猫舌になりたい
猫舌ではない僕は「猫舌」を持つ人の気持ちがわからない。
熱いものをうっかり口にして、涙目とともに火傷をする。口内を火傷するのが好きなわけではない。
自分では注意してフーフーしているつもりでも、食べ終わると口の中の皮がペロンということだってある。
鍋物の季節は、やけどの季節なのかもしれない。
猫舌は火傷をしない
舌の感じ方の個人差であるとか、口内での舌の使い方にあるとか、猫舌にはどうやら原因があるようだ。
症状としては、「熱いもの」を(熱くて)口に入れることができない。つまり、充分に冷ました食べ物しか食べられないということだ。
しかしながら、
アツアツ、フーフー言いながら食べることができない、という寂しさが、猫舌所持者にはあるようだ。
逆に、猫舌所持者は口の中をやけどすることがない。
僕は昔、中華料理屋さんで名物のあんかけラーメンをたべて、喉を焼いてしまったことがある。そもそも猫舌であったら、そんな事故がおきることはなかった。
猫舌になりたい
確かに、熱々ジューシーの小籠包を諦めなきゃいけないし、石焼ラーメンの楽しみもも来世に持ち越さなくちゃいけないかもしれない。
それを差し引いても、火傷を未然に防げるという仕組みはちょっとだけうらやましい。
猫に限らず自然界の生き物の多くは猫舌だそうだ。確かに、火を使って料理をするのは人間くらのものだから、生き物の体温以上に温かいは食べ物は存在しないはずだ。
火傷をするほど熱いものを口に入れることは、かなり生物として無謀な行為かもしれない。なぜなら、口内は柔らかいうえに体内への入口でもある。
理屈では理解していても、熱いものを口に放り込んでは、口内の皮をペロンさせてしまう。
そう考えると「非猫舌」というのはひょっとして、現代人のもつ病気のひとつかもしれない。
さっさとこの疾患を克服して、一刻も早く猫舌になりたい。