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クラシック音楽 名盤探訪8

 ディヌ・リパッティはルーマニアの出身のピアニストである。1950年。このCDは、彼の最後のコンサートを収録したものである。当時まだ33歳であった。夭折のピアニストである。そんなキャッチコピーを聞けば乙女の9割5分はこのCDを買うだろう。事実タワーレコードなどのレコード屋に行けば、たぶん売っていると思う。
 予定していた2番のワルツは奏者が力尽き弾けなかった。また、実際に弾いたバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」は録音技師が、デスマスクを写真で写すようなものだと考え、収録しなかった。さぞかし素晴らしい演奏だったのであろう。ちなみにほかの音源で、スタジオ録音の、「主よ人の望みの喜びよ」をリパッティの演奏で聴くことができる。
 なんというか、ピンク色で、清冽で、節度があって、霊性を帯びていてという批評が多い人である。長生きして、ちゃんとしたステレオ録音で聴きたかったピアニストである。
 同年12月2日、リンパ肉芽腫のため生涯を閉じた。

収録曲

拍手

J.S.バッハ、パルティータ第1番 変ロ長調BWV.825
モーツァルト ピアノソナタ第8番 イ短調K.310
シューベルト 即興曲第3番 変ト長調 D.899-3
                          即興曲第2番 変ホ長調 D.899-2
ショパン 13のワルツ


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