達成感が湧き上がった。

映像に込めた想い

2024年6月、私たちは「Never Divided Just Dive」のMV撮影に臨んだ。選ばれたスタジオは廃工場で、そこには特別な意味が込められていた。デビュー曲「ANSWER」のMVも廃工場で撮影されており、この場所は「何もないところから再び始める」というDIVの原点を象徴していた。
映像表現には多くのこだわりが詰まっていた。ボケ感(Bokeh)を多用したカメラワークは、希望と孤独を同時に感じさせる演出になった。また、オールドレンズを使用することで、過去と未来を繋ぐような独特の映像美が生み出された。
特に印象的だったのは、CHISAが受話器を持って歌うシーンだ。この演出は、過去の楽曲「SEASONS」のMVへのオマージュであり、DIVが持つストーリー性を引き立てていた。過去の孤独を象徴していた受話器が、再生の象徴へと変わる瞬間。これが再結成の私たちを象徴するシーンとなった。

ファンとの絆

「Never Divided Just Dive」は、DIVの過去と未来を繋ぐ楽曲として完成した。この楽曲は、私たち自身の挑戦であると同時に、ファンやスタッフとともに築き上げた物語でもあった。
YouTubeに公開されたMVには、世界中から多くのコメントが寄せられた。「おかえりDIV」「青春が戻ってきた」「解散時にはもう会えないと思ったけど、また音楽を届けてくれてありがとう」。これらの声は、私たちが再び音楽を作り続ける意味を強く実感させてくれた。

新たな挑戦への誓い

「Never Divided Just Dive」というタイトルは、決して分断されないこと、そして未来へ飛び込む勇気を象徴している。諦めないこと、奇跡を起こすこと。それが、この楽曲の本質だった。
この楽曲が届けるのは、私たちメンバーだけの物語ではない。これを聴くすべての人に、希望や挑戦への勇気を与える存在となることを願っている。

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