クラシック音楽 名盤探訪4
ショパン/ピアノソナタ全集 アンスネス
アンスネスはノルウェーの島で生まれた、北欧出身のピアニストだ。その、鍵盤を自由自在に操る能力は非凡なものがある。2024年現在は、若き巨匠と呼ばれるようになった。
このCDには、ショパンのピアノソナタ第1番 ハ短調と呼ばれる、演奏機会がほとんどないショパンの習作が収められている。何度聞いても、また弾いてもよく分からない。しかし、ショパンの天才性の片鱗と言ったものが、萌芽しているということは、確かである。
続くピアノソナタ 第3番 ロ短調 作品 58 は疑うことない大傑作である。ショパン晩年の境地を垣間見ることができる。やはり何度も聞くとよさが分かってくる。ここでアンスネスは今までになかったピアニズムを披露している。抒情的で透明な音。ポリーニのような、輝かしさは無いけれども、独特の音色を持っている。また、アンスネスと言ったら、リズム感に関しては世界一と言っていい。超絶技巧の持ち主かと言われると、アムラン、ヴォロドス、プレトニョフに譲るかもしれないけれど。ただ、この演奏が20歳の若者によるものかと思うと、驚嘆するものがある。アンスネスはすでに、本物の音楽を奏でる、ピアニストだった。
収録曲
ショパン
ピアノソナタ第1番 ハ短調 作品4
第1楽章 アレグロ・マエストーソ 第2楽章ラルゲット 第3楽章メヌエット&トリオ 第4楽章 フィナーレ
ピアノソナタ 第3番 ロ短調 作品58
第一楽章 アレグロ・マエストーソ 第2楽章 スケルツォ 第3楽章 ラルゴ 第4楽章フィナーレ